スカイアクティブXは価格競争力という点で厳しい?

多くのメディアで絶賛されているスカイアクティブXの象徴となる圧縮着火エンジン(SPCCI)ながら、少し冷静になり客観的な分析をしてみたい。改めて説明するまでも無く、最大のライバルになるのは同じく燃費の良さをアピールポイントにしているハイブリッドである。

SPCCIを搭載車が通常エンジン搭載の同クラス車と価格同じで、燃費ハイブリッド並なら文句なし! しかしSPCCIエンジン見たら、スーパーチャージャーやマイルドハイブリッドなど使うようだ。マツダに聞くと、価格は未定ながら通常エンジンとハイブリッドの中間くらいになる模様。

また、プリウスのようなツマらないハイブリッドが相手ならSPCCIも楽しさで優勢。されどハイブリッドだって進化します。新しいカムリの走りは素晴らしい! トヨタだって現行プリウスの失敗原因を認識している。カムリの技術を使えば次期型プリウスの走りは大きく変わると思う。

そもそも実用燃費でSPCCIがどこまで伸びるか? 鳴り物入りで登場したスカイアクティブGを搭載するアテンザより、カムリはEPA燃費で10%近く勝る。マツダが「てんでダメ!」と頭ごなしに否定した小排気量ターボを搭載するシビックの燃費は、アクセラより12%も良い数字。

少し数字を比べよう。プリウスの場合、普通のガソリエンジンを搭載しているモデルがないため、カムリで比較してみたい。通常のガソリンエンジン搭載車の燃費は、極めて実燃費に近い数字のアメリカEPAで13,5km/L。同じボディにハイブリッドを搭載するモデルが19,5km/Lとなる。

価格差は39万円。日本のガソリン価格だと走行1万kmあたり3万円ハイブリッドの方が安価。したがって13万km走ればハイブリッドと普通のエンジンでトントンになる。マツダが次期型アテンザにSPCCIエンジンを搭載したとしよう。現行アテンザのEPA燃費は12,3km/L。

となると燃費も中間くらいじゃないとランニングコストで厳しい。すなわち次期型アテンザは16,5km/Lに届かない限りハイブリッドに勝てないのだった。頑張っているのはマツダだけじゃない。果たしてSPCCIがどこまでイケるのか? 今後の熟成を楽しみにしておく。

少なくとも「余裕でライバルに勝てる!」というレベルに到達させるのは相当高いハードルを超えなくちゃならない。苦戦しそうなSPCCIと対照的に、素晴らしい仕上がりだったスカイアクティブXのプラットフォームの紹介は近々。

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