出光丸の情報が全く出てこなくなりました。今どこ?
読者の方から「出光丸の最新情報は?」と聞かれた。そもそも出光丸の新しい情報って他のメディアで紹介されない。現在洋上にあるし、出光興産は安全上の観点からノーコメント状態。政府も一度コメントを出したってきりでそのまんま。ホルムズ海峡を出た28日夕方時点で、出光丸のAIS情報(自船の位置や目的地などの情報を発信するシステム)は名古屋が目的地だった。
29日夕方にはアラビア海を14.5ノットで順調に名古屋に向かっていることが確認出来た。突如おかしくなったのは5月1日。目的地をスリランカのGalleに変更。速度も9,3ノットまで落ちた。目的地をGalleにした理由については不明。Xに転載された記事でAIにブロックされたコメントを見て「そんな知識でコメントするのね」。船の知識が全く無い皆さんがデタラメな情報を発信する。
例えば「水の補給」。今や大きくない船だって海水から水を作っている。クルーズ船なんか飲料水だけでなく、洗濯用やシャワーの水まで作ってる。無寄港で1ヶ月航行できる300mオーバーのタンカーなど水の補給などしない。食料だって24人程度の乗務員が日本までの20日間に食べるくらいの量はストックしてあったろう。そもそも足りないなら速度落とさない。
ちなみに「日の丸立てて通過した」と書いたら「船籍はパナマなのを知らないのか」みたいなものもAIブロックされていた。大型船は『便宜置籍船』という節税目的の制度を使う。日本船主の船の6割がパナマである。出光丸も船籍パナマ。船主が日本。そもそも外洋だと国旗なんか見えない。AISの情報などからどこの国の船なのか知る。出光丸は正々堂々日本の船をアピールしていた。
いずれにしろGalleという目的地は「とりあえず」という選定だと考えて良いだろう。当然ながら船長は自分の判断じゃなく指示で船を動かす。5月1日になんらかの指示を受け「AIS情報の目的地を名古屋からGalleに変更。速度落として時間を稼ぎ次の指示を待て」。以後、新しい指示無しということになる。この間「ベトナムに運ぶ」という話と混同してる情報も出てきた。
なるほどベトナムに400万バレル(マラッカ海峡を通れる最大級タンカー2隻分)を送るという話も出ている。この件、日本政府とベトナム政府との取り決めで、出光興産に「ホルムズ海峡を通らないルートにより供給せよ」と依頼したもの。もちろん出光丸がベトナムに行くことになる可能性もある。でもベトナム分はこのタイミングだと用船手配済みだろう。
だからこそ5月4日の10時時点で出光丸はGalleに向け操船可能な最低速度の9ノット(これ以上遅いと舵を切っても反応が鈍くなる)ノロノロ進み、次の指示を待っている。5月5日になればエジプトのアインスクナで原油積んで四日市へ向かう『ARGEUS I』に抜かれちゃいます。長い期間ペルシャ湾に閉じ込められやっと原油満載で日本に帰れると思った出光丸が不憫でならない。
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