ホンダジェット、岡南空港で滑走路逸脱。現時点で解っていることは?

昨日、岡南飛行場(旧岡山空港)でホンダジェットが滑走路から逸脱するという”事件”が発生した。”事故”と報じるメディアもあるだろうけれど、飛行機ギョウカイは事件と事故をハッキリ区分してます。事件をインシデントと呼び、事故はアクシデントになりますね。サーキット走行でいえばコースから外れたけれどランオフエリアで止まればインシデント。当たったらアクシデントだ。

写真/岡山県

よく説明の引き合いに出される医療だと、医療ミスしたものの何事も起きなかったのがインシデント。患者にダメージを与えてしまったらアクシデントになります。ということで今回国交省は「重大インシデント」に認定している。事故ではないけれど、事故になる可能性も高いということで、調査官を3名派遣し徹底的な原因究明を行う。

どんな状況で発生したのか? ホンダからも国交省からもまだ何も発表されていないので、原因は不明です。ちなみに岡南空港は1200mの滑走路を持つ。この長さだとジェット機は就航出来ず1988年までの岡山空港時代もYS-11が定期便だった。ジェット機が就航していた最短の空港は旧石垣空港の1500mだったと記憶している。ホンダジェットの着陸距離は1067mのため問題無し。

強い横風が吹いていたのかな、と当時の風を調べてみたら、17時25分前後はほとんど横風で風速3,2m~6,5mとなっている。ホンダジェットのようなサイズであっても横風10mくらいまでなら大きな問題無し(大雑破に言って15mくらいまでは着陸可能)。逆に言えば、すでに世界中で200機近く飛んでいるが、この程度の横風で滑走路から飛び出すようなことはない。

ということで調査中です。数日中に運航停止が発表されたら機体そのものに問題あった可能性ある。そのまま何のニュースにもならなければ(世界的に話題の機体なので運航停止になれば大きなニュースです)、操縦に関するミスということになると思う。また、操縦のミスであってもクルマと違い「スピードの出し過ぎでハンドルを切り損ねた」にはならない。やがて状況は解る。

インシデントの検証は機体の安全性を向上させていくプロセスで重要。アクシデントになっていないことを考えれば、やっぱり運に恵まれたヒコウキだと思う。ちなみに今回のインシデントで人のケガ無し。機体に大きな損傷は無いと言う。写真だと足が折れているようにも見えるが、ホンダジェットってダックスフンドみたいなのでグラベルに上だとあんな感じです。

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