50km/h定常走行からアクセル全開にした時の反応でクルマの奥行きがハッキリ解りますよ
休日なので役に立たない情報です。私は初めてのクルマに乗る際、必ず試すことがある。それは「休め」状態からのフル加速だ。50km/hくらいまで出し、定常走行。パワーユニットもミッションも全て最小限の能力維持(省燃費と言い換えてもよい)。その状態でアクセル床まで踏み込む! この時の反応を評価するワケ。もはやクルマによって千差万別!
というか、この時のレスポンスを良くしようとすれば、様々な技術を必要とする。例えばハイブリッド車では50km/h定常走行だとエンジン止まりモーターだけで走っている状態。そこからアクセル全開すると使えるパワーは走行用バッテリーのみ。乾電池を直列に3本繋いだようなクルマもあれば、バッテリー調達コスト高いからと、乾電池1本しか使ってないモデルもある。
エンジン停止状態からアクセル全開した直後は走行用バッテリーのパワーしか期待出来ないため、コストをケチッたクルマだと加速しない(泣)。また、アクセル全開するとエンジン掛け、回転数上げて発電機回す。その時も回転数上げてから発電機を駆動する制御だと全く反応しないタイムラグを出してしまう。酷いクルマだと2秒近くまともに加速しないことだってあります。
CVTはアクセル開け、ギア比を下げることとエンジン回転数上げることのバランスが重要になってくる。絶対的な加速タイムということだとエンジン回転数上げる間にギア比を下げる制御を行う。それだと全く加速しないというタイムラグを出す。超気持ち悪い。ドライビングプレジャーとしちゃ、アクセル踏んですぐ加速して欲しい。これまたクルマによって異なる。
8速以上のATだって興味深い。アクセル全開でイッキに2速まで落ちる車種あれば、段階的に落ちて行くため、その間、全く加速しない車種だってあります。私は「楽しくないクルマはダメ!」だと思っている。車速は50km/hから始めて60km/hまででよい。順法だし危険性ないし、クルマへの負荷だって少ない。初めてハンドル握るクルマだったら、ぜひとも試してみて頂きたい。
面白いのが電気自動車。巡航から「うりゃ!」と全開した際、技術力やコストの差がハッキリ出る。電気の反応速度は1秒間地球7ラップ半。その気になればペダルとくっついているような反応になります。けれどそれやると歯車など機械部分がついていかない。そこで若干の「なまし」を入れます。徐々にパワー出していく、という制御だ。ここで技術の差がハッキリ出る。
コスト掛けていない駆動系は、アクセル全開してからフルパワー掛けるまでタイムラグを作らないとならない。ガタ多いギアは急にトルク掛けたら衝撃出す。コスト掛けたギアを使っていたらタイムラグを最小限に抑えられる。リーフの駆動系、お金掛けてると思う。アクセル開けた直後にフル加速を始めますから。対極にあるのがbZ4X。明確なタイムラグの後、ドッカンだ。
もちろん普段使いだとこの領域はあまり使わない。でも私は質感になって現れると思っている。そして良いクルマを買いたい。クルマに乗ったら是非とも50km/h巡航から「うりゃ!」を試して欲しい。繰り返すけれど、日常的な走行パターンなら何の意味もないです。そのクルマを作ったチームの”こだわり”だけ評価出来る。クルマ好きならこだわったモデルに乗りたいと思う。
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