電気自動車ベースのPHVを開発していないメーカーは、電気自動車への過渡期で大混乱します

PHVには2つの作り方がある。電気自動車用のプラットフォームを作り、搭載する電池を減らし、そのスペースにエンジン発電機を搭載する方法と、ハイブリッド車のプラットフォーム(既存のエンジン車と考えてもいい)に100kmくらい走れる電池を搭載するという方法だ。現在販売されているPHVの大半が後者になる。前者、BMWのi3くらいだと思う。

どちらが有利か? こらもう簡単で、市場が決める。クルマって生産台数でコストは決まってくる。テスラ・モデルYのように同じ車種を年間120万台も作れば、年間12万台のクルマより圧倒的に安いコスト(開発費まで含む)で済む。そんなクルマ作りの基本を考えると、現時点ではハイブリッド車に電池を搭載するPHVの方が有利と言うことになります。

ここからが面白い。遠からずPHVを含めエンジン搭載車を販売出来なくなる。電気自動車の時代になると言うことです。ところが「切り替え点」が読めない。「2027年から電気自動車になります!」とキッパリ決まっていれば準備すればいいのだけれど、そうなるとは限らない。逆に「まだ電気自動車の普及は始まらないだろう」と思っていて失敗したら売るクルマ無し。

MX-30ロータリーEVもハイブリッド車ベース

私は電気自動車のプラットフォームに発電機を搭載する作り方が有利になってくると考えている。2026年からアメリカで厳しい販売目標が設定されてます。もっと広い目で考えれば、2030年には世界的な規模で電気自動車のニーズは増えていく。2030年代中盤には電気自動車のが主流になることは間違いない。ということで問題は2026年~2030年の間だ。

PHVから電気自動車への移行期ですね。生産設備まで含めコストを掛けたくないのならハイブリッド車ベースのPHVが一番有利。ただ思ったより早いタイミングで電気自動車化が進むと、電気自動車の供給が間に合わなくなってしまう。だったら完全な電気自動車を作っておき、過渡期はエンジン搭載してPHVにすればいい。各社、どうするんだろうと思っていた次第。

東京オートサロンでトヨタが「環境エンジン」をチラ見せしたけれど、これをギガキャストを作用する次世代の電気自動車プラットフォームに搭載する計画を立てているなら、トヨタは盤石だと考えます。逆に現時点で迷っているようだと、過渡期でPHV(ハイブリッドを含む)と電気自動車の供給バランスが取れなくなる。日産とホンダはどう考えているのだろうか?

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3 Responses to “電気自動車ベースのPHVを開発していないメーカーは、電気自動車への過渡期で大混乱します”

  1. taro より:

    確かにi3はオプションで同社スクーター用のエンジンを付けることができるようになっており、設計は電気自動車用になっていますね。
     設計者からすると、世代交代に備えて前もって準備はしたけど思ったより電動化の時代が遅れているので後継車が出せないということなのかもしれませんね。

  2. いき より:

    多分、次の大統領はトランプが大なので2030年以降にズレると思いますね。

  3. トヨタ車ユーザー より:

    HEVと今の主流のPHEVは、システム出力をガソリン車に合わせているのか高速燃費を加味しているのか、エンジンの排気量・パワーが大きい気がしています。
    ホンダはガソリン車が1.5L+ターボで、これに対応するe:HEVは2Lです。モーターが付いているのにHEVのほうがエンジン大きいの?という人も…(排気量が小さいほうがお得に見えるらしい)
    街中ターゲットの車であれば、i3の例に倣って、PHEVを少しエンジンの小さいシステムで成立させたほうがいいんじゃないかと思います。
    不祥事で残念なことになっています、ダイハツのスマートHEVが高速は割り切って1.2Lエンジンを使っており、一つの好例だと思っていました。

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