スカイアクティブの実燃費

マツダのエンジン開発担当の方によれば「小排気量過給エンジンは効率よくないのでウチはやらないです」。でも今や世界の流れを見ると明らかに小排気量ターボ。どちらがいいのか? こらもう簡単。同じクラスのモデルで燃費比較をすればいい。ということでスカイアクティブのアクセラとTSIのゴルフである。

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まずベストな燃費を計ってみようということで、60〜70km/hという最も効率の良い速度域の巡航燃費をチェックしてみた。逆に言えば「これ以上の燃費は理論的に難しい」という数値である。平坦な道路を52kmほど走って出た燃費はアクセラが20,7km/L。この燃費、数日前から予想してました。

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そしてゴルフ24km/L。この数字も数日前から予想済み。この時点で勝負付いたかもしれません。基本となる燃費がゴルフ優勢です。計測方法だけれど私がゴルフに乗って前を走り、永田は後ろを同じペースで追走。行程の半分でクルマを乗り換える、というもの。ウデの差や、空気抵抗の差を無くすためである。

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続いて負荷を掛けゴルフのターボのブースト圧を上げてやろうというモードを試す。高速道路の追い越し車線の流れに乗って走る。特に速くもなく、かといって遅いワケでもないという普通の追い越し車線をイメージして頂ければよかろう。アクセラは14,9km/L。けっこう走りますね、と思った。しかし‥‥。

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ゴルフはさらに良かった。ヨーロッパでの走行速度域になると一段とゴルフ優勢になるという。どうやら日本の速度域でも小排気量ターボの方が効率良いかもしれません。ちなみに10・15モード燃費はアクセラ18,8km/Lに対しゴルフ18,4km/L。今回は10・15モードと同じく暖機してから計測を始めた。

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次はストップ&ゴーのある街中。アイドルストップのタイミングとしちゃ両車同じ。となると「DSGより伝達効率良いです」というスカイアクティブ・ドライブとツインクラッチの勝負でもある。45分ほど一般路を走ったらアクセラ13,3km/L。シフトアップのタイミングが遅い。2000回転くらいまでシフトアップしないのだ。

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ゴルフは15,6km/L。1600回転くらいでシフトアップしていく。常にアクセラより1速高いギアを使っているイメージ。もっと長い距離を走ってみようかとも思ったけれど、ここまで差があるといかんともしがたい。ということで延長戦無しにしました。今回行わなかった冷間スタートについちゃアクセラ一段と厳しいです。

アクセラのライバルはゴルフというより、ポート噴射+CVTという普通の技術を使うインプレッサだと思う。これまた感触だとインプレッサ優勢。先日スタッドレスタイアヤ履いた2リッターFFのインプレッサを試したけれど、高速燃費なんか勝るとも劣らずでした(冷間スタートのみゴルフ優勢)。

使用する燃料(ゴルフはハイオク)やメーター誤差、燃費計の誤差については「日記」の方に詳しく説明してあるのでご参照のこと。

・ECOカーアジアは「やっと日産ディーラーに急速充電器

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10 Responses to “スカイアクティブの実燃費”

  1. 那須与一 より:

    いつも「実際」の実験をありがとうございます。世間を騒がしている30Kmオーバーのクルマ達、試乗車がバリバリの新車ってのもありますが、普通に試乗してもどうも乗り方が悪いのか20㎞前後。
    燃料タンクを減らしたり、タイヤを替えたり、EVで稼いだりと。なんか役所向けのスペックでは?と疑問に感じ始めていたところなので、氷解しました。
    うちは田舎なので、おそらくゴルフの方がいいんでしょうね。(本体が高いので買えませんが)
    レポートありがとうございました。

  2. 白木 晴幸 より:

    日記も読ませて頂いた上でのシロートの感想ですが、スカイアクティブドライブのコンピュータマッピングにも関係があるかも…とも思えてしまいました。
    最大の理由は、〝冷間時は2000回転以下ではマニュアルシフトでも動作しない〟という点です。ただこればかりはメーカーの技術者にしか解らないと思いますが…。
    燃費の優劣については7速DSGと6速スカイアクティブドライブのギア比の差も効果があるのでしょう。ゴルフは市内地走行とアウトバーン巡航を考慮されたセッティングでしょうから…。

  3. 白木 晴幸 より:

    追記:基本的に燃料消費率はエンジンの排気量の大きさで決まります。過給機を使っていてもエンジンの回転数が低ければ燃焼の消費率は低いでしょう。
    大きいパワーが必要な時に過給機の力を借りて巡航時は低回転でエンジンを回転する、と考えれば必要以上に大きな排気量はいらないですよね。

  4. 小林 英弘 より:

    スカイアクティブエンジンって…もちろん絶対的には十分好燃費だと思いますが…発売前から盛んにアピールされてた『超スーパー好燃費なエンジン!』という訳ではないんですね。インプレッサも好燃費の様ですし、実は「普通のエンジン」については他社もちゃんと地道にレベルアップさせてた、というのが実情なのでしょうか。ホンダもi-VTECエンジンで色々やってますし…マツダは気合がちょっと空回りしちゃったみたいですね。
    ところで、私は普段はこのTOPしか見ませんが、「ハイオク燃料」に関して日記で説明してるとの事でしたのでリンク先の日記も読んで見ました。で!衝撃のこの部分!
    (前略)またゴルフはハイオクじゃないか、という意見も出るだろう。これまたアクセル開度の低い状態で乗っているTSIエンジンの燃費がハイオクとレギュラーで変わらないことを確認済み。(後略)
    …え! ハイオクとレギュラーは単価だけじゃなく「燃費そのもの」も違うんですか! しかも文章のニュアンスは明らかに「普通はハイオクの方が燃費悪いんだけど…」ですし…
    確かにホンダの営業君も「今やホンダでハイオク仕様なんてレジェンドとアコードだけですよ。次期NSXもHV系とか言われてますし、ホンダに限ればハイオク仕様なんてそのうち絶滅するんじゃないですか?(笑)」て言ってましたけど…トルネオ君、いいクルマなんだけど…ガソリン入れる度に財布が激しく軽量化されるのはキツイ…エコなクルマに買い替えようかな…相場の安いV系エンジンのデルソルに(笑)…。

  5. お惣菜 より:

    私はこれがマツダクオリティ.と認識しています。
    CXー5では、悪い期待を裏切ってくれるといいなあ

  6. さね より:

    うーん残念。思ったより燃費はよくなかった…スカイアクティブ スカイアクティブドライブもインプレッサのCVTに負けるようだし、卓上の空論だったのでしょうか? が、まだまだ期待してますスカイアクティブ技術。まだまだこれからだと思うように願ってます。エンジ工学で正統派な効率を追究してる技術が負けるのは、いやだなぁ。 なにげにマツダもやりきれないでしょう… でもエンジン工学やトランスミッションは昔とは新たなステージにはいったんですかね? 正統派と感じるだけに残念だけど、これにめげずマツダの技術者には頑張ってほしいです。全部同じじゃつまらないし、たまには他と違うアプローチから世界を震撼させるほど進化させてほしいです。 違う進化をとげた技術が生き残り主流になることも多いし、生物の世界でも。とことん他とは違う道でいってほしいです。 今は辛いでしょうけど…。

  7. オロネロ より:

    鳴り物入りで登場した、スカイアクティブとは何だったのか・・・
    凄い技術かと思いきや、案外大したことはなかったのか?とがっかりしますね。
    これでもまだマツダの方達が現実を見ないで自社の技術にこだわっているなら、本当においていかれますね。
    スカイアクティブは、それはそれで良いとは思いますが、
    小排気量ターボの可能性を否定してはいけませんよね。
    謙虚に受け入れて、学ぶ姿勢が大事だと思います。

  8. アミーゴ5号 より:

    やっぱりフル・スカイアクティブは凄かった!という結論を期待しています。
    (・o・)ゞマツダがんばれ〜

  9. wine より:

    ゴルフって意外に燃費いいんですね。
    もう一つ意外だったのはスペックが低いこと。
    105ps・175Nmしかないのはどうなんでしょう。
    ディーゼルエンジンみたいな特性なんでしょうか?

  10. 志士 より:

    スカイアクティブディーゼルは低騒音のメリットもありますから1.1のツイン1.6の三気筒での展開も他社より有利にできるでしょう。これらをデミオ、アクセラに登載すれば、ゴルフTSI を凌ぐ燃費は確保できます。ゴルフTSIのエンジンとなら三気筒1.6スカイアクティブディーゼルでも十分に上回り、ツイン1.1ディーゼルでも対等位になります。ツイン1.1ディーゼルをデミオに登載すれば、アクアの燃費を上回る可能性もでてきます。

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