輸入車に採用されている48Vのマイルドハイブリッド、交換に必要なコストは25万円程度。寿命は?

先日「輸入車に広く使われている48Vシステムのマイルドハイブリッドはバッテリー交換するとどのくらいの費用が掛かるのか。どのくらいの寿命?」と聞かれた。48Vのシステム、ボッシュが開発したこともあり、メルセデスやBMW、VW、ボルボなどに採用されており、今や日本で売られている大半のモデルはこのタイプと考えていいだろう。

バッテリーはコンパクトで、冷却や大げさな配線も不要。後輪の後方(ラゲッジスペースの床)に搭載されるケースが多い。システム全体はボッシュながら技術的な問題で三元系リチウムイオン電池を製造出来ず、中国のCATLがバッテリーセルを供給している。化学王国と言われるドイツすら信頼性のある三元系リチウムイオン電池を安価に作ることは出来ない。

最大出力は12kW(16馬力)程度。ただ寿命など考え自動車メーカーは10kW(13,6馬力)くらいに抑えて使っている。また、アシストするのもスタート時の数秒と、アクセル開けた時の数秒、エンジン再始動時といったイメージ。それだけで実用燃費は10~15%上がると言われている。肝心の寿命は、10年/30万kmといったあたりをイメージすればよかろう。

日本の使い方だと走行距離は全く問題なし。不安材料は高温の環境で使われた時の経年劣化だと思う。実際、すでに48Vバッテリーのトラブルが発生し始めている。ダメになると交換対応になります。価格は標準的だと思われるVWで本体価格22万2200円。車種によっても違うものの、工賃が数万円かかると考えていいだろう。安くないけれど、まぁ許容範囲か?

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2 Responses to “輸入車に採用されている48Vのマイルドハイブリッド、交換に必要なコストは25万円程度。寿命は?”

  1. taro より:

    なんかアイドリングストップと同じで、小さな親切的な機能ですね。一見よさそうだけど後で怖いような。

  2. 国民車之友 より:

    許容範囲にならないでしょう。本体価格22万2200円というこの三元系リチウムイオン電池の容量は596Whしかありません。

    私はGolf8 1.5L eTSIに乗っており、平均的な7,000km/年の距離を14km/Lの燃費で走行しています。簡単化のため、実用燃費の上昇を10%とすると、10年間では、マイルドハイブリッドなしで5,500Lのハイオクを使用していたところ(このとき燃費は12.7km/L)、5,000Lにまで500Lを削減できます。ハイオクを180円/Lとすると、9万円のコストダウンです。

    19.4万kmまで劣化無くバッテリー無交換でがんばれば25万円のコストダウンになるので、バッテリー交換のための原資が積み上がります。

    ユーザーは容量がほぼゼロになったバッテリーを後生大事に使い続け、12.7km/Lの燃費で妥協するでしょう。それでも、13年目以降の自動車税重課は免除されます。買い換え意欲が誘起されず、社会的寿命の長い車になり、省資源化に貢献するでしょう。とは言え、実質的にバッテリー無交換を前提とするシステムに成り下がっています。

    環境側面では、CO2排出量が10%削減される代わりに、中国でのリチウム精製時の環境負荷増加に置き換わっているだけかもしれません。

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