マツダ危険水域へ

ムカシから100円を切った株は危険水域にある、といわれてきた。こう書くと「三菱自動車なんか1年半も前に100円を切り、今や75円じゃないの」と思うかもしれない。確かに三菱自動車は本来ならありえない株価である。普通ならとっくにデフォルトしていてもおかしくない。
というかデフォルトしているだろう。

なぜ存続しているかとなれば、三つくらいの理由がある。一番大きな理由は、三菱グループであるという
こと。何のかんの言っても三菱グループとしての恩典は大きい。人材の交流だってあります。益子社長も三菱商事出身。三菱グループが「断念した」となるまで、いくら株価が下がろうと存続していくと考えていい。

二つ目は「三菱自動車を買う」という企業が出てこないこと。株価を考えれば買収は容易。本来なら中国あたりが出てきても不思議じゃない。これまた三菱グループの存在により、仮に敵対的な買収を行い成功しても、手元に残るのは三菱自動車の抜け殻(というかブランドですね)になってしまう。だから魅力無し。

三菱自動車を助けようという善意の買収も難しい。立て直すには莫大な資金が必要。しかも簡単と思えぬ。ダイムラーだって投げたほど。現時点で可能性あるのはフィアットと現代自動車くらいだろうけれど、両者ともに自力で足
りない部分を補おうとしている。そんなこんなで三菱自動車は三菱グループの中で存続する。

防波堤に守られた三菱自動車と、荒波の中に居るマツダは違う。株価の100円切りは本当の赤信号だ。デフォルトと敵対的買収の両方と戦わなくてはならない。6月1日は安値93円の終値は96円。ユーロ
安の影響を受けた一時的な株価なら大きな問題がないだろうけれど、今週も続けばいさささか厳しいかも。

最新の株価

というか株価を維持できなくなってくるだろう。ジワジワ落ち始めようものなら本当に厳しい。さて。ここからは現実離れするので御伽噺です。ここでマツダファンが出来ることは、株の買い支え。マツダの発行株式は30億株。1株100円なら3千億円がマツダの価格だ。上を見て1千億円もあれば対応可能。

具体的には全国10万人のマツダファンが100万円づつ95円で買い注文を出す。これで1千億円だ。すると95円以下には絶対下がらない。マツダの社員数は3万8千人。親兄弟
親戚に声を掛けて5万人。関連企業やディーラーなどを入れればさらに増えるだろう。マツダファンだって100万人くらいいるか?

その間、
マツダに頑張ってもらう。クルマに興味のない経営陣を変えれば立ち直れるだけの技術力を持っているし、マツダの販売台数を増やす方法などいくらでもある。
CX-5だってレンジローバーみたいなデザインだったら世界的にヒットしたことだろう。で、120円になったら売る注文を出しておけばいい。

100万円が120万円になり、定期預金にしておくよりずっと有利。もし立ち直れなければ損をしてしまうけれど、1千億円分(33%)の株主がまとまった気持ちになれば、経営陣のダメだしをすることだって出来る。マツダファンの皆さん、いかがですか? 誰か音頭をとる人が出てくれば不可能じゃない、と思う。

・ECOカーアジアは「原発再稼動反対派のささやかな抵抗

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6 Responses to “マツダ危険水域へ”

  1. 阪神ファン より:

    三菱グループの存在は大きそうですね。
    どこかのメーカーが三菱自動車を救済というかたちで提携したとしても、結果的に三菱グループに飲み込まれたような感じになりそうです。
    日本石油と三菱石油の合併にしても、結果的に日本石油が三菱グループに飲みこまれたようなイメージがあります。個人的な感想ですけどね・・・。
    会社なので、倒れると元も子も無く、イメージ云々言ってる場合ではないでしょうけどね。
    マツダ、昔は住友銀行の存在が大きかったように思いますが、今では影響が薄そうですし、がんばってほしいですね。
    三菱といえばラリー、マツダといえばルマン優勝。
    どちらも、輝いていた頃のように復活してほしいです。
    日本メーカーに元気がないとおもしろくありません。
    ただ・・・、三菱は電気自動車のイメージでがんばっているように感じますが、マツダはイメージがわかないです。

  2. ねこまんま より:

    マツダはあと五年と持たないでしょう。潰れないにしてもどこかに買収されるでしょう。
    先日の増資だって何とか引き受けてもらえただけで実際にはあの時に詰んでいます。
    末期のビッグスリー状態かと。
    三菱は前も言ったとおりグループ内で売ってりゃいいから三菱本体が倒れない限り大丈夫。
    実際、三菱買ってる人は大抵身内に三菱関係者が居ます。
    あとヒュンダイにエンジンとか売ってるんでしたかね?これも結構儲かってたりして。
    どうこう言ってもアクアやプリウスは売れている。
    マツダもデミオやアクセラがこのくらいのヒット作になれば何とかなるでしょうに。
    CX-5もいつまで売れることやら。
    本当にマツダが好きでマツダ党を名乗るなら国沢さんも言ってたように「定価でたくさん買ってあげる」事が大事でしょう。
    私は正直、マツダや三菱は無くなっても良いです。勤めている人には悪いですが。
    あっても無くてもどうでもいいです。この先買うつもりもありませんから。
    どこのメーカーでも当たり前にやっている燃費改良技術を、
    スカイアクテイブなんてものすごい技術のように言ってるだけだからユーザーからそっぽ向かれる。
    ミラーサイクル、可変バルブ、ロックアップ領域の拡大なんてどのメーカーでもやってます。
    まあ、でかくなるんで排気系の処理はあそこまではやってるメーカーは少ないですけどね。
    トヨタのプレミオとかアリオンの1800ccなんか凄い燃費良いですよ。
    でもトヨタは特別な物とはしていません。今までの技術の積み重ねですから。
    第三のエコカーなんてどこもまやかしです。
    ものすごく画期的な新設計のエンジンとかならまだ良いけど、結局レシプロエンジンの改良型に過ぎません。
    もうレシプロエンジンは技術的に限界に来ているんじゃないかな?
    正直うちの会社も付き合い多少有るんで復活してくれた方が良いんですけどね。

  3. COLT より:

    株価が上がらなくても大丈夫なように、「マツダ」じゃなくて「住友自動車」に改名したいですね。

  4. 小林 英弘 より:

    『エコカーアジア』のお話ですが…もはや「原発」は政財界の中枢にいて強大な権力であらゆる事を動かしている人達の間にガッチリ根を張り深く深く入り込んだ「モンスター」ですね。一般的感覚での「常識的意見(←「地震大国の日本で原発をやっていくのは無理!」の類の意見など)」が全く通用しません。まぁ矛先を緩めた大阪市の橋下市長は時勢を読んでヒラリヒラリと立ち振る舞う所はありますが…
    ところで少々話が逸れますが、作家の橘玲氏が『週間プレイボーイ』で『そ、そうだったのか!?真実のニッポン』という見開き片面1ページのコラムを執筆されています。毎回、世の中の色々な事柄を鋭い目線で考察し、含蓄深いが平易でコンパクトな読み易い文章にまとめた、非常にためになるコラムです。先週号で「理想」について書かれていましたので、ちょっと長くなりますが引用しますね。
    「理想」は時になにもかもを台無しにしてしまう
     南アフリカのボツァラノ動物保護区域には、かつてはたくさんの豹が棲息していました。しかしいまでは、私たちはその優美な姿を目にすることはできません。
     なぜ南アフリカの豹は消えてしまったのか? それは動物を愛するひとたちが、彼らを「保護」しようとしたからです。
    (中略)
     ハンティングガイドはふだんは農民で、牛や羊を飼って暮らしていました。家畜は豹の格好の獲物になっていましたが、農民たちはそれを仕方がないことだと考えていました。白人のハンターは、斑点のついた毛皮や剥製にした豹の頭を持ち帰るためなら金に糸目をつけず、牛や羊が何頭も買えるお金を地元に落していったからです。
     ところがアメリカやイギリスで動物保護運動が盛り上がると、毛皮や剥製を国に持ち込むことが違法とされ、やがてサファリ(アフリカでの狩猟)は植民地支配の象徴として激しい道徳的批判を浴びるようになりました。
     こうしてハンターたちはアフリカにやってこなくなりました。それではいったいなにが起きたのでしょう。
     野生動物と共存していたアフリカの農民たちにとって、いまやライオンや豹やチーターは、一銭のお金にもならないばかりか、大切な家畜を襲う害獣でしかありません。彼らは生活を守るために“害獣駆除”に乗り出し、オスもメスも、子供や赤ん坊まで、たちまちのうちに殺し尽くしてしまったのです。
     この話の教訓はなんでしょう。
    (中略)
     彼らの“いのち”を守るもっとも効果的な方法は、ハンティングの料金を引き上げることで地元に経済的利益をもたらし、狩猟頭数を厳密に管理しながら、動物を傷つけないエコ・ツーリズムを普及させていくことでした。そうすればボツァラノの豹も絶滅を免れ、いまも世界中から多くの観光客を集めていたはずです。
     しかしこの現実的な改革案は、営利のためにアフリカの動物たちが殺されていくと告発する愛護運動のひとたちにはまったく受け入れられませんでした。彼らはいますぐ「理想」をを実現することを要求し、そして、なにもかも台無しにしてしまったのです。
     この国にはいま、「すべての原発を即座に永久に廃棄せよ」と主張する理想主義者が溢れています。彼らの善意に疑いはなく、原発という技術に未来もないと思いますが、それでもつい、「理想」によって絶滅した豹たちのことを思い浮かべてしまうのです。(了)
    …いかがでしょうか? 原発マネーにどっぷり浸かってる「推進派」の人達には全く響かないでしょうが(笑)、私達「反対(または懐疑)派」にとっては心に留めておいて無駄ではない「良識的な考え方」だと思います。
    PS:橘氏の著書『かっこにっぽんじん(幻冬舎 2012年)』は素晴らしい本です。是非読まれる事をオススメします。

  5. さね より:

    まさにクライシスですか。車検通さないでCXー5に買い替えてあげればよかったかな? でも高い買い物だからなぁ…株買う金もないし。マツダどーなるのかな?個人的には良心的なメーカーとは思いますが多くの日本人には2流メーカーとかイメージ悪いみたいですね。フィアットの会長もマツダ株を買うつもりないとか… マツダが生き残る道はやっぱりどっかと仲良くやっていくのがベターかと。いっそフィアットの一員としてやってくのも悪くはないんじゃないのかな? スズキと組むのも面白いだろうけど無理だろな。メリットなさそうだし。なくならないよう頑張ってほしいです。

  6. llll より:

    「まず、マツダに関しては、フィアットの先進技術を吸収しつつ、ツインエアエンジンの改良(ツインエアエンジンは振動などのデメリットと、燃費の改善、生産効率の歩留まり改善に苦労しているので、スカイアクティブの技術フィードバックがフィアットとしても急務である)
    コレに関し、マツダ・フイアットともに親交のあるスズキを絡める形で改良と生産を行い、両社のコンパクトカーの主力エンジンとして、現在ある900ccをもとに660〜1200(1400?)までのラインアップを確立し、生産もフィアットのポーランドのほか、スズキのハンガリーにある「マジャール・スズキ」を活用する形で、次期ロードスターのパワートレーンにする案も浮上しており、フィアットの戦略を見ると古くなった直4を使わずに、ツインエアをパワーアップして使い、直接コンパクト化したエンジンをコーナリング性能とクラッシュエリアの確保にまわし、小粋なスパイダーとして使えればこの上なく面白い車になるのではないでしょうか?
    もち、このエンジンの活用はスズキ・マツダにしても好機になるわけで、このエンジンを基にした660ccエンジンを積んだ軽なら、マツダの「i-Stop」を使えば、後発だった燃費競争に一矢報いることが出来ると思うし、マツダと共同でデミオとスプラッシュにこのエンジンを利用することも、660ccエンジンを用いレンジエクステンダーに転用することも可能だと思います。
    と、三菱には直接関係無いことを述べましたが・・・いや、もしかしたらコレが「ソリオ」のエンジンになることも考えられるのです。
    蛇足ですが・・・
    フィアット開発陣も述べてましたが、このバランサーの基礎原理こそ、三菱の4G5x「アストロン」シリーズが基になっている(!)そうで、下手するとこのシリーズのエンジンが売れると、バランサーシャフトの特許権使用料が入る(過去、ポルシェやランチア、ボルボが許諾を受けバランサーシャフトを使っていた)かも知れません・・・
    実は車自身は日本で売れてはいないが、PSA供給車のほか、メルセデスに供給している3B21や、いまだに中国で売れている4G系エンジンなど、パワートレーンの生産販売は地味に好調だったりするわけで、こう言うところ見落としているアンチどもは「車が売れない」とはやし立てているが、ちゃんと黒字を出しているのは理由があり、どっかの会社みたいに帳簿操作で黒字を捻出してると思ったら大きな間違いである。
    こう言う地味な建て直しを益子のおっちゃんはくたびれたカオしながら頑張ってるわけで、報酬を12億貰ってる誰かさんに比べれば、コスパは高いと思いますよ。」
    以上、三波和源様から引用させていただきました。
    それから、ジープパトリオットの4WDシステムも実はアウトランダーと同じです。

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