BR-V、すんごくヨカッタけれど、ホンダ国内販売の窮状は続く?(28日)

タイで販売しているホンダBR-V、相当魅力的なクルマでした。以前も書いた通り、八郷さんが「BR-Vは良いクルマですよ」と言っていたので、今回借りてみた次第。こういったクルマを日本で販売した時の購入層になるだろう高瀬君(26歳)に聞いたら「フィットとヴェゼルの中間くらいの価格なら欲しいです」。なぜホンダはBR-Vでなく、タイなど新興国向けに作られたグレイスと、中国向けのジェイドを日本で売る判断をしたのだろうか。

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おそらくホンダ社内でもどんなクルマを日本で売るべきなのか、様々な意見出ることだろう。ハッキリしてるのは、「グレイスとジェイドを選んだ人が徹底的にセンス無かった」ということです。どちらも新興国向けだからして、日本仕様にするのは手間掛かったと思う。BR-V選んでも手間は同じ。普通のセンスあればBR-Vを選ぶ。私のようなボンクラですら、グレイスもジェイドも見た瞬間「こらダメですね!」。

ホンダの研究所や、日本の販売部門担当の多くの人だってダメだと考えたはず。実際、そういった声も多く聞く。つまり徹底的にセンスの無い人の意見を誰も覆せなかった、ということだ。一昔前のホンダなら、会社の大損にならないよう一計を図る人達がたくさんいました。なぜグレイスとジェイドを日本で売ることになったのか、とずっと思っていたのだけれど、今回何となく解った。

皆さん他人事のようにドライなのだ。社内の流れを変える方法はいくつかある。例えば私らのようなボンクラを使う作戦。メディアの意見は多少の説得材料になる。成功しないと思われるクルマを売る計画を入手した時点で、私らに情報を流したり、もっと積極的に意見を求め、社内の流れを作ってしまえばよい。ホンダに限らず、メディアを上手に使い会社の利益を守ろうという人達はたくさんいました。社長に直訴した広報マンなんかも知ってます。

グレイスやヴェゼルの導入を決めた当時のホンダにゃこういった知恵モノがいなかった。今はどうか? 相変わらず厳しいかもしれません。BR-V、日本で売ったら相当ヒットすると考えます。その昔、初代フィットや初代CR-Vが世界中から「いらない」と言われ、国内専用車にした経緯がある。その後、世界中から欲しいと言われ、右ハンドル車の設定しか無かったクルマを急遽左ハンドルに仕立てたのだった。今やフィットもCR-Vもホンダの世界戦略車種になっている。

私が現在の状況に不満を持つホンダ社員だったら、BR-Vを日本で売るように動く。タイまで勝手にノコノコやってきてBR-Vを借りるボンクラメディアなんか格好の材料だ。話を聞き、評価低かったら無視。逆に高かったら、社内にレポートして日本で販売することを強く訴える。もちろんタイのホンダに日本人がいないなら別だけれど、そんなことないだろう。日本市場の窮状だって十分理解しているハズ。なのになのに。

タイホンダのオフィスまで行ったのに、タイ人の女性が「クルマはそこにあります」とキー渡すのみ。返却も同じ。事前に「現地の人の対応になるかもしれません」と言われていたので驚かなかったけれど、ここまでドライな対応、今まで経験無し。もちろん気分を害しているワケではない。今回のような渡航だと時間的な余裕無し。ポンと借りてポンと返せるのは大歓迎でございます。まぁ事故やトラブルの際の連絡先くらいは教えて欲しかったですけど。

そんなこんなで「まだまだホンダのアカン状態は続きそうですね」と思った次第。大企業病なのかも。それにしてもBR-V、ヨカッタ。1500ccで十分走るし、サスペンションの動きも良い。少し大げさにホメれば、イタリア車やフランス車のような雰囲気を持つ。タイの荒れた道を流れに乗りハイスピードで走っても疲れないのだ。日本で作れば数少ない弱点であるインテリアの質感だって上がると考える。BR-Vに関わっているホンダ社員は、日本で売ってみたいと思わないだろうか?

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