豊田章男さん、経団連のモビリティ委員会で「もっと再生可能エネルギーを!」と主張

豊田章男さん、経団連のモビリティ委員会で「再生可能エネルギーの導入をもっと推進すべき。ダムに浮体式の太陽光発電パネルを設置すれば原発で30基分くらいの電力を作れる」と訴えた。こういう話になると原発賛成派の皆さんは「だったら原発を再稼働させればいい」と言う。最近、原発を再稼働させないのは、ありもしない「太陽光パネル利権だ」という人まで出てます。

考えて欲しい。確かに原発を再稼働させれば当座はしのげる。それって消費者金融と同じだ。困窮している時はお金を貸してくれる。されどそいつはいつか返却しなければならない。しかも金利がかさむ。電力の場合、原発を稼働させたって値下はしないだろう。今後も福島第一や、その他廃炉が決まっている原発のコストがドカンと掛かってきますから。

一方、電力料金高いままだと自分で電気を作る個人や企業が増えていく。廃炉コストに10兆円掛かったとしよう(そんな金額じゃ済まないですけど)。1億の契約者で負担すれば10万円づつで済む。これが5千万の契約者だと20万円。1千万になってしまったら100万円! 「電力会社から電気を買う人」は消費者金融の如く自転車操業になっていくことだろう。

原発許容派の皆さんは「今」しか考えていない。金利が解っていて消費者金融を使う人も少なくないのだから、こらもう「原発を再稼働」という人だって少なくないと思う。どうしたらいいか? 今のうちにちゃんとしたロングスパンでの返済計画を立て、金利の安いローンを組むべきだ。ということを豊田章男さんはモビリティ委員会で主張しているのだった。

実際、今の日本で最も大きな課題はエネルギー戦略だ。国が動かなければ企業も個人も自分で生き延びることを考えなければならない。それこそ10年計画くらいでエネルギーの自給自足を考えていくことをすすめておく。

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5 Responses to “豊田章男さん、経団連のモビリティ委員会で「もっと再生可能エネルギーを!」と主張”

  1. まつ より:

    原発を消費者金融に例えるのはおもしろいですね。
    自分はある程度容認派出したが少し考えが変わりました。
    少しぐらい借金がある方が生き生きすると言うレベル
    ではないのですね。
    いずれにせよコスモクリーナーが発明されてから
    原発を稼働した方が良いのは確かですね。
    代替えエネルギーがあるから言えることですが。

  2. アミーゴ5号 より:

    「ダムに浮体式の太陽光発電パネルを設置すれば原発で30基分くらいの電力を作れる」

    眼からウロコです。週末に奥多摩湖にドライブに行きますが、湖面を漠然と見るだけで思いもよりませんでした。

    ダム湖なら漁業権や環境面でも課題は少ないし、何よりもダム湖は常に管理されている。特に水力発電ダムなら既に電力・送電設備もある。太陽光パネル以外の追加コストも最小ですみます。

    そりゃあやってみればいろいろ問題も出るでしょうが、少なくともトヨタに任せたら、見事に事業化するでしょう。

    太陽光発電事業で、こんなに筋のいいアイディアははじめて聞きました!!!

    これを原発再稼働にすり替える妖怪ジジイ共には、こう言いたい。

    「そんなに原発が大事なら、一族郎党・孫もひ孫も一緒に、原発敷地内に住みやがれ!」

    「お前の墓は原発建屋に立てて、使用済み核燃料と一緒に葬り、墓石は放射能汚染水で洗ってやる!」

  3. 二級人 より:

    豊田章男さんが再生可能エネルギーの導入をもっと推進すべきと言われたのは、見識ある重要な意見だと思います。トヨタ社長からこういう意見が出るのは驚きです。

    小泉元首相が脱原発を目指すのは「原発がクリーンで安全で、コストが安いなどというのは全部ウソとわかったから」。同感です。
    原発事故の責任を国も東電の誰一人も認めていない、教訓のひとつは、国を信用してはいけないということだと思っています。東電は賠償請求に対してあらん限りの反論をしてきます。何が”被害者の方々に寄り添い”なんでしょうか。
    日本で原発が制限されている地域は無いそうです。必要という人はその人の隣に作ればいい。いったい日本のどこに新増設する?

  4. いけだ より:

    前にも書いたような気がしますが、
    原子力発電が夢のエネルギーと言われていたのは
    高速増殖炉への期待があったからだと思います。

    高速増殖炉が頓挫した今となっては
    原子力発電は数年間発電した後、使用済み核燃料を数万年も冷やし続けるために電力を使い続けるので
    ひょっとしたらエネルギー収支がマイナスかも?、と思っています。

    ということで原子力発電は発電しているのではなくて
    未来から電力を借りているということなのかもしれないと思っています。

  5. z151 サンバー愛好者 より:

    原発を「トイレがない家」によく例えられますが、そんな欠陥住宅に「敢えて」気付かないフリしている頭イイ人たちの言葉なんて信じられないというのが私の個人的見解のひとつめ。
    ふたつめはロシアのウクライナ侵攻を見ても判るように、悪意を持った何者かが「焦土作戦」を計画したら真っ先に目標になるのが原発になるということです。
    原発攻撃は何も核弾頭を用意する必要すらなく、通常弾頭のミサイル一発で致命的な核攻撃と電力ブラックアウトを同時に起こすことができてしまいます。
    弁慶の泣き所やアキレス腱みたいな弱点を増やしながら防衛費倍増とか、ダイエットしなきゃと言いながら暴飲暴食をやめられない人みたいです。
    温泉の排水利用でも発電できる地熱発電を敢えて無視するのに今まで有効な回答がないというのも本当に不自然。
    電気のいいところは色々な方法で発電できる多様性ですし、だからこそEVが最終的にモビリティの行き着く先だと思うのですが。

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