トヨタ、全固体電池ばかり取り上げられるけれど、私的にはリン酸鉄リチウムがササります!

トヨタの新技術お披露目会、私は先約だった八丈島プロジェクト取材のため参加出来なかったが、やっと全貌を知りました。もし参加していたら全固体電池よりバイポーラ構造のリン酸鉄リチウム電池を真っ先に紹介していたと思う。これ、どう考えても明日の主力電池になります。バイポーラ構造を使うことにより三元系リチウムイオン電池を超える性能を狙うという。

bZ4Xの三元系リチウムイオン電池より20%航続距離を伸ばし、コスト4割減という! 本当に実現出来たら、極寒地を除き三元系リチウム電池など不要。ベーシックな電気自動車として決定的な電池になることだろう。今回どこで生産するかということはリリースされなかったようだけれど、国内の工場なら電気自動車の価格を大幅に引き下げることが可能になります。

寒冷地や、クラウンのようなラージクラスの電気自動車用としては、もう少し容量の大きいニッケル系の正極を使ったバイポーラ構造のリチウムイオン電池を開発しており、リン酸鉄リチウムより少々高くなるものの、従来の三元系リチウムイオン電池を大幅に凌ぐ性能を持つそうな。このタイプの電池は高価格帯のクルマと寒冷地仕様に採用されると思う。どちらも2027年メドとのこと。

全固体電池だけれど、コスト的には普及レベルというより高価格帯になると思う。大容量の電池を必要とするレクサスのスポーツモデルやSUVなどをイメージして頂ければよい。150kWh級の電池を10分で急速充電しようとしたら、現在チャデモの主流である50A(1時間で50kWhしか入らない)じゃ全くお話にならない。10倍以上の800A級が必要になってくる。

現在世界TOPのコンボで350A。800A級になると専用の急速充電技術が必要だし、それこそ超伝導技術でも使わない限りどんだけ太い充電ケーブルになるか予想出来ない。ガソリンスタンドならぬ電気スタンドで充電すれば電気代と設備代を合わせガソリン以上のエネルギーコストになること間違いなし! 高額車専用の電池という位置づけしかありえない。

ただ量産化が進めばコストダウンするため、2050年には普通のクルマにも採用できるコストになってくるかもしれません。全固体電池を60kWhくらい搭載すれば航続距離400km程度。自宅で夜間に普通充電でカバー出来る。いずれにしろ今回発表されたトヨタの電気自動車技術は将来の不安を大きく減らしてくれる内容だった。株価、きっちり上がっています。日産やホンダもぜひ発表を!

<おすすめ記事>

3 Responses to “トヨタ、全固体電池ばかり取り上げられるけれど、私的にはリン酸鉄リチウムがササります!”

  1. 小井土雄一 より:

    私は、十数年もあればバッテリー等、BEVの技術は成熟し、世界的に平準化してしまうと考えています。技術革新の時代は終わり平準化した中で、各メーカーが小さな進歩で競争する。現在までのエンジン車と同じです。中国メーカーが新たなプレーヤーとして加わりますが、既存のメーカーも多くが生き残るんじゃないでしょうか。

  2. Nally より:

    私は、トヨタさんが充電インフラについて何も語らないのが不満です。
    どんなに車が優れていても、充電できなければ意味がありません。
    トヨタさんは「充電インフラは国が行うこと、自動車メーカーの仕事ではない」とお考えでしょうか?
    ならTeslaは、なんなんでしょう?
    まぁ、Teslaの規格を採用すれば、済む話かもしれませんね…

  3. yoshi より:

    6400ボルト給電したら良いのではないでしょうか?

コメントを残す

このページの先頭へ