北京ショー

北京ショーを取材して三つの事象を感じた。一つは「技術的に停滞しましたね」。面白くない、と言い換えれば解ってもらえるかもしれない。新しいコンセプトのモデルが全く出ていないのだ。日米欧韓中全てのメーカー問わず。なぜか? こらもう簡単。新しいトラインなど必要ないからだ。

御存知の通り現在中国の市場は供給が需要に追いつかない状態。数年前より「出せば売れる」。したがってアタマを捻った商品より(新型車を出すと技術的なリスクも伴う)、生産規模の拡大が重要な課題になってます。技術者は新型車の開発より、むしろ信頼性や作り込みに注力しているのだという。

なるほどBYDの『F8』というベンツSLKそっくりのモデルは4年前から全く変わっていない。『F3』なるカローラのパクり車も変わっておらず。されど作り込みはずいぶん進んでいるように見える。ちなみにBYD、日本の大手金型企業の工場を居抜きで買収したりするなど意欲的だ。

二つ目は韓国勢の躍進ぶり。日本人メディアを含む日本人だけでなく、日本で勤務している自動車メーカーの人も韓国勢のイキオイを認識出来ていない。北京ショーでも現代自動車のブースは日産と同規模。傘下のキア自動車もインフィニティとイーブンのスペースを確保してます。

ホンダ、日産とは完全に並んだ感じ。マツダや三菱自動車についちゃ規模だけでなく技術面でもラップ遅れにされてしまった。ハイブリッド、ディーゼル、電池を含むEV全てリーチ&イーシャンテン状態。いや、日産とホンダだって猛追を受けており、いつ抜かれるか解らない状況。

中国勢は大EV展示会といったイメージ。全てのメーカーがEVを出してきた。何度も書いてきた通り、EVって作ろうと思えば簡単。その割に環境イメージが高い。日本だってコンバートEVを作ろうとすれば高校生の放課後の活動で出来てしまう。ただ実用化に耐えるかとなれば、カンペキに別次元。

新聞など大手メディアの北京ショーの記事を見ると「環境技術が多数出ていた」とある。EVの大量出展を見ての記事なんだろうけれど、こらもう本質と全く違う。そういえば前回の北京ショーもハリボテやステッカーだけのハイブリッドを盛んに報道してました。

全てのEVを子細にチェックしてみると、確かに走行実験は行っているらしい。モーターも搭載されており、走った形跡ある。ただバッテリーの根拠が全くない。皆さん「燐酸鉄リチウムバッテリー」と呼ばれる中国に多いバッテリーを使ってます。このバッテリー、電動バイク用に大量生産されている。

性能としては鉛バッテリーとニッケル水素バッテリーの中間くらい。これが安いので驚く。

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