ホンダ、ベトナムで生き残りを賭けたHY戦争ならぬHV戦争を開始! 勝てる見込みはあるのか?
いやいや驚きました! 何度か「ベトナムで新しいゲームが始まった。オセロに例えるならすでにホンダは4隅の2つを取られている」と書いた。ここにきてホンダもマズいと思ったのだろう。かつてヤマハと戦ったHY戦争(例えば43万円のバイクを19万円で売った)のような存続を掛けた戦いを始めた。3月まで15万7千円で売っていた『ICON e:』は先週から9万7千円に!
ちなみにICON e:は日本でも販売されており22万円。これまで原付一種の電動バイクは30万円以上していたので2輪メディアで爆安と紹介されている(日本仕様のICON e:もベトナムのビンフック州で生産されている)。15万7千円というベトナム価格を考えれば(工場出荷価格は10万円くらいか?)、日本の22万円とりたてて安い価格設定ではなく、しっかり利益でます。
ただベトナム市場の競争相手となるビンファストはさらに安価。ICON e:の競合モデルを8万円台で販売している。15万7千円で2025年に上市したところ、予想に反して売れず! 日本のホンダ本社から「どうなってるんだ!」とお叱りを受けたのだろう。今年4月から12万1千円に値下げした。ホンダは「多少高くてもホンダブランドなら売れる」とずっと思っている。値下げで売れると目論んだ。
Evo Liteは実質8万9千円
しかしそれでもビンファストや、YADEA(中国)に流れるお客を止められなかった。ついに先週から7月末までに買ってくれれば9万7千円に値引きした上、普通だと5%前後の金利を0.55%にするキャンペーンを開始。ホンダは依然として高価な三元系リチウム電池を使っているため、9万7千円だと原価割れすると思われる。文頭に書いた通り、かつてのHY戦争を彷彿させます。
確かにホンダとビンファスト&YADEAが同じような価格ならホンダに魅力を感じる人も多いだろう。ただベトナムの都市部は自宅充電に向かない。交換ステーションの拡充が必要だ。ホンダはLGと組んだ交換ステーションを9月にも立ち上げるようだけれど、ビンファストは国営企業だけにいち早く動いており完全に出遅れてしまった。しかも寿命短い三元系なのでコスト的に厳しい。
私は2年くらい前からホンダの稼ぎ頭であるベトナムが危ないとと書いてきたけれど、ついに顕在化してしまった。明日から電池をFLPにするなど戦略変更すれば体力のあるホンダだけに巻き返せるかもしれないが、三部体制変わらない限り抜本的な改革は出来ないと思う。年内には3つ目の隅も取られるゲーム展開になりそう。ベトナムで負けたら次はタイ。そしてインドが厳しい。
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禁摩令(二輪ICEの部分禁止令)から約10年後、2008年の北京オリンピック中に、私が中国を訪れた時でさえ、電動車が95%以上で、ICEはマニア用扱い。
数万円の電動軽快車・電動バイク(軽二輪・原付)タイプで、最高速40~70㎞、走行距離60~80㎞、最大4つ積む48V 12か20Ah鉛蓄電により鈍重で1~2年で交換必要でも、実用性は十分でした。
2016-7年に小牛電動が2個の交換式リチウムバッテリー「デュアルバッテリーシステム」導入し「最高速70km以上、航続距離100km以上でICEコミューターと市場を競う存在」となり、中国スタンダードとなる。
ホンダの交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(MPP)」は、構想は以前からでも2018年12月にリースで後追い。(2021年から国内4社統一規格化)
更に中国は、2019年の新国家規格(新国標:車体重量55kg以下)で、「世界最先端バッテリー技術を創り・走る実験室」を育み、状況は一変。
電池は、「長寿命化したグラフェン鉛蓄電:45%」➡「LIB(LPF):45-50%」➡「安全で寒冷地でも性能の落ちないナトリウムイオン電池:5-10%」へと進化。。
世界の電動二輪車の約8割を占めます。
二輪合計でも、2割以上となり、ホンダの約40%の半分。
欧州で約20~30%、東南アジアで約30~70%、ラテンアメリアで70~80%を占め、シェアを急拡大中です。
しかし、中国製の「電池交換式EVバイク」は、万全な修理や補修部品供給体制は構築途上で、安価な「電池交換式でないEVバイク」は、数年後はバッテリー劣化で価値をほぼ失います。
一方、日系メーカーは強固なディーラー網を維持しているため、「日系メーカーなら5年後も高く下取る」というトータルコストでの圧倒的な安心感を提示し、目先の安さに釣られない、または、EVバイクでは走行性能・距離が不足するユーザーを繋ぎ止めています。
シェアを凋落<維持<奪還するかは、有利なハンディキャップが成立する“僅かな猶予期間中”に、「高価だが同等」ではない、「高価でも凌駕する」「価格差の少ない」の商品の充実次第か。
課題は、No.1メーカーらしからぬ、“全方位戦略ではない”上に、発売・貸出しが遅れているバッテリーです。
LIB消耗後にLFP仕様変更予定なのでしょう。
(リチウム購入予約違反して莫大な違約金発生を防ぐために、契約量を使わざるを得ない隠された事情かも・・・その拡大こそがEV撤退の真相の一つらしいから・・・)
平行して、「2030年までに電動二輪世界シェアNo.1」目標を掲げ、2028年までにインドに電動二輪車専用工場を新設し、LFPの低価格な固定式EVスクーターを開発し、日系ブランドの信頼性が高い東南アジアやインド市場に投入して、中国メーカーから電動のシェアを奪い返す戦略発表。
但し、「低温には弱いLPF」とは別に、「ナトリウムイオン電池」も開発しないと、中国同様に欧州も失いかねません。
2028年の予定の「全個体電池」の開発・生産を待っていては、手遅れになりそうで心配です。