中国勢に負けるようなら西側の自動車メーカー全てで共通バッテリーを開発すればいい?

世界中の自動車メーカーで電池を共用化しようじゃないか、という話が出ているようだ。確かに電池をタイヤやブレーキのような部品と考えると、性能さえ良ければどこの製品を使ったっていい。電池の価格もタイヤやブレーキのように性能とリンクさせておくことで、好みのレベルを選べばOK。そして世界中の自動車メーカーが生き延びる可能性出てきます。そんなこと出来るか?

理念や主張としては素晴らしいと思う。国連みたいなものです。逆説的に考えると、国連のようにあってもなくても同じようなことになるような気がする。仮に「国際電池」と呼ぶ世界共通電池を作ったとしよう。でも開発力のある企業は、もっと高い性能の電池を作るに違いない。その技術を国際電池に提供するかとなれば、しないと思う。自社オリジナルで使った方が得だからだ。

そもそも世界水準以上の電池を作っている企業は、この枠組みに加わらないだろう。自社の技術を提供するだけでメリットない。もっといえば、国際電池より高性能で安価な電池を作って売ろうと考えるに違いない。翻って現状を見ると、日本だけでチームを作ることすら出来ない状況。アメリカや欧州だってチームになっていないです。イキナリ世界でチームを、となれるだろうか。

もっと難しそうなのが、立ち上げ時の資金や工場立地、作った電池の購入割合といった実務。完全に新しい枠組みで起業して上手くいくかとなれば、今までこれほど大きな規模の起業をゼロからスタートさせたことなどない。対立しそうな事案を考えただけで「こら大変だ!」となる。わずかながら可能性あるのは国や地域、仲良しメーカーでチームを作ることかもしれません。

ちなみに電池を持っていないメーカーはどうするんだろう? 技術あっても量産出来なければ意味なし。そういった点じゃドイツ勢なんか全て厳しい。ステランティスについちゃスケールメリットを追求出来るレベルにある。韓国勢も自国で調達可能。日本勢はトヨタしか逃げ切れそうにない。自工会あたりが調整役になり(国を入れると失敗します)「日本電池」を立ち上げる? 

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6 Responses to “中国勢に負けるようなら西側の自動車メーカー全てで共通バッテリーを開発すればいい?”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    国際電池ですか。。。
    西側が、中国バッテリーをハブる奇策なのでしょう。

    逆に言うと西側は、そこまで中国に追い込まれているということ。期待の全固体電池も厳しいのでしょう、きっと。

    だいたい西側のEVゴリ押し戦略は、身から出た錆。勝ち組を陥れる戦略ばかり組むから、倍返しされた時に対処しようがない。

    唯一の有効な対策は、「敵はカーボン」。西側がトヨタの多様化戦略を認め、実質的なカーボン削減効果で推し量ることですね。

    そこまで行かないにしても、そろそろ西側は「EVは、バッテリーの製造とリサイクル、電力発電等で多大なカーボンを発生するため、必ずしも優れた方法ではない」とか言い出すのでは?

  2. アミーゴ5号リボーン より:

    追記です。

    確か中国は、経済面では世界有数の先進国になりながら、環境面では発展途上グループに属していると記憶しています。環境面では、だいぶ優遇されているはず。

    ここでは是非とも、西側得意の屁理屈をかまして欲しい。お家芸のレギュレーション変更で、中国を環境面でも先進グループに引き摺り込めば、猪突猛進のEV開発にブレーキを掛けることができるのではと、勝手に妄想しております。

  3. natumenatuki より:

    「火事場のくそ力」と言う言葉が有りますね、切羽詰まった時には実力以上の力が出ると言う意味でしょうか?競争に勝る技術革新はありませんね。
    50年以上前に『ゼロの暁(あかつき)』と言う本を読みました。原子爆弾の開発について書かれた本です。当時は未だウランを効率的に濃縮できる技術は有りませんでした。そこで砂漠の広大な土地に初歩的なウラン濃縮装置を
    莫大な数量繋げていく事で可能にしたのです。戦時下で無ければ到底できない事でした。
    今でも読めますので、火事場に置かれた日本の技術者の方に一読をお薦めします!

  4. トヨタ車ユーザー より:

    おそらく駆動バッテリーを開発する側から出てきた発想でしょうね。身の回りにある民生用の電池は、車用鉛電池から大きな無停電電源用まで規格・互換性があります。車に使われたリチウムイオンもテスラが目を付けた18560とかありました。そのまま規格化電池を使い続けてリユース・リサイクルも考えていたらテスラの見られ方も違ったと思うのですが。
    それに、規格を作ったら、日産みたいな(リーフに)薄情な会社がいても補修用とか作りやすいでしょう(笑)
    内燃機関のエネルギーとガソリン・ディーゼルも考えてみれば規格品です。

    モーターやインバータのセッティングで各社の個性を出すことが可能になって来ていると思います。バッテリーが容量・走行距離や充電性能(我慢できる時間と距離)に不便がなくなればそういう手もあるんじゃないかと思います。ま、自宅充電ができて1回数十キロしか走らない人にとってはいまでも十分だから安くして~とか思うかもしれません。それこそ軽商用BEVなんかは。

    中国はBEV・バッテリー技術はすごいですが、EV墓場・山のような廃電池もたくさんあります。そろそろ先進国はコスト・3Rについても考えるべきところに来ていると思います。それならこれからEV時代を迎えるところにも売りやすいです(環境に良いし安いよ~とか言って)

    国が絡むとダメなのはその通りですね。
    国連も一度枠組みを変えたほうがいいと思います。常任理事国なんてのは過去の思い上がりです。新興国の意見も反映できないと。

  5. HA3W&ZE1 より:

    日産の全個体電池ですが、リンク先のように、なかなか頑張っていると思うのですが…

    株価などへの反応は弱いですね。

    https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2404/19/news086.html

  6. さとる より:

    単一、単二、単三、単四電池は世界中で使えます。車用に Form factor, 電圧、電流等基本的なスペックを何種類か標準化しておけば、バッテリー技術の進歩にも適用できるし、競争も協調もどちらでも自由度が増えるのでは!?

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