ガソリン相場はそろそろ上限に到達(9日)
以前「ガソリンの価格には上限がある」と書いた。現在、すでに上限価格に到達したと考えます。なぜ上限があるのかといえば、アメリカで大量に取れるシェールガスと原油の関係だ。原油相場上がると、相対的にシェールガスの割安感出てくる。シェールガスの採算相場は平均すればバレルあたり40ドル程度と言われている。原油の採掘コストは国や地域によって異なります。
バレル5ドルという低コストで採掘出来る油田もあれば、40ドル掛かる高コストの油田もある。皆さん油田というと洗面器の中に入った油を掘り出すというイメージだろうけれど、そう簡単に掘れない油田だって多い。ただシェールガスの採算コストより安いことは間違いなし。そんなことから昨年、原油相場を下げてシェールガスと勝負に出た。バレル42ドルまで安くしたのだった。
こうなるとシェールガスは利益率が激減する。かくして井戸の稼働を減らし、シェールガスの採掘量は減少した次第。おそらくシェールガス勢力からすれば、40ドルで勝負しても儲からないんだと思う。出来れば50ドル以上で売りたいところ。さて。直近の原油相場は『WTI』(原油相場の指標)で65ドル前後。こらもうシェールガス勢力からすれば十分にオイシイ相場だ。
さらに世界有数の原油輸入国である日本は、65ドルになると厳しい。トランプ大統領率いるアメリカが貿易赤字解消のため、中東原油より安くシェールガスを売り込んできたら、買うしかあるまい。参考までに書いておくと日本が中東などから購入している天然ガス(シェールガスと同じ成分)の相場は原油とリンクしている。原油が上がれば天然ガスも上がるということ。
両者には駆け引きのような動きがあり、多少の振れ幅あるけれどガソリンに上限価格は存在する。このまま160円や170円に突入することなど無し。さて。北朝鮮との紛争が遠のけば、トランプさんは日本に対し「大量の武器を買え」と言いにくくなる。北のミサイル迎撃用の2000億円する『イージスアショア』だって不要。もはや日本へ売るならシェールガスしかないです。
決して安くない相場になると思うが、シェールガスは発電所のエネルギー源になるため原発の再稼働も歓迎しなくなるなど違う面での大きなメリットだってある。加えてエネルギーコスト高いだけなら「省燃費」という日本の得意技術で頑張れば良い。エネルギーコスト2倍になったって燃費半分にすればトントンですから。ハイブリッド車や最新の軽自動車なら燃料倍でもトントンだ。
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