ホンダF1、崖っぷちです(26日)

シーズン開幕後、1~2週間スパンで開催されていたF1だが、ハンガリーGPからベルギーGPまで一ヶ月の夏休みとなっていた。当然ながらライバルに追いつく最大のチャンス到来である。しかもハンガリーGPで投入したパワーユニットの信頼性とパワーは、マクラーレンにとって明るい材料だったらしい。

ハンガリーGP後のコメントを見ると、今までにないほどポジティブ。ホンダ自身、手応えあったんだろう。出てくるコメントがハッキリ変化していた。しかも休み明けのベルギーから『スペック4』と皆さん呼んでいる大改良型ユニットを登場させるのかと思っていたら、どうやら間に合わず。

バンドーンにハンガリーGPで投入したタイプのマイナーチェンジ仕様を投入出来たのみ。その改良版もフリー走行でトラブルが発生してしまい、改良前のタイプに載せ替えている(65グリッド後退という天文学的なペナルティ)。来週行われるイタリアGPも、今のパワーユニットのままとなれば、いよいよ厳しい。

そんな状況の中で行われたベルギーGPの予選は、アロンソが11番手。バンドーン15番手。ハンガリーGPの前と全く同じ戦闘力に戻った。こうなると来シーズンを巡る状況が読めない。明日の本戦でもしパワーユニットのトラブル出たら、マクラーレンからすれば「他のパワーユニットに換えたい気分」全開になったことだろう。

ちなみにマクラーレンが他のパワーユニットに換えるためのハードルは二つ。現在ホンダから出ている100億円規模のメインスポンサーと、パワーユニットの獲得だ。おそらくこの二つさえクリア出来たなら、100%ホンダと訣別したいと思っている様子。ベルギーGP後、本格的に動き出すと考えていい。

ホンダとしては先日紹介したホンダジェットで使われている「桁違いの精度と条件を適用する」という方向で動き出しており「時間さえあれば」ということなんだろうが、やはり1ヶ月で結果を出せず、この点がベルギーGPで関係者を失望させる原因になったと思う。今後どうなる?

出ているウワサをいくつか。まず「トロロッソのパワーユニットをホンダに換え、マクラーレンはルノーになる」というもの。この場合、ホンダが100億円出しているマクラーレンへのスポンサー費用を、トロロッソとマクラーレンで折半か。マクラーレンは50億円分のスポンサーだけ取ってくればよい。

二つ目にマクラーレンがホンダ以外のスポンサーとパワーユニットを獲得するというもの。悲しいかなホンダを使うチームは無くなり、自動的に撤退ということになる。ただ今から新しいパワーユニットを確保することは難しいと思う。フェラーリもメルセデスもルノーも、F1の負担が大きすぎると考え始めているらしい。

三つ目はホンダのテコ入れ。前述のホンダジェットの技術導入を始め、ロス・ブロウンがホンダに対するイルモアの大幅な技術支援なども提案している。今のところ最も可能性高いのは三つ目。現在開発中のスペック4が良ければ、今まで通りホンダ独自で。ダメなら外部から支援を受けることになるかもしれない。

 

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