水素エネルギー、日本は世界No1の技術を持つのに規制が厳しい。だったら海外展開

水素エネルギー関係の技術は現時点で日本がダントツ世界一である。一番効率良くエネルギーになる&圧倒的な技術難易度を持つ燃料電池を10年前に実用化。水素を貯める技術も世界の先端を行く。そればかりか水と電気から水素を作る技術まで完成させてます。されど我が国は水素関連の厳しい規制を全く緩和してくれない。先日、富士スピードウェイにコマツが建機を展示した。

建機もカーボンニュートラルに向かう

燃料電池のエスカベーターです。スンゴク静からしい。動かさないのか聞いてみたら、様々な規制がありこの場所で動かすのは事実上不可能らしい。そもそも運ぶのも完全に水素を抜くなどの処置をしなければならずコマツから富士スピードウェイまで運ぶだけで数百万円掛かるそうな。その他、JAFが作った水素補給車も「周囲8mは離隔」という法規のため、運用出来ない。

規制に阻まれ中の水素サービスカー

トヨタとホンダが10年間、国に働きかけたって規制緩和せず。そんな状況の中、豊田章男会長がラリーチームの本拠地を置くフィンランドのユバスキュラを訪れた際、環境問題の話になり、水素の活用を提案したという。北欧と言えば環境問題先進地域。あっという間に話が進み『セフモフ』という水素を有効活用し環境問題に取り組むという組織を立ち上げた。

水素ピザ釜、調理が早いという。焼くのは名人! ウマカッタ!

間もなく燃料電池バスの運用が開始され電気分解で作った水素を使うステーションも稼働を始めるという。高い速度感で動き始めている。今回フィンランド人の魂を揺さぶる水素燃焼サウナを発表したのもその一環。ラリー期間中は水素を使うピザ釜や、水素グリルで焼いたハンバーガー、水分解水素を使う燃料電池ラジコンカーなど様々な用途を発表した。

遊んでいるように見えるので小さく。水素サウナは整いやすいそうな

会場の取材をしたのだけれど、1つ「そうなんだ!」という驚きがありました。ドイツで水素というと皆さん「危険」という。WRCドイツでMIRAIを走らせた時にそんな話をするドイツ人が多かった。ヒンデンブルグという飛行船がアメリカで炎上したことを知ってます。日本でも水素は危険だと思われて(正確には思わせて)いるため、規制を緩めようとしない。

フィンランドはどうかといえば、普通の可燃性ガスの1つという感覚らしい。私もガソリンより安全だと思っている。扱いは屋台などで使われるLPガスなどと同じ。直射日光が当たらないようするとか、禁煙マークを張るとか、消火器を置くと行った程度。水素調理器や水素ピザ釜に使われる水素も、溶接に使うアセチレンボンベ(150気圧)のような扱いだった。

なので水素を手軽に使える。セフモフの事務局長の新井さんにイベントの反響を聞いたら、全体満足度は92%(!)だったという。そもそも化石燃料由来のガスと違い、燃焼させても二酸化炭素を出さない。加えて電力が余った際、電池に貯めるより電気分解でガスの代替エネルギーになる水素を作っておけば何にでも使えます。幸いフィンランドは電気が安いため、水素も安く作れる。

ここなら水素の可能性を探究できると思う。セフモフ発信で水素の使い方を世界に広めていくのも面白いんじゃなかろうか。世界で普及してくれば日本の厳しい厳しい規制だって緩和せざるをえまい。

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3 Responses to “水素エネルギー、日本は世界No1の技術を持つのに規制が厳しい。だったら海外展開”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    ドイツがヒンデンブルク号の事件以来、水素アレルギーというのは何となく納得できます。

    すっかすですよ、
    日本の行政は、なぜにこんなに頑ななのでしょう? 石油と原発のせい?

    お米は余っているといって減反し続けたり、燃料は暫定税といいながら何十年と掛け続けたり、地震大国の日本で原発を続けようとしていたり。。。そもそも政府は、既得権益に対して甘すぎる!

    自民の議員が、選挙に負けたのは総裁の責任と騒いでいるけどサ。投票に出向く世代が、自民や公明党から優遇されてきた世代から、自民と公明に煮え湯を飲まされた世代に変わっているんだよネ。

    別にイシバーやアカザーを擁護する気はないけど、自民の中では彼らが一番日本のために働いているように見えますもん。自民が既得権益を屁理屈で守り、内輪で責任をなすりつけ続ける限り、誰が総裁になっても選挙の度に数を減らすヨ。

    エネルギーは人類活動の基盤であり、産業としてもデカいのだから、政府は民間の足を引っ張るのだけは辞めて頂きたい! 自民もちったぁお国のために、前向きな仕事をせいや!

  2. 猫まんま より:

    資源の乏しい日本こそ水素だと思います。その気になれば水や海水から製造出来て再生エネルギーを使って製造充填を行えばカーボンフリーに出来るわけでそれこそ水力発電所に併設すればよいだけ。日本の場合はどう考えても国自体が水素を否定しているような気がします。やっぱり石油利権が強いのかと思ってしまいますね。
    車に関していえば水素ステーションがあまりにも少なすぎます。一番いいのはFCV作ってるトヨタがディーラーに水素ステーションを設置できるようになれば良いのですが自分なりに調べたところ水素を扱えるのは石油ガス関連の企業のみだとか。水から水素をじかに取り出す方法もあるわけだし技術的には水で走れる車は十分に製造可能だと思いますが。
    いっそのこと外資のGAFAMあたりが日本に進出して圧力掛けてくれれば規制緩和されるのではと思います。

  3. ばんじ〜 より:

    > 世界で普及してくれば日本の厳しい厳しい規制だって緩和せざるをえまい。

    は、私は懐疑的です 残念ながら。
    石油・原発利権って、どういう状況になったら無くなる(せめて水素エネルギーを普通に扱える程度になる)のか、見当がつきません

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