日本の製品は世界一?

一連のリコール騒ぎを見ていて強く感じるのが、日本人の「日本の製品は世界一」という強いナルシシズム(自己愛)である。
日本を励まそうというメディアの影響なんだろう。「海外で作ったモノは全てコスト重視の2流品」みたいに思っているようなのだ。こらもう自動車部品に限らないです。

確かに日本で作られる製品の完成度は非常に高い。けれど日本製だって100%カンペキじゃない。最近リコールされた内容を見ても、日本製のパーツが原因になっているものだって多数ある。しかも価格競争力とアイデア(商品性と言い換えても良い)でジワジワ競争力を失いつつあるのも気になるところ。

例えば世界中で急速に普及しつつあるPND(ポーナルブナビゲーション)。このジャンル、今や韓国ブランドが圧倒的に強い。『ハンファ』という韓国の企業で販売している製品は、4,3インチで1万9800円。7インチが2万9800円。使っている地図(最新版のゼンリンです)や機能も全く遜色ない。

現在、自国内で消費されている中国ブランドのPNDが日本に入ってきたら、爆発的に安い価格設定になると思う。ちなみに中国製PNDの中身、中国で生産している日本ブランドのPNDと実質的に同じ。もし韓国や中国のPNDの機能や信頼性に問題が無ければ、日本のブランドなど高いだけだ。

しかも一度使ってみて問題なければ、他の製品も試してみようという気になる。前出ハンファの通販サイトをチェックしてみたら「このネダンなら欲しいぞ!」と思うモノが多数出てます。フルHDビデオカメラの1万2800円なんか魅力的です。日本製の半額以下ですから。「こら面白い!」アイデア製品も多い。

実際、日本以外ではこういった流れが大きくなりつつある。クルマも同じ。だからこそ現代自動車のシェアは急速に拡大しているのだ。未だに「日本の製品は世界一。多少高くても売れる」と思っているなら、こらもうジリ貧への道です。

<おすすめ記事>

4 Responses to “日本の製品は世界一?”

  1. lucky より:

    いつも拝見させて頂いています。
    私も、どの製品も品質は対して変わらないと思います、ほぼ日本メーカーが現地生産をして、協力して来ましたから!
    問題は、為替です。
    円安にしないと、生産出来なくなります。
    円高で、買う物が安くなって、喜んでる場合では無いかもしれません。デフレスパイラルを止めないと、さくらや・デパートの二の舞です・・・
    私を含め車好きの人は、安くて魅力的な車が今後輸入されて来ます、楽しみです。
    日本メーカーは海外生産工場から製品を輸入し、優秀な人材は日本から輸出して、今後の日本は、何が残るのでしょうか?破綻した国にお金を貸して、金融産業を育てる?つもりか?
    政治不信のluckyでした。

  2. イニシャルN子. より:

    おっしゃるとおりだと思います。
    ひとつ前のタイ製マーチに件に関しても、日産は大変な賭け(言葉が適切でないかもしれませんが_)に出たと感じています。
    日本メーカーが海外工場で生産した車種を国内に持ってきて成功した事例がいくつくらいあるでしょう。
    英国製の最新のシビック・ユーロR、日産のデュアリス、絶対量は非常に少ないもののスズキのスプラッシュ。これくらいではないかと、特にスプラッシュは高評価を受けていますが、一般ユーザーにどれほど浸透しているのかは甚だ疑問です。
    北米と新興国の工場で生産されたクルマたちには成功例を見つけられないような気がします。
    ワタシなどでもそうなのですが『SONY製のPNDを購入して、製品の生産国をみたら、エ〜ッ、日本で生産したものじゃないんだ!!』。
    偏見なのでしょうね。そんなことに拘っていたら日常の生活必需品、半分以上は国内でなんて作ってないよ…という声がどこからか聞こえてきそうですが_。
    そろそろ、クルマに関しての認識?意識改革というのでしょうか、そうしたものが必要な時期に来ているのかも知れませんね。

  3. IT技術者 より:

    少なくともIT系、というかソフトウエアではそんなことは絶対にないですね。日本製ソフトウエア開発手法のグダグダ糞ッぷりは有名ですから。技術力でも10年は差を付けられてます。出てくるソフトウエアの品質も最低なことが多いです。
    たとえば「情報大後悔プロジェクト」がグーグルに勝てるなんて思ってる人は誰もいません。MSのBingにだって勝てるだなんて思ってないでしょう。

  4. 匿名 より:

    ものづくり大国という経団連あたりが一枚噛んでそうなプロパガンダに酔いしれてる間に、日本はこれといった進歩ができずに韓国企業の台頭を許してしまったって、なんか滑稽ですよね。
    自動車はまだいい方ですけど、このままダラダラいくと家電業界の二の舞になるのは確実です。

このページの先頭へ