トヨタバッシング終わりへ

ニッケイNETが伝えるところによれば、トヨタはヌーミー閉鎖にあたり2億5千万ドルの巨額の資金援助を行うと発表したら
しい。現在の為替レートなら従業員一人あたり450万円(アメリカの金銭感覚だと500万円くらい)の手取りになる計算。この金額、果たしてどうか? 結論から書くと、援助としちゃ十分だと思う。

新しい土地に行き、新しい職を得るまでの繋ぎ資金として全く文句無い。というか、資金さえあればアメリカ人って土地の移動にこだわらない。おそらくこれで普通の従業員は(過激な人はどこにでも居る)ほとんど納得することだろう。トヨタもヌーミーが騒動の大きな要因になっていることを認識した、ということです。

もちろんUAWなどは不満だろうけれど、肝心の組合員から文句出なければ
いかんともしがたい。アメリカの世論は普通のアメリカ人の不遇に対し怒りの声を上げるけれど、過激な分子の言動なんか気にしません。トヨタが「州知事などの声も十分配慮させて頂きました」とアピールすると、政界からのプレッシャーも弱まる。

おそらく今回の資金援助、豊田社長の訪米のお土産だったんだと思う。それにしても2億5千万ドル(225億円)という金額は凄い! これだけのお金を投入すればヌーミーだって存続させられたろうに。当初の目的であった「ムダな出費を抑える」という点からすれば、むしろ厳しい勉強をしちゃった感じ。

ヌーミーに限らず、今回の騒動でトヨタはいくら使うのだろうか? 下を見て2千億円。今後の裁判で支払う金額や販売台数の減少まで含めれば5千億円くらい注ぎ込むことになろう。ただトヨタの財政基盤は盤石。長い目で「授業料」と考えるなら、何ら問題ない。これでトヨタバッシングは終わると私は考えます。

加えて今回の件、授業料の半分くらい戻ってくると思う。アメリカの世論の面白さは「振れ戻し」があること。強引に叩きすぎた傾向あったため、トヨタ援護の声だって出てくる。トヨタ
の存在感をアピール出来た、という点まで加味すればプライスレスです。夏前には販売もカンペキに回復するだろう。

<おすすめ記事>

4 Responses to “トヨタバッシング終わりへ”

  1. 名古屋人 より:

    生まれも育ちも名古屋だけれども、愛知県の経済の落ち込みは全国でも最悪です。
    ため息しか出ませんし、繁華街や中心部の飲食店ビルでは看板だけ付けて一階以外は全滅しているビルをよく見かけます。
    よくメルセデスと比較されるレクサスですが趣味性が薄いので、法人需要だらけのLS600よりもS350でもベンツの方が実は好きな人が多いですね。
    愛知県の法人需要に甘えず、真にベンツより人気のあるクルマを開発することがトヨタ自動車復活のカギだと思います。

  2. 小林 英弘 より:

    予想通り莫大なお金使っての解決を選びましたね。しかし225億円って凄いですね〜全部札束にして一度見てみたいです(笑)。さすがは超優良企業のトヨタですね〜お金はいくらでも出てくるって感じですね。…話は変わりますが今年のNHKの「龍馬伝」はいいですね〜何せ私の母校は高知大学ですから!土佐弁が懐かしく耳に心地良いです。「〜ぜよ」は別にして(古すぎて今の高知県民は使いません(笑))それ以外の方言や独特のイントネーションが全国ネットの割には良く再現されててレベルが高くてちょっと驚いてます。

  3. 阪神ファン より:

    新聞記事によると『アメリカの教授が行った実験では急加速が起きると証言。ただし、電子回路の特定部位に傷をつけてショートさせていることから、トヨタは「実際には極めて発生しにくい現象」と意見書をアメリカ議会に提出』とのことです。
    この記事を読んで少し安心しました。言われても仕方がないことにはきちんと謝罪するが、主張すべきことは主張する姿勢が見えたような気がします。日本というのは、謝罪しなくていいことまで謝罪する傾向にあるような気がしていましたので・・・。
    トヨタ車販売回復に期待します。

  4. ポンポン より:

    豊田社長が総理官邸へ。

このページの先頭へ