リーフ、アメリカで失速?

『ブルームバーグ』のWeb版は「リーフは米国で発売早々に失速」というレポートを掲載した。内容については下のリンクをどうぞ。ちなみにオリジナルの記事は最後の段で紹介しているキャンセル率を「45%」としており、厳しい顧客離れが進行しているような読後感になっている。電気自動車嫌いは大笑いかと。

・ブルームバーグの記事

日産もカチンときたらしい。実際のキャンセル率は20%未満だという証拠を示したんだと思う。ブルームバーグも認めざるを得なくなり、14日の朝8時32分に訂正を入れた。興味深いことに最後の段が45%と20%未満じゃ決定的に受ける印象変わる。これだけの納期遅れで20%しかキャンセル出てないなら凄いです。

つまりブルームバーグの記者は45%というキャンセル率が「深刻な状況だ」と判断し、前段を大げさな文章構成にしたワケ。20%未満という結論なら、これほどコキおろせなかったと思う。メンツもあって全部削除も出来なかったんだろう。安易に数字だけ変えるとオタンコな記事になるという笑えるお手本になった。

せっかくなので正確な情報を。まずリーフの生産立ち上がりが約1ヶ月少々遅れたことは事実である。以前も書いた通り、そんなこと珍しくない(不運なことに正月をまたいでしまったため遅れは2ヶ月に拡大)。補助金の締め切りが2月8日ということから、結果的に生産立ち上がり分は全て日本仕様になった。

おそらく2月の終わり頃まで国内向けモデルばかり生産していたと思われる。そこからアメリカ仕様のフル生産になるのだけれど、3月11日の震災により再び厳しい状況に。部品が揃った分から生産を再開するも、4月末日までに上を見て2千台くらいしか作れなかったと予想する。というかよく2千台も作れたもんだ。

震災による生産の遅れはリーフをオーダーしたアメリカの顧客に相当浸透しており、むしろ同情的なようだ。だからこそ納期遅れ半年以上という厳しい状況になったにも関わらずキャンセルが20%未満に留まって居るんだと思う。アメリカにだって浪花節の精神を持つ人は多い。いや、日本以上に多いかもしれません。

今後の生産分は”ほぼ”全数をアメリカ向けに回すと思われるので、急速に納車が進むと考えていい。現在キャンセルしていない人であれば、多少遅れたって待つと思う。米国日産の販売計画である2万台くらいの「ニッチ」なマーケット、アメリカにゃいくらでもある。成功か失敗かの判断は2012年末くらいか?

メディアが徹底的に厳しい記事を書くと、勝手に情報が歩き出す、という見本のようなハナシでした。私のTOPを読んでからブルームバーグの記事を読んで頂くと、全く印象変わると思います。追記/サンケイビズがブルームバーグの記事をそのまんま伝え(45%キャンセル)リーフをケチョンケチョンにしてますね。

・ECOカーアジアは「200万円切りのi-MiEVは売れるか?

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4 Responses to “リーフ、アメリカで失速?”

  1. かず より:

    落ちがスンゴイですね。
    思わず、その程度かょ〜と突っ込みました。
    (・_・)エッ..?
    「日産リーフ、納期遅れにもかかわらず、米国での予約者8割以上が購入へ…。」
    という見出しでも、良いかと思います。
    トヨタのIQベースの電気自動車は、航続距離が105キロ程度が目標だそうで、アイミーブの廉価版とガチなのは、たまたまでしょうか…。
    リーフはプリウスと同じように、世間に浸透させる役割があると思いますので、頑張って売れて欲しいです。
    トヨタやそれ以外からも電気自動車が発売されて、面白くなると思います。

  2. tm256 より:

    確かに、それだけ待たされてもキャンセルがたった20%というのは凄いかも。
    今は充電インフラの整備も途上だし、従来車と比べてしまうと半分程度も走れない「ニッチ」な半製品だというのは当たっているかと思います。
    しかし、ガソリンが1ガロン4ドルを超え、5ドル、6ドルとなると、ニッチでは無くなってきます。
    NYなどを除くとクルマが無いとどこにも行けないアメリカでも、普段は通勤や買い物であれば一日の走行距離がせいぜい20〜30マイルと言う人が大半です。
    ガソリン価格の高騰状況によってはニッチでなくなるのは時間の問題です。

  3. tonpochi より:

    私が勤務しているところには、今年20KWの太陽光パネルが取り付けられ、発電状況はデジタルサイネージに随時表示されています。
    当初、そんなに気にしていなかったのですが、良く見ると、この時期だいたい25~35Kw/日を発電しているようです。
    1m2当たりの発電量も200〜500Wくらいを示しています。
    また、色んなところから視察にこられています。詳しい仕様は解からないのですが、ここの太陽光パネルは結構効率の良いものなのかなと思います。
    前置きはこのくらいにして、効率の高い太陽光パネルを電気自動車の天板に取り付けてはどうかなと思います。
    プリウスαのような車であれば天板の面積は2m2くらいはあるでしょう。そうすると天気が良い時間であれば一時間で1Kw程度発電します。日射しの関係もあるので8時間では4Kwくらい発電可能ではないかと思います。
    電気自動車の電費が7.5km/Kwとすると30Km走行分の充電ができます。通勤距離が20Km程度なら日射しのよい駐車場に駐車しておくと、家で充電する必要がなくなります。
    また、仮に走行中に電気量が少なくなったとしても、日射しの良いところに1時間駐車すれば7km走行可能になります。しかも、夏場であればエアコンの使用に優先的に太陽光の電力を廻せば電費は下がりません。
    しかし、なかなかそういう製品が出ません。やっぱり、皮算用なんでしょうか?

  4. れいぶん より:

    三菱化学が車体に印刷できる太陽電池を開発し、来年夏をめどに商品化するそうです。
    来年発表されるPHVやEVに採用されると面白そうですね。
    採用されるにしてもオプションだと思いますけど、価格は気になるところです。
    新聞報道によれば、晴天時は2時間で10キロ走れる電力を作るそうなので、青空駐車が増えるかも、、、
    通勤くらいなら自家充電も必要ないかもしれませんね。

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