ヴィッツ級ハイブリッド車

河北新報社のWebによればトヨタ(セントラル自動車)が宮城県に建設中の新工場で2011年からヴィッツ級のハイブリッド車を生産するという。走行用バッテリーもパナソニックエナジーが宮城県に建設中の新工場から供給される。主要部品の工場を集約し、物流コストなどを下げようという狙いか。

何度も取り上げてきたヴィッツ級ハイブリッド車は、コンパクトカークラスの概念を根底から変えるスペックを持つ。例えば車両価格は150万円程度のスタートが予想されており、10・15モード燃費40km/L。実用燃費でもプリウスを10%程度凌ぐと言われている。最低で22km/Lくらい走るに違いない。

走行用バッテリーはプリウスより一回り小さい容量とし、同時に大がかりなコストダウンを行う。意外にもけっこう控え目な生産台数らしく(スタートは年間20万台前後)、とりあえず全量を宮城県の工場で生産する模様。ちなみにヴィッツのフルチェンジは今年の末。つまりヴィッツと違うクルマになるということです。

ヴィッツ級ハイブリッド車の実用燃費を24km/L。コンパクトカー級の実用燃費を14km/Lとした場合、1万km走るのに必要なガソリン代は5万2千円/9万円。3万8千円の差。10万km走って38万円差。仮に150万円の頒価であれば112万円以上のコンパクトカーに存在意義など無し。

いや、一台のクルマに長く乗る傾向になった最近の情勢を見ていると、15万kmスパンで計算してもいいだろう。となれば100万円のコンパクトカーすら危うい。といったことを考えたなら、フィットのハイブリッドや次期型マーチは価格設定が猛烈に重要。三菱自動車やマツダについちゃ対抗策あるのだろうか?

ヴィッツ級ハイブリッド車のアンチテーゼになる可能性を持つ格安コンパクトカーのヒントは、明日開幕のニューデリーショーに出展されるだろうか? 久々にワクワクします。

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5 Responses to “ヴィッツ級ハイブリッド車”

  1. tm256 より:

    トヨタのヴィッツ級HV、バッテリーはLiイオンになるのでしょうか?だとすれば、その容量を少し増やしてPHVにもできると燃費が更に良くなりそうですね。
    三菱はi-MiEVの低価格化やPX-MiEV(クラスは違いますが)の市場投入を急ぐのが当面の対策になるのでは。
    マツダは、やはりトヨタからTHSの技術供与を受けてデミオなどで対抗HVを出すか、あるいは、つくばでファミマ等と始めたEVカーシェア実証試験の結果次第ながらデミオEVを製品化するとか・・・
    EV vs. HV/PHVの競争では、インフラ整備のスピードが勝敗を決める要因の一つになりそうです。神奈川なら、県の東部〜中央〜南部は急速充電器が既にかなり設置されたので、EVでも十分に実用的に使えそうに思います。
    あと、ご参考までに、知り合いの愛媛県松山市のタクシー会社がEVタクシーの取材を受け、明日1/5午後8時の「ガイアの夜明け」で放映されます。ご興味があれば是非ご覧下さい。

  2. ijiok より:

    遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。
    今年も国沢師匠および永田さん岩田さん、そして皆様のコメントを見るのを楽しみにしています。
    総額200万円越える車は無理なので、プリウスが安いといっても対象外でしたが(今のところ一番いいなと考えてるのはスプラッシュ)、フィットHVと(少し大きくなる)ヴィッツHVが150万なら嬉しい限りです。
    tm256さん、明日のガイアの夜明け楽しみですね。デミオHVが出るとしても2013年でしょうか。井元康一郎さんの記事ですが↓
    「マツダは量産車のチューニングが上手く、欧州で優れたハンドリングを持つクルマに与えられるゴールデンステアリング賞をたびたび受賞するなど、運転を楽しめるクルマ作りについては一家言を持つメーカーである。が、一方で電気関連技術については企業規模を考えても弱いというウィークポイントを抱えていた。(中略)
    今のところはハイブリッドシステムの供給という噂でつながるトヨタ、マツダ両社だが、今後、技術供与にとどまらず、資本提携にまで踏み込む可能性も決して低くはないと思われる。」

  3. 素敵なゲスト より:

    ボディスタイルはスズキワゴンRをそっくり真似て欲しい。
    室内空間の広さ・特に室内高の高さヘッドクリアレンスと視認性の良さ・室内を日光から守ろ性能の高さは絶対に模倣して欲しい。

  4. 真鍋清 より:

    このヴィッツ系ハイブリッド車の43km/lにはぶっ飛んだ!
    さて小生の先代ヴィッツ1300U-L(2004年6月初登録)はこのほど76785km走行し、昨日KURE製の燃料添加剤「パワーブースター」をガソリンタンクに入れたことを機に中高速のレスポンスが急改善され、先程も東関道を佐倉まで往復してきた折、時速100-140まで一直線に伸び瞬間ごとの加速感に軽快さが蘇ったほどです、31-34℃の炎天下で!!
    いわば、「今年1月時の加速感=今回の34℃下での加速感」という感じで、炎天下でさえこうなのだから秋・冬の気温の下でどんな加速を示してくれるか非常に楽しみです。
    問題はCVTミッションが当方の1-3万km時のハードな乗り方が祟って経年変化を起こして加速感のGが一定しないことで、同じ100-140km/hの中間加速でもエンジンがモーモー唸って粘っこいフィーリングの時とジェット機の離着陸の如き音と共に鋭敏なGが感じられる時と二通りあり、どこか一定しないのが快適さをスポイルして気がかりです。今回も出だしは重く粘っこいフィーリング、スピードが乗るに従ってシャープさと豪快さを増す按配でした。
    こうした症状を100%回避したいのなら天文学的な(20万円!)金額をかけてCVTミッション毎交換する上、オイルクーラーをミッションに取り付けるということにならざるを得ませんが非現実的なため、この炎天下、9割方エアコンオンで健闘しただけでも満足すべきでしょうか。
    なお総燃費は10.3km/l、高速+エアコンオンの高負荷の下合格点ではないかと思いますがなまじ昨年11月、140-160km/h走行をしてなお13.6km/lを記録した経験があるだけにあと一割伸びて欲しかったというのが本音です。
    もちろん1300cc/87ps/11.8kgmにしてブルーバード・シルフィの2.0やホンダオデッセイL(2.4/170ps)並みの加速力を持つのだから、それ以上のことを一世代前の1.3Lのコンパクトカーに望むのは酷なのでしょうか。
    今回のヴィッツベースのハイブリッドのニュースと言い、ヴィッツの次期モデルに関する噂や新型スズキ・スイフトの情報を見聞きしてBセグメント・コンパクトカーの世界はまさしく日進月歩、5-6年前の常識が通用しなくなっていることがありありと感じられます。新世代1.3Lエンジン搭載の次期ヴィッツ・ガソリン仕様に7速シーケンシャルCVTが装着されたとしてどのような走りを示すのか、とにかく目を離せないと思います!

  5. 真鍋清 より:

    ヴィッツベースのハイブリッドの展開が楽しみな一方で、今や「ネオクラシック」の域に入りつつある?小生の初代後期型ヴィッツ1300U-L・SCP13型(2004年製)は目下78480km走り、「交換寿命ギリギリ」のオイルにして燃費が逆に10.8km/l→14.2km/l!!と伸び、トヨタ伝統の耐久性はまだまだ健在であることを再認識させられ、夏の暑さを吹き飛ばす爽やかなニュースでした。
    今日先ほど、志木市の自宅〜栃木県那須まで合計400km弱を往復してきましたが、行きの東北道ではオイル(0W-50化学合成油:ブランドはエネオス<プロレーシング>)を注入後既に3020km走っているにも拘らず、お世辞にも綺麗でない「♪ウオーン、ムオーン、グウオーン♪〜」というトヨタ4気筒節を奏でながら背中に感じる伸びを隠し持った加速を提供し、音質とは裏腹に加速感は軽快さを保っておりました、この常時37℃の猛暑の下!
    行きは8割方エアコンオンであったにも拘らず、BMW320iやボルボS40 2.4にはさほど遅れを取らない加速で彼らに難なくついて行けたほどです。そして燃費は10.8km/l、CVTフルード交換前には7.6km/l!!だったことが嘘のような改善ぶり、これでエンジンオイルを交換すれば13-14km/lに行くのではと予感ができたほどです。
    一方、復路はやはり8割方エアコンオンだったにも拘らずまずエンジン音が往路とは見違えるように整ったものになり、一糸乱れぬユニゾンを奏でながら瞬間ごとの加速感は今までに無く縦Gを感じさせてくれ、到底1300cc/87ps/11.8kgmのロングストロークエンジンとは思えぬ伸びに満ちていると思えました。因みにこの時点ではオイルは注入後3200-3300kmが経過しており、相応に汚れていたのは事実です。それにも拘らず加速感は頼もしさを増し、エアコン全開ですら145まで一直線という有様、この汚れきったオイルでこれだけのパンチ力とはどっこい生きているトヨタ魂、トヨタタイマーだ何だと言われながらも入念に整備・部品交換している個体は長年耐久性を保ち、エンジンもいい味を出してくるというのが目に鮮やかでした。
    浦和でインターを降り、オイル交換がてら燃料を補給した所、復路の燃費は何と14.2km/l、オイルもまだ交換していないのにオイルが洗浄力を取り戻すとは?一瞬狐につままれた感じです。
    良く考えてみれば小生がヴィッツに定期的に入れているエネオス・プロレーシングは通常のオイルと比べて油膜が強力であるのと同時に、内部洗浄剤が通常の3-4倍入っているために、往路で一通りエンジンをぶん回して負荷をかけた後は逆にエンジン内部の洗浄が進んでパンチ力・燃費共に改善されたことが考えられます。それにしても8万km弱に達してエンジンがそれまでになくこなれてくるとは、トヨタ独自の工作精度が生きていることの裏付けとしか言いようがありません。
    無論今回交換したオイルは再びプロレーシングで、エンジンにスムーズさと伸びがさらに加わり、120000km達成が非常に楽しみになっているのが正直なところです。
    小生の場合、率直言ってレーダーが反応しない限りかなり飛ばす方であるにも拘らず、ヴィッツはブレーキの効き、ステアリングフィール共にコントロール性に余裕があり、あながちただの安普請な低コスト小型車とは言い切れない辺り、トヨタも車両のセッティングに関して一定の譲れない線を持っていることが証拠付けられるわけで、混迷期を脱して新政権が本格的に機能しつつある「新生トヨタ」の今後の展開が非常に楽しみになっております。
    PS
    なお、自身が併用している2009年式レクサスIS350(※家族名義)は幸いレクサス〜クラウン系統のリコール対象には含まれないことが確認され、安心して乗れることが判りました!

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