西川さんの変節、ルノーからすれば「真珠湾攻撃」に近い!

日産の初手は西川さんによるゴーン攻撃である。「ルノーが決めた会長により日産は損失を被った。ルノーの失策人事だ!」と激しく攻めたワケ。絵図としちゃ真珠湾への奇襲と似てます。手ひどくやっつければ講和に応じるという読みなんだろう。これ、上手く行くのか? 私は「ウチの会長が酷いことをしていたようです。解りませんでした。申し訳無い」と謝るべきだったと思う。

さて。日産の取締役リストを挙げてみよう。この9名は株主総会で決められたものである。ゴーンさんが会長職を解かれ、ケリー容疑者を代表取締役から外したものの、次の株主総会まで変わらない。22日に行われた取締役会は7名で行われ、全会一致の結論になったと言われる。2人の外国人取締役も、ゴーンさんの行状を日産から報告され「こりゃアカン」だったろう。逆らっても意味なし。

カルロス ゴーン
グレッグ ケリー
西川 廣人
坂本 秀行
志賀 俊之
ジャンバプティステ ドゥザン
ベルナール レイ(社外)
井原 慶子(社外)
豊田 正和(社外)

報道によれば外国人2人がルノー側で、日本人5人全て日産側だと紹介されている。果たしてそうか? 上から見ていく。西川さんの場合、明らかにゴーン人事のため事実上ルノーの推薦である。坂本さんは唯一の技術者であり、なおかつ日産プロパー。とはいえ技術者ながら自動車メディアとの交流がほどんど無い。他のメーカーの技術系TOP、皆さん面識ある方です。かなり特殊。

志賀さんは西川さんの前任にあたる。何度か「食事でもしながら説教したい」呼び出され、いろんな話を聞いた。ポジションとしちゃニュートラル。ゴーンさんの相棒だった時代から日産と日本の主張をずっとしている。日産の取締役で唯一”顔”がはっきり見える人です。巷間言われている「西川さんと仲が悪い」は日産社内で知らない人などいないほどのレベル。西川さん側が嫌ってた。

志賀さんのインタビュー記事。人柄が解ります

井原さんはどちらかと言えば私ら側の人間。今まで日産の体制や政策は盤石だった。平時こそいろんな意見が欲しいということでゴーンさんも認め取締役になった。豊田さんは日本の企業に必ずといってよいほど存在する「魔除け」(みかじめ料)です。通産省卒(現在の経産省)の取締役で、行政とのパイプ役。普通、社内に魔除けを雇うのだけれど、少し距離を置き社外にしてる。

次の株主総会での人事どうなる? 逮捕された2人は再任無し。西川さんについちゃ自らの立場が怪しいと言われている上、飼い主を噛んだため100%無し。日産側は志賀さんと坂本さん、豊田さんの続投を希望すると思う。井原さんは戦国時代の武将の1人になる資質があれば残るかもしれません? ルノー側も日本をまとめる志賀さん、技術の坂本さん。魔除けは認める可能性大。

それ以外の取締役はルノー側から出すことを強硬に主張してくると思う。繰り返す。現在の9人も実質的に7人がルノー人事です(志賀さんと坂本さんが日産マター)。次の取締役だってルノー優位の人選を希望してくるに違いない。一方、日産としちゃ何としても防戦したいところ。日産の方が持ち株比率高いため、100%言うことを聞く義務だって無し。中途半端な持ち株比率です。

ということで全く読めない。ルノー側としちゃ今のまま日産が稼いで欲しいと思っている。日産は何とか枠組みを変えたいと思っている。これ、5年くらい前からずっとこんな感じです。それを上手くコントロールしていたのがゴーンさんで、ルノーも日産も後継者を選んでソフトランディングしようとしていた。されどゴーンさんの失脚で”ほぼ”激突することになってしまったワケ。

ルノーと日産が殴り合いのケンカになったらどうか? 日産はルノーの株を10%買い増し25%にすれば支配権をチャラに出来る。ルノー側からすると日産の持ち株比率を43.4%から50.1%にすることを狙うだろう。ちなみにこの2つ、現在は協約により両方出来ないことになっている。フランスと日産(日本になるか現時点じゃビミョウ)が戦争したら勝つのはドチラだろうか?

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