タイヤメーカーの戦略

シルバーストーンというタイヤメーカーがあることを御存知だろうか? マレーシアのメーカーで、ラリータイヤやレース用タ
イヤも作っている。日本のタイヤと比べれば性能的に厳しいものの、タイなどアジア地域では相当のブランド力を持つ。やはりモータースポーツで鍛えられると、単にコストを優先しただけのタイヤと大きく変わってきます。

このシルバーストーンを東洋ゴムが買収し、完全子会社化する。なぜか? この件を見るとタイヤメーカーの実情が見えてくる。言うまでもなくタイヤメーカーも円高で青息吐息状態。特に日本で生産しているタイヤについて言えば、
もはや価格競争力を完全に失ってしまった。しかも日本の自動車メーカーは、ドンドン海外に生産拠点を移し始めた。

アジア地域に工場を持っ
ていないタイヤメーカーは、日本の自動車メーカーが海外移転するとチャンスを失ってしまうことを意味する。かといって単独進出しようとすれば、ゼロから工場を立ち上げなければならず時間もお金も必要。だったら円高を活かし、既存の企業を買ってしまえ、ということになるワケ。東洋ゴムにとってみれば、自然の流れ。

しかもシルバーストンは前述の如くモータースポーツ用タイヤを作っているなど(タイラリーの最終戦はシルバーストーン履くチームが多数ある)、技術力もある。アメリカ向きのニットーブランド(東洋ゴムのアメリカ向けブランド。超扁平の大経タイヤに強い)をマレーシアで生産し、アメリカに輸出すれば、これまた日本で作るより利幅を稼げるだろう。

もう一つ。案外こいつが最も重要かもしれない。やがて日本国内でも安価
なアジア製タイヤばかり売れる時代になる可能性大。すでにカー用品店じゃ主力商品になっているほど。東洋ゴムはマレーシアの工場で生産するタイヤを輸入すれば、その他のアジア製タイヤと価格で勝負出来る。といったことなど考えれば、とても良い買い物だったかと。

「海外の企業を買収する」というのは、超円高がもたらす、もう一つの空洞化のカタチといってよい。政府民主党はどこまで我が国の体力を落とそうとしているのだろうか?

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2 Responses to “タイヤメーカーの戦略”

  1. ぱんだねこ より:

    広告で見た「NITTO」は日本のメーカーだったのですね。てっきり最近流行りの東南アジアのメーカーかと思っていました。有名カー用品店で広告に載っていました。
    ECOタイヤとかスタッドレスなど開発・生産が難しそうなタイヤは日本で、量販バージョンは海外でと分けるしかないと思うのですが。
    通販で「SUMITOMO」ブランドのタイヤを買ったらば日本製と書いてありました。逆輸入なのでしょうが、安いからと言ってこういうのに手を出していると、時刻の首を絞めることになるのか。
    (u_u。)

  2. さね より:

    タイヤメーカーも大変なんですね。エコタイヤばっかゆって高いし日本ブランドは。 タイヤが燃費にかなりのパーセンテージに効いてるのは確かだけど、日本車はスペシャルタイヤに頼りすぎな気します。さて民主党…政権とったはいいけど、言うことやることメチャですよね。前政権もヘボだけど経済の立て直しはまだましだったなあ、親玉は駄目でも取り巻きのブレーンはまあまあ総理を補佐してましたよね。外交もかなりましだったなあ。今民主党だけでなく野党も駄目だし。歴史を見ればわかるように、ローマもエジプト、ペルシャも末期は支配者がころころ変わってるから日本もかなりヤバイのかもしれないですね。末期には必ずどの国も官僚の腐敗がはびこるし。世界でもかなりレアな2000年続いてる日本国もいよいよ!?商人は必ず外に生き残りをかけてでてくのも過去の歴史が語ってるからなぁ 民主党とか野党とかじゃなく問題は政治家がこの国をどうするか、一つにまとまらないといけない気します。政治的に思いきった手うたないと商人は外にいくのはやむえないですよね。政治家選ぶのは国民だから、国民自信の責任です。民主国家の原則

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