巨額の貿易赤字

11か月連続の貿易赤字になった。5月なんか9939億円と1兆円規模に達している。普通の国なら大きな問題となるけれ
ど、日本の場合、全く気にする必要なし。長く続いた円高のおかげで、いまや日本からの完成品輸出は激減。それでも大きな利益が上がる経済構造になった。い
ろんな意味で体力を付けてます。

例えばホンダ。5月にアメリカで販売したクルマは14万13台だ。ウチ、日本から輸出しているの、何台だと思いますか? たった7886台! 95%が北米大陸で生産されたクルマである。90%以上となっている現地部品調達率も今や95%程度に達す。つまり「作ったモノを輸出して利益を上げる」という構造じゃない。


メリカでクルマを開発して生産した利益の中から、アメリカに税金を払い、その後に残った金額を日本に送っているのだった。フランチャイズビジネスのような
もの。日本でコカコーラやマクドナルドのハンバーを買うと、日本法人や日本国だけでなくアメリカも儲かる、という構図と一緒。20年前と仕組みが変わったワケ。

しかも利益は20年前よりはるかに大きい。電機業界が少し元気無くても、自動車業界だけで十分カバー出来てしまえるほどだ(電機業界だって今の旧態依然な経営陣が居なくなる5年後は大復活していると信じる)。もちろん自動車業界も課題山積ながら、基礎体力あるから何とかハンドリングしていくことだろう。


いうことで貿易赤字についちゃ何の心配もいらない。むしろ重要なのは将来に向けての戦略だ。現在5年以上前の戦略で利益を上げられている。リーマンショッ
ク後に作った戦略は今年結果が出てくる(少しばかりショッパいので心配です)。今日「攻め!」の戦略を練っていれば4年後も元気で居られるだろう。

「社長に訊く」はメルセデス・ベンツ日本の巻

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