レクサスの電気自動車『RZ』。トヨタとスバルとレクサスの悪いところが出ちゃいましたね

プロトタイプの試乗レポートを見ると高い評価を得ているレクサスの電気自動車『RZ』ながら、いろんな意味でレクサスファンにしかすすめられない仕上がりだった。そもそも駆動系のバックラッシュの大きさ(駆動系の精度やキャパシティと言い換えてもよい)はbZ4Xやソルテラと全く同じ。アクセルのオンオフをするとタイムラグあります。これがクルマの楽しさを薄める。

基本的にはbZ4Xデラックス

ボディシルエットもbZ4Xやソルテラと同じであり、なおかつグリルレスを昇華しきれていない。聞けば最近の圧倒的にカッコよいトヨタ車のデザインを生み出しているサイモンさんから遠いのだという。おそらく1000万円近い価格設定になると思うけれど、とうていそこまでのクオリティを持っていない。私なら瞬時も迷うこと無く全てにおいて圧倒的に勝るBMW iX50を選ぶ。

RZを考えているならiX50の試乗をすすめておく

bZ4xやソルテラは1日2回しか急速充電が出来なかったり、そもそも急速充電性能悪かったり、電池残量の表示無かったり(あまり当てにならない航続距離の表示のみ。燃料計のないエンジン車みたいなもの)するなど極めて評価低いけれど、少なくともRZのプロトタイプは基本的に同じ。ヒョンデのアイオニック5なんか30分の急速充電で250km走れるが、RZだと150kmがやっとか?

一番の「う~ん!」がAWDの駆動力制御。前後モーターなので自由度大きい。最近のトヨタの電動AWDは後輪に駆動力掛け、テールを沈ませて姿勢を作る。乗ると素直だし滑った時の挙動はマイルド。さすがWRCやってるだけありますね! 思う。なのにRZときたら前輪の駆動力を優先しているそうな。コーナー攻めると前輪だけで曲がっている感じ。トリッキーなアンダーが出ちゃう。

前輪の駆動力増やすと良いLSDとセットにしなくちゃならない。良いLSD無いとダメです。聞けば「後輪に駆動力掛けるとアンダーになる」。FR車ってアンダーだと思っているようだ。レクサス、クルマ作りの見識が狭い。少しトヨタに教えて貰った方がいいんじゃなかろうか。レクサス大好きさんじゃない限りレクサスの電気自動車は抜本的に駆動系を見直すだろう次世代モデルを待ったらいい。

<おすすめ記事>

5 Responses to “レクサスの電気自動車『RZ』。トヨタとスバルとレクサスの悪いところが出ちゃいましたね”

  1. natumenatuki より:

    よくぞ言ってくれました。流石に、日本で、唯一、無二の、自動車評論家!
    忖度(そんたく)ばかりの、モータージャーナリスト(ちゃんとした、日本語である、評論家を、なぜ、名乗らないのか?)は、大いに反省して、本当に正しい、情報を届けてほしい。

  2. アミーゴ5号 より:

    うっひゃあ〜っ、超辛口ぃぃぃ〜!

    でもですよ、
    EVは発展途上ですし、トヨタ・スバル・レクサスをもってしても、超辛口上等の仕上がりなのであれば尚更です。

    とくにですよ、
    庶民にとってクルマは、家の次に大きな買物ですから、ビシビシ厳しくやって頂きたいと切に願います。

  3. 本城 信 より:

    トヨタの製品に対し厳しい評価が出ましたね。

    「トヨタはハイブリッドにコミットするあまり電気自動車で後れをとっている」との世上の評価は「いまのところ正しい」ということなのではないでしょうか。トヨタの捲土重来がいつ頃、どのような形で現れてくるのか期待したいところです。

  4. この車 無駄なアクセル 踏みません より:

    「これからのレクサスの電動化をリードしていく車だ」と、トヨタの新社長さんがどこかの記事で語っていたのを読み、トヨタ変わっていってくれるのかなということで。どこかでレクサスのRZの記事を読み、評論家さんはどう見てるのか知りたいなと思っていましたが、さすが国沢さん。やはり、ハリボテEVだったんですね。bz4Xやソルテラでトヨタ・スバルがEVをわかっていないと象徴的に言われていた電力残量%表示がレクサスRZにも無いとのこと、「トヨタの『自分たちの技術力をもってすればEVなんてエンジンからモーターに変えればいいだけなんだからちょちょいのちょさ』って驕り」が見え見えで、要するにきちんとEVに取り組んでいない¥向き合っていないってことなんですね。
    愛車AZE0が、本日9セグになり、ちょっぴり悲しかったのですが、国沢さんの記事で、そんな気持ちが吹き飛びました。

  5. z151 サンバー愛好者 より:

    40万人近いトヨタ及びレクサス従業員が「一枚岩」とするには無理があるだろうなと思っていました。
    豊田社長ですら「なかなか言うことを解ってくれない人は少なからずいる」と何かの記事で読んだことは数回あります。
    元楽天野球監督だった野村氏の組織論でも「2:6:2の法則」なるものがあって、はっきりと敵味方なのはそれぞれ2割程、残りの6割が日和見だそうで。
    この6割が「世論」と似ていて、敵にしてしまえば8割方が敵、味方につければ8割方の味方となると。
    じゃあ味方に8割方つけた時点で残る敵方2割をレイオフして追い出したら味方10割になる?
    …いやいや残った母数が2:6:2の法則に則って再分配されるというのが「人は計算通りにならない」部分なのかもしれません。

    長い前置きの末に週末妄想を遺憾なく発揮すると、敵対勢力2割が色濃く残っている部署がEV開発部門なのかもしれません。
    スバルバージョンやレクサスバージョンだって「元の出汁(味付け)に従ずる」のは自明の理。
    NXでダブルボンネットキャッチになった後でデビューするRZのそれはどんななのでしょうね?

    後輪に駆動配分するとアンダー、うーん。
    エンジンパワー足りなかったらそうだろうし、前後オープンデフだったら前に進まない分アンダーに感じるかもですが。
    うーん。
    電池制御を思いっきりアンパイ方向に振った結果、連続急速充電性能はダメダメで、それでも電池補償の基準を引き下げなければならなくなり、あちこちのチューニングもある程度で妥協して発売という形に。
    うーん、うーん。
    EVの叩き台になるクルマが正直失敗しているので、ここだけ取り上げるとH3ロケット並みに挽回が大変かも。

コメントを残す

このページの先頭へ