「ネオチューンって何をやっているのか?」と良く聞かれるので少々怪説など 

最近ネオチューンについて聞かれることがまた増えてきたのでデータを交えて怪説など。ネオチューンで行う作業は、複筒式ダンパーの作動油を抜き、ネオチューン用の作動油を適量入れるというもの。この作動油にノウハウが詰まっており、配分によって減衰力を調整出来る。また一般的にダンパーの作動油は泡立って気泡入ると特性変わってくるため、消泡剤などを含む。

ネオチューン用の作動油は通常透明ながら、何度かオリフィスを通ることでムース状になる。作動油は「剛体」ながら、ムース状になったネオチューンの作動油は「弾性」を持つ。弾性を創り出しているのは空気。この空気により微少入力を吸収します。下のグラフは車体が受ける上下方向の重力加速度(G)。真ん中の黒い棒は、通常路面で走っている時に受ける上下方向のG。

車両はアウトバック

黒いブブンが太いほど「大きい上下G」を受けていることになる。下のグラフはネオチューン後に同じ場所を同じ速度で走った時のもの。明確に黒いブブンが小さくなっている。これだけ違うとハッキリ体感出来るレベル。まったり走るようになります。さらに注目して欲しいのが、大きい入力を受けた時の波形。鋭い読者諸兄なら気付くと思うけれど、マイナスGの絶対値が低くなってる。

1Gで過ごしている人類はプラスGにけっこう強い。戦闘機など9Gくらい掛け、耐Gスーツあれば耐えられる。けれどマイナスGに滅法弱い。戦闘機もマイナスGは2Gくらいしか掛けられない。気を失っちゃうそうな。クルマで言えば突き上げた後、沈む挙動。ここで大きいGを出すと不快だし気持ち悪くなる。クルマ酔いの原因にもなります。ネオチューン、マイナスGを小さくする。

波形の違い、専門家が見たら驚くと思う

伸び側の減衰力を微少な動き領域からしっかり出している、ということ。結果的に、猫のような乗り心地になります(猫に乗ったことはないのでイメージ。念為)。またこの表には表せていないものの、縮み側も微少な動き領域から徐々に減衰力を立ち上げていく。雪道を歩く際、そっと荷重を掛けていくのと同じ。これ、限界コーナナリング領域でもしなやかに動き、路面を捉える。

少なくとも私がナビシートに乗せて貰ったヤリスWRカーは極めて近い乗り心地だった。世界最高のダンパーも違うロジックだと思うけれど同じような挙動になっている。同じくGT500やグループCカーなども全て共通の「ガッシリしているけれどしなやか」な乗り味。ハイエースのラリー仕様や、仕上がったMIRAIのラリー仕様も驚くほど上質な乗り心地になった。

もちろんダンパーだけでカバー出来る部分は限られるものの、ネオチューンだけで確実に乗り心地と車両の挙動は改善する。昨日紹介したダンパーだけ交換したハイエースも、ザックスのダンパーと同等以上のレベルになると思う(ハイエースのザックスに乗ったことがないので”思う”という表現)。たまに「異音が出る」ということを聞くけれど、ネオチューン作動油と違う問題です。

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