海の修行

私はオタンコだからして普通の人だと苦労しないようなことに多々出くわす。なかでも「こら酷い!」と思う筆頭が「荒れた海」でございます。小さいフネで荒れた海を走るときの心細さと怖さときたら、筆舌に尽くしがたい。なにしろ、いつオダブツになってもおかしくない状況が長い時間続きますから。

しかも私の場合、条件が悪い。一般的に小さいフネだと荒れたらすぐに帰れる距離までしか出ない傾向。そもそも荒れていたら出航しません。されど東京湾奥にベースを持つため、釣り場まで1時間以上掛かります。当然ながら「風が無くなる」という天気予報だと出る。当たればいいけど、ハズレたら厳しい!

先日も凪ぎになるという予報で出たら、カンペキにハズれ! 羽田沖を通過するあたりから厳しい感じになり始め、中の瀬あたりから大荒れ! しかもドンドン酷くなっていく。こうなるとUターン出来ないので、安全な場所まで逃げるしかありません。かといって東京湾のド真ん中だと、どこに行くにも遠い。

かくして1時間近く激しい波に翻弄されることに。ある程度の波に耐える設計だとは言え、波って1000波に1波くらい倍くらいの波が混じっている。こいつに悪い方向から出くわしたら非常にキビしいと言われている。こう書くと「じゃ海なんか出なければいいでしょ!」と言われそうだが、これこそ文化です。

山登りにもモータースポーツにも当てはまること。スキーやスノボでケガするのも同じこと。海は最もリアルで最上級の恐怖が極端に長く続くと言うだけだ。この体験から得られるコトはあるのか? あるかもしれないし、ないかもしれない。そんなこと考えないのが文化でもある。多少のことだと驚かなくなる程度か?

ここで重要なのは「人に迷惑を掛けない」です。だから準備をしなけれなばらない。私がフネに対して要求する最も重要な性能は「荒れている海でも帰ってこられる」。そんなことを考えるようになったので、クルマに対しても最悪の事態を想定した性能やコンセプトを考えるようになってきたのかも。

私の観点からすれば、最近「危機感」を持てない人が増えた。日常の生活で危険な目に遭わない、ということなのかもしれません。かといって「危険な目に遭え」とは言えないですけどね〜。多少の危険度を伴う趣味って、案外自分の安全を考えるための良い機会になっているということを改めて認識します。


5 Responses to “海の修行”

  1. よしのすけ より:

    ”人に迷惑を掛けない”ことはとても大事なことだと思います。あらゆる事においていえるのではないでしょうか。
    ムカシの世代の人たちはここの意識が高いのに比べ、最近、とくに車を運転しているとマナーや危機意識の低下が著しいと感じます。
    やたらまぶしいバルブに変えている対向車、故障で停まっているのかと思ったら携帯電話、無灯火逆走の自転車・・・
    日本がルール無用の無法地帯になりつつあるのでは?と思ってしまいます。

  2. nogawan より:

    小生の「冬山の修行」と似てますかね…だいぶ昔ですが、尾瀬・燧岳にテレマークスキーで何度か登りました。吹雪の終り際を狙って長蔵小屋まで入り、翌朝、晴れればパラダイス…燧岳の美しい森と静寂、東北最高峰からの眺め、吹雪の後の深いフワフワの新雪、重力が半分になったような浮遊感…忘れられないです。しかし、天気予測が外れて吹雪が続き、苦行の連続で下山することもありました。
    この経験で自分が何を学んだか?…特に無いですね。長期の開発を進める上で、根拠のない指摘や叱責は、吹雪のざわめきくらいに聞き流せるようになった…かな?

  3. 自転車逆走 より:

    今日、自宅近くの道路の左側帯を自転車で走ってると前方から私立高校生3人の自転車が逆走で向かってくる。いつもだったら道を譲ってやりすごすところ国沢さんのコメント思い出して、彼らを止めて「逆走しちゃだめだよ」といったら、純真そうな真顔で「自転車は右側走れるんでしょう?」と質問された。
    上位だったら早慶にも入る、甲子園で高校野球優勝したこともある大学付属校なんですが、恐ろしい状況に日本の交通は置かれてます。

  4. 昼間点灯派 より:

     ヤマハボート教室で初めて操船した際、羽田沖は荒天でした。ワイパーが必要で、少し船首が波頭に乗ると見えるのは空だけで、怖かったのを覚えています。
     さて、11年振りにクルマを購入! 妻よりも国沢さんにまず報告!ボルボV40と最後まで悩みましたが、AWDへの憧れで国沢さんの評価はあまり高くない?フォレスターSJ5アイサイトとなりました。パチパチパチ!11年コツコツ貯めてきたかいがありました。それにしても車は高い!一般的なオプションを含めるとすぐ300万円超。10年に一度しか買えません。
    納車はまだですが楽しみです。そして、一番楽しみなのは今年の冬です。一方で新車購入のこの感動!味わえるのが、また10数年後になるのかと思うと残念です…。その時の年齢を考えるとなおさら。
    10年に一度しか買えなくてもクルマ好きですので、今後とも、よろしくお願いします。

  5. 神楽坂清三郎 より:

    ここに停めたら駐車場の入り口に死角を作ってしまう、とか、
    追い越し車線をのんびり走ったら後ろがつながっちゃう、とか、
    歩道でチャリンチャリン鳴らしたら、歩いてる人は気分悪いだろう、とか、
    まあ、想像力の欠如たるや、すさまじいです。
    むかしは坂道の上で信号待ちしているときは、ヘッドライトを消したもんですけどね。いまじゃ、上目で走ってる車のなんと多いことか。
    マナーが悪いと、国がここぞとばかりにルールを作って、不自由になります。
    いま、この国の問題は「子供化」じゃないでしょうか?
    メディアも子供化して批判能力がなくなってしまいました。
    どんどん子供化させて、憲法改正、徴兵、戦争というシナリオを自民党の偉い人は考えているようですけど。
    ところで、憲法改正って新聞は書くけど、そもそも改正なんでしょうか? 改悪ではなくて?

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