高齢者の事故比率高まる

警視庁や道府県の警察が昨年発生した交通事故のデータを発表した。共通するのは高齢者の死亡事故の増加。例えば熊本県は死者数で前年より10人も減った78人。しかし65歳以上の高齢者は50人。何と64,1%を占めるという(昨年は57,9%)。近くにある横断歩道を渡らなかったケースが多いそうな。

ちなみに事故死者に於ける高齢者の割合が最も少なかったのは広島県で36,2%。高かったのが香川県の69,2%。全国平均を見ると50,4%になっており、1987年の20,9%からジリジリ上がっている。本来なら広島県の状況など分析すべきだろうけれど、そういった話は全く聞かない。

高齢者の事故防止の難しさは「啓蒙することに意味無し」という点にある。言っても聞き入れていただけないのだった。私の叔母も早稲田通りを毎日渡っているのだけれど、どうやら30m離れた横断歩道でなく車道らしい。100回くらい言ったのだが「大丈夫」
と聞き入れてくれないのだ。状況は全国的に同じかと。

原理主義者達や警察は「ゆっくり走ればいい」と主張する。基本的に動物は自分の最高
速で走って衝突しても死なないように出来ていると言われるが、高齢者の場合、骨などがもろくなっており、転んだだけで亡くなることだってあるし(家庭内の事故死者は交通事故の約2倍)、簡単に寝たきりとなってしまう。

20km/hだって安全を確保できない、ということ。突っ込んでくる自転車なんか避けられぬ。それでも原理主義者は「20km/hで走れ」となるでしょうけど。いずれにしろ事故に遭った方も辛いだろうが、事故を起こしてしまっ
た方もいろんな意味で厳しい。事故の数だけ加害者も居る、ということです。

こうなってくると事故の原因を「速度の出し過ぎ」としか判断できない警察だけに任せておけない。完全なる社会問題です。今のままだとクルマを運転している限り、常識的な速度であっても大きなリスクを覚悟しなければならないのだ。高齢者について真剣に論議しなければならない時期を迎えたと考えます。

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7 Responses to “高齢者の事故比率高まる”

  1. tm256 より:

    極端な話、自転車と老人がぶつかった場合でも、転倒した老人の打ちどころでも悪かったら、死亡事故とか寝たきりになっちゃうわけですか。
    これは、自転車でもロクにスピード出せなくなる訳で、怖いですね。EVだと走行音も小さい分、老人をはねるリスクがさらに上がりそうだし。
    自転車道路をどうするか、って問題もありましたが、高齢者の歩行者も含めて、混合交通の分離を真剣に考えなきゃいけないと思いました。
    欧州などには、環境のため街中にクルマを入れられなくした街やコミュニティもあると聞きます。
    日本でも、都市や市町村の単位でそういった方向性を考えるべきかもしれません。

  2. kine より:

    もっと派手な?服装で外出をしてほしいです。
    車に乗っていて、朝方や夕暮れ、夜などに”カムフラージュ服”の様なのを着て道路を歩いたり横断をしている人をまじかで発見すると驚いてしまいます。
    自転車もたまに乗るのですが、前方のライトや後方の”赤”のLEDフラッシャーは夕暮れには必需品です。

  3. 小林 英弘 より:

    そうなんです! 高齢者の服装は米軍最新のACU迷彩服も真っ青の「カモフラージュ服!」なのです!(笑)。…香川県の高齢者のムチャぶりは全国ワースト1位だと先日の違反者講習(笑)でたっぷり聞かされましたが(笑)、ホントに凄いです! 片側2車線&分離帯ありのバイパスを平気で横切ります! 流れにのって70〜80km/h位で走行中に第二走行車線(←高速道路でいう追越車線)を走行中に高速で視界の右横を飛び去る分離帯のヘチ(←「はじっこ」の方言です)に一瞬「!? 今のヒト!? とっしょり!?(←「年寄り」の方言です))」を視認した時の恐怖感はもう…(笑)。しかもそんな時の「自殺志願な(笑)とっしょり」の服装が完璧に分離帯と一体化したカモフラージュなんです!! …この恐怖体験はうどんに次ぐ香川県の名物と言っても過言ではありません。ホントに凄いです香川県ととっしょりのムチャぶりは。

  4. pico より:

    歩行者としてだけでなく運転者としての
    高齢者の事故率も上がっていますね。
    実際、高齢者の運転は傍から見ても危ないと思うことが多いです。
    運転免許返納制度があるといっても返納率は1%未満。
    運転が生活上必須な高齢者をどうケアするかも含めて
    運転免許定年制も考えないといけないかもしれませんね。

  5. tonpochi より:

    高齢者に限らず、最近は若者の自転車が凶器に感じます。特に通勤時間帯の自転車はひどいです。
    道交法では自転車は車道を走行し、幹線道路等危険と思われる道路では歩道走行が認められています。しかし、歩道では歩行者を妨害しないように徐行しなければなりません。
    ところがです。遅刻するかどうかの学生自転車ときたら凶器としか言いようがありません。
    何故なら、歩道を自動車と変わらないスピードで走り、チリン、チリンとベルを鳴らしたかと思うと歩行者手前で減速することも無く追い抜いて、接触しても何食わぬ顔で通り過ぎ、人車分離信号は「歩行者赤」でも車道を走り去ります。
    7年ぐらい前の話ですが、私が交差点を左折しようとした時にこういう自転車と出合い頭に接触しそうになりました。双方ブレーキを掛けて衝突は避けましたが、私の後ろを走っていた車は止まり切れず追突されてしまいました。
    自転車って、このままで良いのでしょうか?
    もし、事故を起こしてしまえば自動二輪運転と変わらない過失責任が問われます。
    例えば、21インチ以上の自転車に乗るには許可証が必要とし、違反したら免停とするような措置をとるなどしたほうがよいのでは?
    下に自転車事故発生状況の参考URLを載せます。
    参考URL:http://www.sonpo.or.jp/archive/publish/traffic/pdf/0002/book_bicycle.pdf

  6. 山田 徹 より:

    愛知県では、URLのように交通事故死数を減らす事が出来ているようです(まぁ今年1年だけなら偶然かも知れませんが)。
    「啓蒙することに意味無し」。
    これは実母を見ていても分かります。
    ただ「意味無し」では無いと思われるのは、上の記事にも書かれているように事故死数減の一要因にはなっているのではないかと思えるからです。
    無駄だからやらない、のではなく、仮に無駄だとしてもそれで年間1人でも死亡者数が減るのであれば、私はやった方が良いかと思います。

  7. ケビン より:

    まさにその通りだと思います。記事の主張に全面的に納得、賛同です。
    こんなに喫緊の問題に対応すべき当局が警察だけというのが問題解決を先延ばしにし、運転者や一般市民にツケを回しているだけなのではないでしょうか。
    とくに困るのは、運転者への厳罰化という最も安易な手段を軽々しく行使する、いわば責任逃れの対応です。
    どうしたら行政にもっと仕事してもらえるのか?これこそまさに「日本病」の最たるものだと思います。

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