リーフtoリーフ

三輪タイヤの三輪さんから連絡あって「リーフからリーフに急速充電する新しい充電器が出ます。ラリーに使えるかもしれません」。そりゃ面白い、と昼からビックサイトで行われている「電気自動車技術開発展」へ行く。下の写真のような装置で、5kWh分を6分くらいで給電出来ると言うから凄い!

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リーフtoリーフ

急速充電器並みであります。こいつを積んだリーフをラリーのSSの前に持って行けば、スタート前に充電可能。どこのSSも到着からスタートまで5分以上ありますから。この充電器とQ電丸さえあれば、大半のSSをフルアタック出来るようになる。しかし! 日本到着は11月とのこと。最終戦は間に合わず。

30分くらいで見学終了。三輪さんといすみ市のサンコーワークス。10月20日全日本EV-GP(袖ケ浦サーキット)に出場するので打ち合わせなど。三輪タイヤさんのリーフで走るのだけれど、サスペンションくらい換えたい。他はノーマルです。ということで私のラリーカーの喜多見スペシャルを使います。

新城ラリーはブレーキをノーマルに戻さなくちゃダメ、というお達し。電気自動車はエンジンブレーキに相当する回生ブレーキが極めてユルい、というか弱いため、減速エネルギーのほぼ全てを前輪で吸収しなければならない。エンジンブレーキ無しで下り坂を駆け下るようなモノ。基本的にブレーキの負担極大!

加えて電気自動車やハイブリッド車(AEクラスはこの2つのパワートレーン)の前輪ブレーキ、ECOカーということで、どれも小さい。それでいて車重が1,6トンもあるし。つまりクラウンのようなクルマにコンパクトカーと同じブレーキを付け、エンジンブレーキ無しで箱根を下るようなモノ。

他のJN-1クラスと同じよう、ブレーキの容量アップをしなければ危険だと思う。ちなみに助手席がノーマルであること、というレギュレーションはさすがおかしいだろ、となったらしく「特認」になっている。だったらブレーキも特認してくれればいいのに。されど「ダメなものはダメ!」とのこと。

ということで車両規定見ると「電気自動車でラリーは無理」。群馬と丹後半島は主催者の「安全に配慮します」という判断でOKになったものの、JAF派遣の人が断固反対し「二度とダメだ!」になったという。仕方ないのでノーマルに戻そうと思う。リーフの得意とする下り坂が攻められなくなります。

政府は電気自動車を支援しているものの、JAFのモータースポーツ部門は次世代を考えていないのかもしれません。AEクラスのレギュレーションを忠実に守れば、少なくとも2015年まで同じクラスのガソリン車(JN-1クラス)と同等のタイムで走るのは不可能。ノーマル車vsチューンドカーと同じですから。

今年から新設された『AEクラス』は日本がこれから伸ばしていくべき技術。競技で研鑽するという意義たるや大きい。文字通り走る実験室です。しかも現段階じゃ「競争力」でガソリン車に届いていないのだった。新しい技術を育てて行こう、という気持ちを持ってくれたら嬉しいのに。

日本の至る所に「日本の将来にブレーキを掛ける人」がいますね。アクセル踏む人とドチラが強いかの勝負をしている分野も多いと思う。残念ながら「電気自動車でラリー」は、ブレーキ踏む人に負けそうだ。

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