国沢光宏のMSCスプレンディダ乗船レポート(前編)

今年から日本に度々やってくる『MSCスプレンディダ』の取材で上海~長崎~横浜。ジャパネットタカタという大手通販会社が10月21日から1隻チャーターし、日本1周を2回催行するという。今やアジア地域で最もクルーズ船の利用者多いのは中国ということで、本来ならイタリアのフネであるスプレンディダも中国ベースで運航してるのだった。日本へは回送だと思っていた次第。

したがってお客さん少ないか、または日本人かと思いきや、定員3200人のウチ、大ざっぱなイメージだと2500人は中国人でした~! 香港でスタークルーズのフネに乗って懲りたため二度と乗るまいと決めた中国ブネです。しくし~く。スプレンディダは東京タワーと同じ333mあり、最近大型化するクルーズ船の中でも大きい方。吹き抜けやプロムナードの少ないヨーロッパ系の作りです。

ロイヤルカリビアンなどアメリカ系の大きなフネは吹き抜けのプロムナードがあり、フネに乗っているとは思えないような広さ感がある。シアタースペースだって巨大で毎晩派手&レベルの高いショーを行う。ヨーロッパ系のフネは迷路のような作りになっており、中に居ると「大きさ」を感じない。シアタースペースも小さく、ショーのレベル高くない。スプレンディダは後者。

例によって中国ブネはいろんな場所で大声の中国語が飛び交い、レストランのテーブルと床はゴミだらけになるものの、改めて見てると日本人にも同じくらいマナー悪い輩が目立つ。朝から飲んで中国人以上に大きな声で騒ぐヤツらいるし、部屋のスリッパでレストランに来るのもいる。50年前の日本の一般人も今の中国人レベルだった。ジャルパックや農協のツアーもこんな感じだったという。

もちろん生演奏のコーナーでキチンと飲み物をオーダーしたり(中国人や日本人は基本的に無料鑑賞を決め込む)、ダンスで欧米人のように盛り上がる「人生楽しんでいる日本人」の方が多数派なのかもしれないが、気分悪い輩って少数でも目立つし存在感ある。日本ベースのクルーズ人気が盛り上がるかどうかは、良質な日本人のお客さんをいかに集められるかという点にあると思う。

本日終日航海日。上海から長崎に向かい、寒気団から吹き込む7~10mの強い北風で白波立つ東シナ海を東進する。途中、驚いたのは上海から15時間以上航行した東シナ海のド真ん中にたっくさんの中国巻き網漁船が展開していること。このあたりの海域全てで操業しているようだ。スゴイ数ですね~。衰退しつつある日本の漁業はパワー無く、広い海域にこんな密度で操業していない。

次の寄港地である長崎着は19日の朝7時。これだけ大量の中国人来襲により長崎最大の危機を迎えるかと思いきや、聞けば今や中国ブネの人気寄港地になっており、3000人級が2隻同時に入ることもあるという。長崎の中華街、中国人で一杯になるそうな。かくなる上は丁寧にもてなし、日本好きになってもらうよう頑張って欲しい。中国人、日本に行くと礼儀正しくなるという。あらま。<後編を読む>

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