バッテリーの品質管理

韓国で走行中のEVが燃えるという事故があった。皆さんリチウムイオン電池は実用化目前と言ったイメージを持っているかも
しれないけれど、そんな甘くないです。特に円柱形の電池ときたら、量産するため驚くほど高い品質管理を必要とするのだという。サンヨーの工場を見た人は一様に驚くそうな。

基本的に常時人間が管理しなければならず、しかもワーカーは高いスキルや「真面目さ」を持っていなければならないのだとか。バッテリーに詳しい人ほど「中国の企業には絶対出来ない! 韓国でギリギリでしょう」と言う。いずれにしろ製品誤差が全く許されないリチウムイオン電池を生産するのは難しい。

もし簡単にできるなら、とっくにアメリカやドイツなど欧米の企業が作っていることだろう。実際、アメリカやドイツの自動車メーカーはこぞってアジアのメーカーからバッテリーを買おうとしているのだった。ちなみに性能面での人気No1はサンヨー。コストでBYD(中国)。両方取って韓国勢なんだという。

ここからは私の想像と情報主の意見なんだけれど、BYDで使える製品、試作品だけかと。韓国勢も品質のバラ付きという点で日本勢の目標値の10分の1といった感じ。このレベルだとバッテリーの初期不良に悩まされるだけでなく、燃えるようなトラブルも避けられまい。ちょっと怖いです。

日本勢もそのあたりは十分解っている。だからこそ価格を下げられないのだ。そんな中、唯一実用化に向けて
驀進中なのが日産NECのラミネートタイプ。円柱形は海苔巻き作るのと同じ。一方、ラミネートタイプはレトルトカレー。圧倒的に効率いいし、安定した製品になることだろう。

それくらい画期的だということである。ベンツが欲しがるのも当然か? 日産NECは思い切った生産規模とし、バッテリーを販売するビジネスで一財産築くのも悪くなかったりして。ちなみに日産リーフの価格設定、予想通り390万円台になりそう。補助金を使えば310万円程度。

この価格なら10万km走るとプリウスの車両価格+ガソリン代と日産リーフの車両価格-補助金+電気代は”ほぼ”同額になる。
きっと皆さんの予想よりはるかに多くの台数が売れることだろう。

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6 Responses to “バッテリーの品質管理”

  1. KITON より:

    気になる記事でしたので調べたら、
    「2007年式のトヨタ・RAV4の中古車」
    に載せての走行ですね。
    自分の国の車ですればいいのに、なんでトヨタなんだ!

  2. ドン より:

    少し違う角度からの意見になりますが、日本だけではなく、エネルギー資源の乏しい先進諸国にとってEVは今後絶対に必要になります。
    主たる産油国が集まる中東の情勢は未だ不安定であり、いつ何が起こってもおかしくない状態です

    それに比べ原発の燃料の多くは、カナダやオーストラリアなど比較的日本とは友好的な国に埋蔵しています。
    また、太陽光発電などの自然エネルギーの回収技術の発展もますます加速していくでしょう。
    EVへの転換は政治的なものでもあり、日本人が今後も豊かなモーターライフを続ける為にも必要不可欠だと思います。

  3. 小林 英弘 より:

    じゃあ今「オートモーティブエナジーサプライ株式会社」の株買っとけば将来大儲け!? …不謹慎ですいません。でもあながち間違ってはいないですよね!?(笑)。

  4. tm256 より:

    EVの当面のキラーアプリはタクシーになりそうですね。
    ご存知の通り、神奈川県は100台のリーフをタクシーとして新年度から2ヵ年で導入する計画です。
    また、今週には東京都内でもついにi-MiEVのタクシーが営業を開始します。当面、走行エリアや運用に限定は残りますが、この流れが加速することになりそうです。
    中国でもBYDが深センのタクシー会社に100台を供給予定となっています。
    なお、中国と日本では安全の基準というか許容度に差があるのかもしれませんが、件の「中国の企業には絶対にできない」というコメントは少々割り引いて考える必要があると感じます。
    何しろ、BYDはダイムラーも認めた訳ですし、同社の正極材は安価で安定性が高く発火や爆発などの危険性が低いのがメリットのリン酸鉄系(LiFePO4)です。
    日本の電池メーカーはほとんどがエネルギー密度を極大化するために、マンガン系やニッケル系、三元系の正極材を使っているために、その分安全対策がリン酸鉄系よりも大変だからなのではないでしょうか。
    ちなみに、BYDのe6のkWh単価を試算してみたら、4〜5万円/kWhでした。これは、国内メーカーのLIBのkWh単価の半額以下です。これだけコスト優位性があり、現在さらに巨額の投資を敢行して量産に踏み切りつつあるのは、個人的にはやはり脅威に感じます。
    最後に、リーフは390万円位なのですか。土曜日に横浜市と日産の開催したイベントで、日産の方が今月末には価格が明らかになると言ってましたが、いずれにしても、また話題になりそうですね。

  5. ぱんだねこ より:

    こんばんは。2次電池に詳しい人に「リチウムイオンなんか山積みにして走るのヤバいよ」といわれたことがありますが、やっぱり難しいのですね。「過充電しなければ大丈夫」という人もいて充電制御の精度を上げて電極の異常を防ごうというのですが・・・。
    ガソリン車が燃える時はそれなりに「前兆」がある一方、「電池」の場合はどうなのでしょう?逃げる暇なく火花に包まれてしまうのか、熱いと感じることもなく感電死をしてしまうのか?
    日産リーフのWeb先行予約をしてしまいましたが、早計でしたかね。まあ、プリウスのローンがあるので、でも1充電で100kmくらいに妥協して、250万くらいでがんばって欲しいな。お金がたまったら大きなバッテリーにリース変更するってものありかと。

  6. 阪神ファン より:

    リーフは性能的に完璧でもスタイルが・・・気になります。スタイルで損をしているような気が・・・。もう少しなんとかならなかったのでしょうか。EV車の特徴を出したかったのかもしれませんが、せめてマーチのようなスタイルであれば、と思います。そういや新型マーチ。写真で見る限り、フロントマスクが新型パッソ/ブーンと似ていいるように見えてしまうのは自分だけでしょうか。

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