大津の事故、なぜブレーキ踏まない?

大津の事故「ブレーキ踏んでいれば止まれた。飛び込んだクルマも悪い」という意見が少なくない。確かに思い切りブレーキを踏んでいたら手前で停車出来たと思う。ただ結果論だと考えます。人間、本当に衝突しそうになった時の対応は、経験上3つある。1つは急ブレーキ。以前、日本最高レベルのドライバーだった人の隣に乗っていた際、飛び出してきた車両が!

どうするかと思ったらブレーキだけでした。おそらくブレーキで速度落とすのが総合的にダメージ少ないと身に染みているんだと考えます。もちろんわずかでも考える余裕あれば、ハンドル切ったりブレーキ掛けたりという回避操作はできる。ただ本当に余裕無くなったら、上級者ほどブレーキなんだろう。私も何度か同じような体験をしたけれど、やはりブレーキだけでした。

2つ目はハンドルで避けるケース。これ、本能的なものだと考えます。何度も危険な目に遭っているとブレーキを掛けられるようになるが、危機感の無い運転をしてるドライバーは急ブレーキを掛けられない。自動車メーカーも事故の解析で十分ブレーキを踏んでいないと解り、だからこそブレーキアシストが付けられるようになった。今回62歳の女性なので、急ブレーキは難しい?

3つ目が何も出来ないケース。パニックになってしまい、ブレーキもハンドルも切れなくなる。2020年に死亡事故者ゼロにしようとしているボルボの安全担当者も「事故を解析すると何の対応もしていないケースがあります。寝ているときなどもそうです」と言っていた。4つ目の可能性としては1回目の衝突で乗車姿勢が乱れ、ブレーキを踏めないという状況になるかもしれません。

また「自動ブレーキなら対応出来た」みたいに言う人もいるが、自動ブレーキは対向してくる車両を見ていない。もし衝突前にブレーキ掛けてしまうと、カーブ区間で対向車を検知してブレーキ掛ける危険性出てくるからだ(真正面から衝突するケースのみホンダとレクサスLS、新世代のボルボが急ブレーキ制御を入れている)。今回の事故形態、自動運転でも相当難しいです。

写真/グーグル

私は道路環境で対応すべきだと考えている。昨日書いた通り道路を作る際、適正な位置に横断歩道を設定するだけで危険度を大きく引き下げられるし、コストだって掛からない。今回の事故現場だって写真にある縁石に当たっていれば大幅にエネルギーは吸収出来ただろう。また、縁石を作る予算あるなら、20cmほどかさ上げしバンパーの高さにしておくとガードレール以上に効果あります。

 

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ