まるで旧日本軍

リーフの販売戦略を見ると、第2次世界大戦で負け続けた日本軍のようである。米軍は初期の判断ミスを徹底的に見直した。一方、日本軍に反省一切無し。間違えを認めない。日産の国内販売部門、全く同じでございます。加えて原発が稼働していない今、電気自動車の立ち位置も変えるべきである。

「ゼロエミッション」は、自宅に太陽光発電を入れている人以外、大ウソ。火力発電所で作った電力でリーフを1km走らせた時に出す二酸化炭素は、プリウスを1km走らせた時に走らせた時に排出する量より多い。私など太陽光発電を入れるまで「ゼロエミッション」のエンブレムを外そうとしたほど(簡単に取れなかった)。

実際、プリウスPHV以上にリーフの売れ行きが厳しい。3月の販売台数およそ700台。TVCFもバンバン流しているのに効果無し。なぜ売れないのだろう。プリウスPHVの場合、ECOカーアジアで紹介した通り原因は簡単だ。でもリーフを見ると知的な顧客層に対し十分説得できる内容を持っていると考えます。

そもそもリーフは高くない。燃料コストまで考えればプリウスより安いほど。このあたり、志賀COOにインタビューした際に聞いてみたら「価格は大きな訴求点
だと思っています」。航続距離だって普通の使い方であれば実用域に達している。加えてガソリン価格の高騰など、強い追い風だってガンガン吹いてきた。

ここにきて売れない理由が何となく解ってきた感じ。例えば、である。私の家の近所のディーラーに急速充電器が出来た。早速充電しに行くと、あらまカギ掛かってます。営業中のディーラーの店頭にある充電器だし、電気自動車の充電以外に使えない。営業開始時にカギを開け、帰るときに閉めればいい。

そもそも急速充電器なんか自由に使えるようにすべきだ。首都高の急速充電器は自由に使えるし、熊本県の日産ディーラーって24時間使え定休日も無し。この
件、日産の電気自動車担当に聞いてみたら「私もそう思います」。もっと言えば、日産の電気自動車担当は真剣に取り組んでいる。

「早速国内営業に言っておきます」ということだったが、その後ディーラーに行ってみたら依然としていちいちカギ掛けてます。どうやら「一事が万事」らしい。国内販売部門は電気自動車担当の意見を聞いていないようなのだ。先日行われたリーフのミーティングでも多くのユーザーがディーラーに不満を持っていた。

国内販売部門の動きを見ると「お金さえあれば何でも出来る」と考えている感じ。原発ムラの感性に近い? 宣伝見ると「偽善」のニオイしかせず。利口な人からすればニガニガしい。電気自動車の「新しさ」や「楽しさ」、「素晴らしさ」、もっとカッコよく言えば「幽玄」さすらあるのに伝える意志無し。そもそも電気自動車が好きじゃない感じ。

こういったことを書くと旧日本軍的な日産の国内販売部門はドンドン怒る。書かない方が得です。でも電気自動車は次世代の重要な技術だと思う。ここで頑張らないと普及しない。ゴーンさんだって志賀COOだってリーフを売りたいことだろう。抵抗してる勢力は社内にいるのだ。うるさいこと言う外野のジジイも必要です。

・ECOカーアジアは「プリウスPHVは環境メリットゼロ

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9 Responses to “まるで旧日本軍”

  1. さね より:

    先生のゆわれるとうり売る気がないんでしょう、多分。ディーラーやメーカーだけの問題でなく、やはり日本人の多くが電気自動車は素晴らしいと思ってても、実際に購入となると…二の足を踏むんですきっと。自分みたいにマンション住まいはまず基本的な家で充電が無理ですし、おっしゃるとうり太陽光などの充電でなければゼロエミッションでもゆわれているほどecoでもないのが一般にもわかってきたし。 先進的な考えを持つ新しい物好きな人の車としか今は思えません。エイプリルフールの時は流石にいよいよなのか!ともおもいましたが… CXー5のディーゼルが注目されてるように、まだまだ高効率な内燃機関車かハイブリッドか主流なんでしょう。しかし本当に電気自動車を普及させたかったら、まずは値段と後続距離、インフラを民間だけでなく一般の人も選びやすくなるぐらい充実させて尚且つ、国の原発なりエネルギー政策をどうするかしっかりしてくれないと、電気自動車はセカンドカーを買える人やリッチな人の趣味的な乗り物かなぁ個人的には、残念ですけど。

  2. 白木 晴幸 より:

    ゴーンさんが来る前の日産は、まるで派閥争いの修羅場みたいな会社だった様な気が…。
    それが赤字経営で少しおとなしかったのが、最近営業利益が少し上がって派閥争いが復活した? ともあれ日産社内の足並みが揃っていない雰囲気ですね。
    それはともかく、電気自動車は〝将来性のある乗り物〟には違い有りません。ただ、今は技術的に日産が先行しているだけで日産を脅かす存在が現れれば日産社内も今のような事は出来なくなると思いますので、早く日産を脅かす存在が現れて欲しいモノです。
    PS:プリウスPHVの件ですが、もしかするとトヨタはハイブリッドのフルラインナップを考えているのではないでしょうか?
    そのフラッグシップにプリウスPHVを位置づける。だから不要に価格の変更はしない…という推理は無理があるでしょうか?

  3. 小林 英弘 より:

    旧日本軍ですか…確かに太平洋戦争での日米各軍の「思考回路」は全く異なっていました。日本軍はとにかく精神論! しかし米軍は冷徹な程クレバーでした。日本軍の神風特攻攻撃に当初は「???!」と大損害を被りパニック状態でしたが、間髪を得ず日本軍の「特攻攻撃」を徹底的に分析研究して、即座に新型の「対特攻機用炸裂弾」を開発して実戦配備した結果、その後の日本軍の特攻攻撃機はことごとく撃墜され米軍艦艇はほぼ無傷だったとか…。哀しい事に、こと「間違いを認めない」悪い精神だけは受け継がれている様ですね…。
    『敵を知り、己を知れば、百戦危うべからず』 …有名な宮本武蔵の言葉ですね…。

  4. 黒リーフ より:

    実際にリーフを購入してみて9ヶ月、車の仕上がり具合から日産が本気で電気自動車を普及させたいと思っていることは感じます。
    でもそれはメーカーの日産自動車だけで、販社は売りにくい、扱いにくいお荷物ぐらいにしか思っていないことはすぐ判りました。出先で立ち往生という残念なトラブルも経験しましたけれど原因は探ってもらえず、あげくにうるさいユーザーのレッテルを貼られてしまったようで、私の事は腫れ物扱いされる始末。
    リーフのユーザーが切望している急速充電器の稼働時間の問題も、セキュリティー等の問題でたぶんメーカーと販社の間で調整が取れないだろうと思われます。
    メーカーの日産自動車は只今絶好調のようですが、それは海外での話し。国内だけでみたらゴーンさんを納得させるだけの実績は残せていないハズです。
    国内の各地の販社がもっと危機感を持ってくれたら良いのですが。そのうちメーカーの日産自動車が日本の会社でなくなる日が来るカモ・・・・・・。

  5. COLT より:

    ジャパネットたかたがアイミーブを一回の放送で60台売ったそうです。
    ゴーンさんも国内営業に頼らないで高田明さんに頼ってみればいいのに・・・・・。

  6. CVCC より:

    私的には、ガソリン、ハイブリットときたらば、次は燃料電池(コストの面等はこれからですが)だと思います。
    電気自動車は、航続距離、電池容量、充電の問題がありすぎて、現在の自動車の代わりとはなり得ません。
    電池容量を増やせば重くなり、大きくなり、充電時間も長くなる。
    電気自動車は、近距離買い物、シティコミューター用としてのアイミーブや、配達用のミニキャブミーブのような用途にしか存在意義が見いだせません。
    日産は、中途半端な大きさでリーフを出しましたが、企画力もなく、先を見誤った気がします。
    日産は、電気自動車を社会に導入したときの未来像が描けてないまま、我先に!とただ単に出しただけとしか思えません。

  7. ねこまんま より:

    >まるで旧日本軍
    うまいたとえですね。
    いつも言ってることだけど、結局トップが一番大事です、トップが精神論言ってる会社は終わってます。
    日産はトヨタと違って直営店が多いんだからそれこそゴーン会長からトップダウンでうまくいかないのですかね?
    正直電気自動車は充電の問題さえ解決すれば実用するにぜんぜん問題無いでしょう、航続距離も充電場所が増えれば今のままでも良いと思います。
    価格も補助金使って¥250万ぐらいになればさらに良いですけどね。
    >ゼロエミッション
    火力発電で発電した電気で走らせているならこの言葉は大嘘です。
    現状では太陽光発電でしかこの言葉は現実的じゃないです。
    よくハイブリッドや電気自動車はバッテリー大量に使ってるからエコじゃないって言ってる輩がいますが、
    そんな事言ってたら車なんか乗れません。
    古い車を乗り続けるのがエコって言ってる人もいますが、
    古い車は汚い排ガス撒き散らしてるのが解ってるんですかね?
    東京が昔に比べて多少でも空気が綺麗になったのも古い車が減って排ガスが綺麗になったためでしょう。
    その気になれば日本の自動車メーカーはどこでも電気自動車はすぐに造れるでしょう。
    インフラが整うのを待ってる状態だと思います。
    トヨタは近い将来フルラインハイブリッドを目指してると思う。
    ハイブリッドから電気自動車へ移行するのは簡単ですから。
    ちょっと脱線しますが旧日本軍の一番の失敗は真珠湾奇襲だったと思ってます。
    戦艦対戦艦を想定して軍備を行なっていたにもかかわらず、
    米軍の主力戦艦を最初に真珠湾奇襲で排除したため米軍は航空戦力主体に成らざるを得なかった。
    で、日本が必死になって建造してきた戦艦は無用の長物に。
    対航空兵装に力を入れて輸送艦の護衛で使うとかすればまだましだったけど旧日本軍にはそんな考え一切無かった。
    結局大和や武蔵は何の役にも立たなかった。

  8. 真鍋清 より:

    ♪ひゃくぱーせんとでんきじどうしゃ〜ひゃくぱーせんとでんきじどうしゃ〜日産リーフ♪〜
    そんなCMソングが耳に条件反射して仕方ない昨今の小生だ。
    このコマソン、失語症の一歩手前のような空回りの旋律が感じられ、そこいらは電気自動車普及を巡って開発技術部門/販売部門間で噛み合わずに手をこまねいている日産そのものの姿が伺えるのだ。
    リーフのボテッとしたカバのようなスタイルも当初愛嬌があって良いかなと思ったこともあるが、日産内部の泥仕合に愛想を尽かしているいちモーターファンにとっては「暑苦しくて鈍重、アクビの一つも出る」印象さえ免れないのだ、正直言って。
    ホンダとは異なった意味で日産の国内戦略が見えてこないのだ―リーフはリーフで環境保護のシンボル車(=イメージリーダー)として地道に研究と開発を進める一方で、実際の量販車として1.6リッターガソリンターボをジュークだけにとどまらず次期ティーダ、ブルーバードシルフィからマーチのIMPULターボと順次展開し、マーチの1200ccスーパーチャージャーと併せて「ハイブリッドだけが全てではない」とガソリン車の大きな可能性を知らしめるだけの気概が必要ではないだろうか。
    復活シーマにしても3500cc/V6搭載のフーガハイブリッドのLWBではないか―輸出用インフィニティM56用ユニットをベースに5.0リッターV8ハイブリッドを開発して、レクサスLS600hからBMWアクティブハイブリッド7に至る強豪を撃破するチャレンジ精神を見せろと言いたい!

  9. 那須与一 より:

    リーフいいクルマです!が、200㎞内航続車では、やっぱりインフラが整ってないような気がします。
    >そもそも急速充電器なんか自由に使えるようにすべきだ。
    うちの近所も「一言断ってから」です。だと気軽に入れらないし、閉店していると使えない。県も有料化、ディーラーでも100%入れてくれない噂があると、デメリットが大きく感じる昨今です。東電とタッグを組むべきでした。EV用電気は値下げとか。
    そういや、どの日産営業もリーフ導入前に「充電器はメーカーから買わされる」って言ってました。これが事実ならメーカーもタダで設置すべきなのが、日産も販社からカネ儲けを考えたのは失策では?(笑)
    だから気軽に充電させてくれないとか?

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