撤退覚悟でクロスーオーバーを選んだクラウンながら、むしろ市場拡大の流れになってきた?

クラウンといえば、伝統的にほぼ日本専用モデルとして展開されてきました。実は昭和の時代に何度か北米をはじめとする海外展開もおこないましたが、全て惨敗でした。考えてみれば、クラウンのゴージャスなデザインはもともとアメリカ車をオマージュしたものです。当時の日本にとって「アメリカ車=高級車」のイメージでした。

それをそのままアメリカに持っていけば、文字通り「小さいアメリカ車」になってしまいます。それでいて車両価格は高いので、誰も魅力を感じない……という寸法です。しかしこの9月、北米で開催されたデトロイトショーに新型クラウン(「クラウン クロスオーバー」)を出展したところ、トヨタでは相当な手応えを感じたようです。<続きを読む>

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2 Responses to “撤退覚悟でクロスーオーバーを選んだクラウンながら、むしろ市場拡大の流れになってきた?”

  1. CX-60 より:

    中身から見ても、レクサスRXと同等の物を持っているクラウンシリーズ。でもこれがちょっとレクサスシリーズの一部の立場を危うくするんじゃないかなという気がします。
    RXとカムリを足して文字通りクロスオーバーにしたのがクラウン。その上にいるはずの、IS、ESあたりは普通のセダンという事もあって、割高な印象を受けます。IS500はちょっと特別ですけど。
    実はトヨタ自身がレクサス像を考え出せて無いんじゃないかという心配があります。
    高級車を欲しがる人は保守的ではありますが、メルセデス、BMWもクロスオーバーBEVを出しているので、それに負けないパワートレインと質感のあるレクサスを次に出さないと、欧州プレミアムに太刀打ちできない気がします。レクサスのBEV、RZは実は背水の陣なのかも。しかし、ベースのbz4xでタイヤが外れちゃうなんて。(同じハブボルトの)クラウンシリーズ人気ですねと素直に喜んでいいのか、引き締めなければならないのか。

  2. 納豆 より:

    鋭い記事ですね。国沢さんの目の付け所はとても優れていて参考になります。
    プレミアム度で言えば、キャディラックに対するビュイックの立ち位置かもしれませんね。
    トヨタのブランド戦略を練る担当者やチームであれば、GMのディヴィジョン戦略についても当然理解しているはずですし、VWグループの戦略も研究しているでしょうし、トヨタの生産規模を考えると、そろそろブランド編成を再構築するのは至極当然のことかもしれません。
    しかもクラウンの既定路線だった保守路線から袂を分かち、結構攻めているところが章男社長率いるトヨタの強さを感じます。
    そして今回のクラウンは、トヨタ社内にも良い影響を与えるのではないでしょうか。つまり開発組織や営業組織が、時代を創造するにはここまで変化させる必要があることを肌感覚で理解するための素晴らしいサンプルになるでしょう。
    EVなどの次世代ビークルはさらに未来を見つめた開発が必要になりますが、ヒエラルキーでがんじがらめになった旧態依然とした思考を刷新し、新陳代謝していかなければいけないことを、社員全員がそれぞれの立場で感じるのではないでしょうか。
    長らく低迷するレクサスは、もっともっと良いものに磨きあげていくことが急務になりますね。レクサスには日本のプレミアムブランドとして非常に期待していますが、このままでは万年二軍の選手のような印象です。
    初代LSでは徹底的にエンジニアリングを追及して世界が驚く車を作り上げましたが、市場では既にその威光は失われてきていると思います。
    この先必要とされる要素を初代LSを越える本気度で追及してレクサス独自の圧倒的価値を示すことで「ベンツは故障が多いからレクサスに変えたけど、案外いいね」といった消極的理由からの購買行動ではなく、「もはや時代はレクサスだね、もうベンツはないね」と言われるようにように進化して欲しいですね。

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