大人の知性

取材で熱海に降りる道を走りながら、TV朝日のレポーターが「凄いカーブです」とか「長い下り坂が続きます」とか言うのを聞きつつ道路を見てると、なるほど厳しい条件だと思う。ニンゲン不思議なもので、いろんな立場で物事を考えられる。しかし。突如「クルマ好きはこういう急カーブや急坂を見てどう思うのでしょうか?」ときた。

思わず「オフィシャルが道路を閉鎖してたらヒャッホ〜と思いながら横向けてコーナーに飛び込んで全開です!」と言いそうになってしまった。格闘技の選手がヤンキーにインネン付けられるのと同じか? 一般的にはタイトな状況も、人によって全く違う、ということです。100歩譲って、ムカシは「悪条件時の対応」を習った。

クルマ好きが多かった時代は、自然に多くの人からアドバイスを受けられた、ということ。少なくとも4トントラックに乗るなら、排気ブレーキの使い方くらい教えてもらっていたと思う。クルマに関心の無い人たちの増加で、今まで避けていた「危険な状況」も分からなくなってきた。常人はヤンキーにインネン付けちゃアカンぞな。

シンガポールで発生したフェラーリ599の事故が話題になっている。おそらく150km/h前後と思われる速度で赤信号の交差点に入り、日本人女性が乗っていたタクシーの側面に衝突する、という悲惨な事故である。車載カメラのドライバーは「ラッキー」と言っているけれど、事故なんてそんなものだと思う。

シンガポールの事故画像(ユーチューブ)

どんな人でも運転中に(自転車を含む)アブないと思った経験を持っていることだろう。何か起きたらそいつを反省材料とし、同じ危険は冒さないようにするというのが人間の知性だ。動物だって同じミスはしない。同じことを繰り返すの、バカという。原発の再稼動問題を見てると、お金に目がくらんだ人のオロカさを感じます。

もちろん下りのタイトターンのように、危険に見えても対応できることだってある。羹に懲りて膾を吹けとは言わない。でも本当に危ないかどうの判断を出来るのが大人というものだ。福島原発の4号炉プールは危険な状態だと思う。「電気が足りない」の脅しに乗っている人たちは、子供戻りお化け屋敷くらいから学習すべきだ。

お化け屋敷のお化けは怖いけれどホンモノじゃないです。

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7 Responses to “大人の知性”

  1. カブじじい より:

    数十年前、知らずに入ったことがあり、今回は昼食に狙って入りました。上重をいただき、美味しさに感激でした。
    ひさびさに自分に奢ったのです。やはり日本人にとってウナギは特別な逸品です。

  2. かなやま より:

    >本当に危ないかどうの判断を出来るのが大人
    多くの人が、正しいor間違い、安全or危ない、等の選択において絶対的な指標を持ち得てない気がします。
    例えば宝くじだと、
    期待値=当たる確率×当選金-外れる確率×コスト(宝くじの値段)
    期待利回り=当たる確率×当選利回り-外れる確率×落選利回り
    期待値が+、あるいは期待利回りが100%以上であるのが、合理的な投資です。
    原発の場合には、
    期待利回り=事故の起きない確立×利回り-事故が起きる確率×(廃炉や除染や損倍賠償等の損害コスト/投資額)
    です。リスクとは、-以降の負の利回りを指します。リスキーかどうかは、こういった指標の上に成り立つべきです。
    つまり事故ったときのコストを勘案しても十分に利回りが100%以上あれば合理的な投資だし、そうでなければ、その投資は損する投資だと言えます。
    もちろん、あらゆる傷みを金銭価値に置き換えできるのか?というエモーショナルなご意見もあるでしょうが、最終的に失った健康も、心の痛みも慰謝料に置き換えるしかできません。
    よいか悪いか、好きか嫌いか、正しいか間違いか、そういう議論に意味はありません。正確でフェアな期待利回りを合理的に判断するべきです。
    やや、話は変わりますが、若い人の交通事故が多いのは若者がスピードを出し過ぎるからではなく、若者がリスクを過小評価しがちな特性によるものだと個人的には考えています。

  3. km より:

    昔「エンジンブレーキは何処に付いているんですか?」なんて小話がありましたが、今ではエンジンブレーキという言葉が死語になってしまったかのようです。
    運転の話題が消えてゆくと言う事は、運転の常識も消えてゆくと言う事でしょうか。

  4. applefanjp より:

    ドラッカーが流行ったように
    大量のリストラ、若い世代の人口減少にあるように
    偏った人口構成もあって、
    今、多くの職場でOJTの機能が低下しています。
    このような事故も
    人件費の抑制、人減らし、OJT機能不全などが
    関係しているのではないでしょうか。
    日本全体に言えることですね。

  5. かず より:

    タクシー乗車中の日本人女性も、お亡くなりになったようです…。加害車両のフェラーリの運転手の中国人とタクシー運転手も、亡くなったそうです。
    プリクラの普及は、相当数の命を救うかと思います。
    シンガポールの事故なんかでも、少なくとも衝突軽減ブレーキ作動で、衝突速度を低く出来たかもしれません。

  6. 真鍋清 より:

    急カーブと見て小生が今朝行って先ほど帰ってきた、長野県安曇野市に至る道程の長野道・上信越道の様子がアップで映し出されました!
    我が2004年式ヴィッツ1300U-L、つづら折りでは過度のロールを発生するサスペンションに悩まされるも、終始金属性のエンジン音を轟かせながら粘っこくも頼もしい加速を提供してくれました。
    復路では往路よりも加速Gがメリハリに富んだものになり、トンネル内で80mphのつもりで加速していたら強力なGのうちに出口付近で93mph!!に達していて度肝を冷やされたほどです―その一方で下り勾配ではCVTのBレインジに入れてエンジンブレーキを効かせながら走らせ、ブレーキ本体のフェードは抑えられた格好です。
    ともあれ我が愛車は10万kmに達したのを境に上記のような出足を示すほどにエンジンは当たりが付き、トヨタ2SZ-FE型1296ccロングストローク4気筒ユニットは第二の伸びざかりに入った様相です。
    果たせるかな我がヴィッツ、100204kmに達して予定より二ヶ月早く10万km突破の目標が達せられました。
    そんな、ボルボS40 2.0やメルセデス・ベンツ新型B180(1600ccターボ)に匹敵する動力性能を持った2004年式ヴィッツは小生にとってメカニカルな鼓動と走らせる実感を味わわせてくれる絶好の「カッ飛びマシン」である反面、逆にそんな年代物ヴィッツを駆って追い越し車線をEクラスや5シリーズを追って走り抜けていく男(そう、小生)を見て周囲のドライバーは「大人の知性と程遠い姿」「キチガイ」と感じているのかも知れません、ひょっとして(苦笑)。

  7. Rotarycoupe より:

    昔は子供に「危ないから〜に気をつけていきなさい」と注意しましたが、いつの間にか「危ないからやめなさい」が常識になってしまいましたね。
    また誰から見てもその方面に不向きな子供に、「あなたは向いていないからやめなさい、時間の無駄だから他のことをやったほうがよい」と勇気をもって言える大人もいなくなってしまいました。
    大人が子供に対して無責任で、責任を取りたがらないから上記のようなことになります。その結果、起こりうることを予想できない経験不足な若者が増えているのだとしたら、この問題は根深いです。
    追伸
    慎重かつ経験不足な人からは、玄人の妙技が蛮勇に見えてしまうのも確かですね(笑)

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