安全情報

トヨタのフラッグシップであるクラウンのチーフエンジニアに、最近気になっている3つの質問をしてみました。まず『スモール・オーバーラップ対応』。答えは「アメリカで販売する計画を持っていないため、クラウンの開発にあたっては検討したこともありません。現時点では対応させるという計画を持っていないです」。

二つ目は車上荒らし対応のオートアラーム。新型クラウンからベーシックグレードのオートアラームを装備から落としている。理由を聞いてみたら「コストダウンのためです」。先代クラウンに標準装備されているオートアラームは音波式を使い、窓ガラスを割られた時にも対応している本格的なタイプ。高いのだ。

だったら内側からドアを開けた時だけ作動する軽自動車と同じタイプでも無いよりいいのではないか、と問うてみたら「不完全なアラームをクラウンに付けようとは思わないです」。ちなみにトヨタ全体の方針としてオートアラーム採用の有無は論議の対象になっていないそうな。車種毎のチーフエンジニアの権限らしい。

三つ目は今やアメリカ車を除けば当たり前の装備になっているアイドリングストップをなぜ付けなかったのか、という点。これは「エンジンやミッションなどの大幅変更が必要なので見送りました」。他のルートで聞いてみたら、どうやら2年後くらいをメドにアイドルストップを拡大採用するようだ。その時にやる?

帰り際、広報のスタッフが「新しい安全装備を付けたのでぜひ試して欲しい」。予約ボードを見たら、あまり取材入っていない。機能の説明をしてくれたエンジニアの一言目が「完全なシステムではないので効果は限られたケースだけになるかもしれません」。あれれ? アラームの時と全く違うことを言う。

なんでも飛び出し事故を100%防げる装備ではありませんけど、1件でも2件でも防止出来ればいいと思って開発したそうな。どっこい! 試してみたら素晴らしい! バックの飛び出し事故防止システムは、クリアランスソナーを使ったもの。壁に向かってバックギアでアクセル全開にして欲しい、という。

大丈夫か? ハーフスロットルで試してみたら、壁の直前で急ブレーキ! こら凄い! 5m以上離れると効力が弱くなるそうだけれど、バックの暴走ってたいてい壁の間際。もう一つはバックで暴走し、慌てて前進にシフトした時の暴走を抑える装置。センサーなどを全く使っておらず、ロジックだけの装備だ。

コチラは『R』レンジで暴走し、慌ててアクセル開けたまま『D』にシフトした際、アクセルを強制的に戻すというもの。この機能、クラウンだけじゃなく全てのトヨタ車に付けてもいい。確かに暴走事故を100%防止出来るシステムじゃないかもしれないが、素晴らしいアイデアだと思う。やらないより絶対良い。

最近のトヨタを見ていると、旧態依然の人と前向きの人がモザイクのようになっている。前者のタイプと出会って話をすると大きく失望し、後者の人達から話を聞くと嬉しくなる。後者の典型的な人物がモリゾウさんだからトヨタには希望があると考えます。加えて前者は50歳代後半以上ばかり。5年後のトヨタはオモシロイ。

追記・新型Aクラスのスモール・オーバーラップ対応について問い合わせたところ「対応してるか、非対応かという情報は出さない、という本社からの回答です」とのこと。トヨタのチーフエンジニアに対する3つの質問と同じく、論評無しで情報だけお伝えしておく。ちなみに安全情報を隠されたのは初めてでございます。

コチラがベンツCクラスの結果。評価は「プア」。サイドカーテンエアバッグが開かなかった。ベンツといえども未対応だと全くダメ。
動画

も御覧いただけます。

・リーフの乗り方は「B787のトラブルとリーフの値下げ


3 Responses to “安全情報”

  1. かず より:

    50以上のおやっさんの空気読めない人は、マイチェン辺りの時に子会社の役員かなんかに、なられるでしょう…f(^_^)ハイッ!!サヨナラ♪スモールオフセットは、輸出入関係なしに対応型にすべきです!!たぶん、カムリやプリウス系は採用するだろうし、レクサスだって採用するだろうし。結局、プラットホーム共用だし下手に不採用と採用をすると、コストも。安全第一の思想でお願いいたします(^_^)。似たような事故、日本でも結構有りますし…(ToT) ところで、プリウスCEだった大塚さん元気でしょうか?リコール問題以降、お目にかからないような。

  2. 菊池@川崎市 より:

    お初で御座います。
    新型「クラウン」のチーフエンジニアには、夢や希望が無かったのだろうか。
    『ユーザーの使い勝手・安全なんか二の次、至上命令のコストカット最優先で一丁上がり。どうせ国内専売だし…』
    何を目標に仕事をされた?
    何を成し遂げたくて入社した?
    まさかピンク色の王冠を造りたかったからじゃああるまい。
    今に始まったことではないが、初めから魅力がなく、無駄に車種が多いトヨタ。
    それだけ人間的魅力や優しさに欠けたチーフエンジニアが大勢いらっしゃるってことか。
    社内的事情があるにせよ、志が低過ぎると思わないのだろか?
    「若者の車離れ」ではなく、「若者のトヨタ離れ」が正しいのでは。
    メルセデスベンツさん、ご立派な回答ですねぇ。衝突対応しているなら試験結果を公開して下さい。ユーザーを小バカにしないでね。
    失礼しました。

  3. nogawan より:

    小生が某自動車メーカーでカメラによる運転支援システムの開発をスタートさせた時の議論を思い出しました。自動車のプロと自称する方に"そんな技術が出来るはずがない。不完全なものは自動車には搭載できない。それがプロの技術屋の良心だ。"と会議で主張され続け、半年以上の時間を消費しました。小生は"ユーザーの立場になって考える"ことを判断の評価軸としました。事故が発生する確率が小さくなるなら、完璧でなくても良い、大切なのは効果とコストのバランス…それが普通のドライバーの意見と考え、運転支援システムの開発に邁進しました。間違ってなかったですよね。23年前の話ですが、まだ、居るんですね…

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