全固体電池でゲームチェンジ出来ると思っている人も多いだろうけど難しいですきっと
日本のメディアやSNSを見ていると多くの人が全固体電池を日本の得意技術だと勘違いしているようだ。確かに初期の段階では日本勢がたくさんの特許を出願するなど先行。トヨタも全固体電池を搭載した「公道を走れるLQ」まで作っている。先日は日産が全固体電池の試作生産設備を公開し、ホンダも2030年に全固体電池を使う電気自動車を出すという。
そんな中、どうやら中国と韓国が全固体電池で勝負すべく動き始めているようだ。中国のNIOは年内にも全固体電池を電気自動車に搭載し航続距離1000kmを目指す。2025年くらいから全固体電池搭載車をメインにしていくという。NIOの電気自動車は電池交換式。多少の初期不良など出てもユーザーに負担を掛けないで済むため、先行試験と割り切る。
さらに恐ろしいのは2輪用の全固体電池を間もなくリリースすること。ホンダと同じく交換式になるようだけれど、もう圧倒的に性能が違う! ホンダの交換用リチウム電池は1個で1.3kWh。充放電回数も700回程度だと思う。中国で実用化される全固体電池は同じような大きさで2kWh以上。充放電回数4000回以上だという。充電時間もホンダの5時間に対し30分以内とか。
大雑把なイメージだとホンダの電池パックが1個5万円だとすれば、700回で1回あたり70円。これで20kmくらい走れる。中国の全固体電池なら1個7万円として4000回で17円。この金額は電池の原価ベースであり、実際のビジネスを考える場合、利益を乗せないと回らない。1回のレンタルコストを50円としたらホンダで1回120円。これに電気代を加えるとガソリンより高くなってしまう。
全固体電池だとレンタルコスト50円乗せて67円。電気代を加えて100円。30km走れたらガソリンと同等だ。価格は私の予想のため、さらに安くなると考えるべきだ。こんな電池が普及したら、ベトナムなど新興国のバイクは全て中華全固体電池を搭載するようになると思う。その前にリン酸鉄リチウムが中国から入ってきたら、ホンダの交換式電池は厳しい。
押っ取り刀の日本勢が全固体電池を実用化する頃には中国や韓国の安価な全固体電池が普及しちゃってる可能性高い。なかでも怖いのは中国で、初期トラブルあろうと多少コスト高くても寿命に問題抱えていることが解っていても採用しながら改良していくと思う。「安心して使える」と判断してから市場投入するだろう日本勢と速度感からして違う。
どうやって勝負していくのか誰に聞いても納得出来る答えが返ってこないです。
<おすすめ記事>