日産「新型車の開発期間を30ヶ月に短縮します」。ゼロスタートでの30ヶ月が実現出来たら凄い!
日産長期ビジョンの大きな柱になっていたのが「開発期間を30ヶ月に短縮」というもの。実現出来れば顧客のニーズにいち早く答えられる。エスピノーサさんは「中国で開発した新型車は24ヶ月しかかからなかった。日本の場合、信頼性を確保するための6ヶ月を上乗せして30ヶ月にします」と言っている。そんなこと日本で出来るのか? インタビューでも感じた”甘さ”が見えます。
ちなみにエスピノーサさんが社長になったのは2025年4月。ここから30ヶ月後は2027年10月である。2027年央に発売と目されるスカイラインの復活を就任から3ヶ月後に決めたとしたら、30ヶ月だと2028年1月。それより短いため24ヶ月ということになる。確かに開発期間としちゃ短い。ただスカイラインはエスピノーサさん就任の前から開発に着手していたと思われる。
その他、現在開発中の新型車は2027年半ば以降に出てくると思われるけれど(エルグランド、バッキバキのジュークは前体制下で開発されていた)、全てスキンチェンジくらいしか出来ないだろう。ハードは頑張って新世代eパワーを搭載する程度だと考える。同じタイミングでトヨタはLFPを使う電気自動車やPHEVを含む新世代の技術テンコ盛りしたモデル群が出てくる。
スバルだって日産の次世代プロパイロットと同じような機能を持つ次世代アイサイトを、日産より圧倒的にリーズナブルな金額で出すべく開発している。日産も中国の新世代モデルのようにゼロから見直した新しい世代のクルマ群が必要になるだろう。前述の通り30ヶ月の開発期間が実現出来れば2028年に入ってから続々と新世代モデルが出てくるということなのだけれど‥‥。
ホントに30ヶ月で開発できるのか日産の現場に聞いてみると、皆さん「難しいと思います」。確かにスキンチェンジなら頑張れば24ヶ月で出来ないこともないようだ。されど商品企画からスタートし、新しいプラットフォームを含むアーキテクチャーを構築していこうとすればとうてい無理だと言う。中国と開発体制が全く違うし、認証のプロセスだって30ヶ月に対応出来ない。
一昨年に大騒ぎになった認証不正、例えば側面衝突試験の内装材が市販車と違う(素材は同じで表面のシボが無いだけ)ということで不正とされた。開発中の変更すら出来ない。中国は認証を出すのが「国」でなく日本で言う「県」。いろんな意味で融通が利く。試作は、試作車を作る企業と実際の部品を作るメーカーが違うことも普通。タイムラグ出てしまう。
中国と同じプロセスで開発すれば24ヶ月+6ヶ月も可能だろう。実際、日産の技術者は中国で白紙の状態から24ヶ月でNX8という新型車を作り上げた。されど直近の日本に於ける開発体制は、依然として豊田章男さんいうところの「白い巨塔」。いろんなプライドやシガラミがある。そんな機微を情報力不足に見えるエスピノーサさんが理解出来ているのだろうか?
そもそも「30ヶ月」という開発期間、スタート地点が全く解らない。プラットフォームまで含む商品企画からのゼロスタートなのか(30ヶ月だと時間の掛かるパワーユニットは改良レベルしか考えられない)、既存のハードをスタート地点にするのか、だ。2029年くらいまで中国で開発したクルマを猛急で投入。その間、ブランニューのモデルを猛急で開発していかなければ競争に勝てないと思う。
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