生きているKYBの人と始めて会った~(6日)

いやいやコワモテ総務以外の、生きているKYBの人と始めて会いました~。カローラスポーツの試乗会に行ったら、新しいコンセプトのダンパーを使っていると言うことで、珍しくKYBの技術者が説明担当で来ていたのだった。私のことは知らないかと思いきや、あにはからんや。どんなヤツなのか見たいと考えていたそうな。まぁ当然の如く評判良くないでしょうね。

新しいコンセプトのダンパーは摺動部の抵抗を減らした上で、横荷重掛かった時の”滑り度合い”を抑制した作動油を使っているという。まぁ普通の人からすれば「なんだよそれ」だろうが、KYBダンパーの弱点になっている微少入力時の減衰力の低さを「動かないこと」でカバーするという狙い。動いてふにゃふにゃしちゃうより、動きを貯め、動いたら減衰力出そうという寸法。

問題は「乗ってどうよ?」。同じTNGAプラットフォームを使うプリウスと比べ、フラットな場所を走っている時の乗り心地は同等をキープ。それでいて大きめの入力入った時の挙動も安定している。プリウス、スタビリティより乗り心地を追求したのだった。今までのKYB製ダンパーと比べたら明らかに良いクルマに仕上がっていた。「自信あり!」ということなんだろう。

幸い総務の人では無いためダンパーについてキッチリ話を聞けた。いろんなことを端折って書くと、人と環境が変わり、2011年あたりからKYB独自でダンパーの研究を始めたそうな。それまではメーカーのリクエストに応じ、これまでの経験値を踏まえスペックを決めてきたという。2011年以降、KYB独自でダンパーの「なぜ?」(同じように作っても差が出る)を解明する動きなる。

その最初の技術が今回カローラスポーツに投入した摺動部の部品と作動油。驚くべきは、2011年までKYBは目覚めていなかったということ。「ずっとやっててダメ」ということじゃなかったようなのだ。今後、独自の技術開発に注力していくという。聞いた話が本当なら、少しKYBの見方を変えなければならない。もちろん今回の技術が全て正しいということじゃないと考えます。

KYBの技術者もよく解っているようだ。ダンパーを良くするため、様々なアプローチがあるということです。肝心のカローラスポーツの試乗記は「くるまのニュース」で近々。正直、高いだけでツマらんクルマかと思っていたけれど、最近のトヨタは奥行きある。高いと思える価格も212万円スタート。インプレッサやシビック、アクセラと勝負出来れば十分納得出来ます。

 

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