ホンダF1とホンダジェット、の続き

数日前、YahooニュースでホンダF1がホンダジェットの技術を投入すると書いた。Yahooニュースは普通の人のために書いたため、具体的な内容についちゃ省略している。とはいえ詳細な情報もなく、私も概要しか知らない。ということで、数少ない情報から現在進行形の動きを推測してみたいと思う。

まずジェットエンジンの技術だけれど、違いは「信頼性」だという。御存知の通りホンダF1が開幕以来苦労しているのが振動である。1気筒でテストしている時は発生しなかった細かい振動出て様々な部品を壊しているため、設計通りの出力も出せていない。今シーズン前半は振動対策に明け暮れた。

振動出る原因は様々。最も解りやすいのがタイヤ。スタティック(静的)でバランス取っても意味ないため、回転させてバランス取る。されど100回転程度でバランス取れていても、200回転させたら必ず振動出てしまう。そいつをどこまで追求していくか、ということ。もちろんF1は市販車など比較にならない。

けれどジェットエンジン基準より甘かったようなのだ。こうなると現在使っている計測機器の精度を超えてしまう。バランスの計り方から考えなければならない。はたまたクリアランスやGに対する”タフさ”だって大きく影響する。航空機エンジンの使用環境はレーシングエンジンよりはるかに過酷。

プラス35度の地上から飛び立ち、全開状態のまま60秒後にマイナス50度の空気を吸い込まされる。そしてF1の横Gをはるかに超える9Gに耐えなければならない。高回転物体が9倍の重さになってシャフトに掛かり、ジャイロ効果だって出る。循環する液体類だって9G~マイナス1Gに耐えなければダメ。

ここまで読んだだけでも「全く違う」ということが解って頂けると思う。実際、乗用車エンジンを飛行機に搭載して飛ばすと、相当念入りに対策していてもあっという間に壊れるそうな。だからこそ乗用車エンジンベースの船用エンジンこそあれど、航空機エンジンなど存在していない。

という航空機の概念でホンダF1のパワーユニットをチェックすると、多くの点で「ユルいですね」ということのようだ。どの時点から航空機の基準を取り入れているか不明ながら、私はハンガリーGPが『精度向上版Ver1』。その後に行われたハンガリーテストは『精度向上版Ver2』とヨソウしている。

以下、現実の話であります。最近の長谷川さんのコメントで興味深かったのは「基本設計は変えない」と言い始めたこと。そしてスペック4と呼ばれるエンジンも、構造的に大きく変わっていないらしい。なのに振動が少なくなり、パワーを掛けられるようになっているようだ。自信も感じる。

ベルギーとイタリアの高速2連戦からスペック4を投入するらしい。ここで今までのホンダF1とひと味違うパフォーマンスを見せてくれたなら、終盤戦に向かい期待していいと思う。ちなみに今までパワー必要なサーキットは酷い状況。必ずトラブルを起こしていた。Q3に生き残れたらホンモノです。

 

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