ボルトはプリウスの対抗馬だった

GMにとって希望の星である『シボレー・ボルト』は想像していたより手強い存在になるかもしれない。10月11日に公表された情報を分析すると、こらもうプリウスとガチンコという感じ。何と! 電気自動車の走行距離を伸ばすため発電機を積んだレンジエクステンダーじゃなく、
ハイブリッド車だったワケ。いやいや驚いた。

おそらくトヨタが持っているパテントをクリアするためと、カリフォルニア州で定めている
ZEV規制のカウントを稼ぐべく「電気自動車」という姿で発表したんだと思う。最初から「ハイブリッドです」と言ってしまえば、トヨタから訴えらること必至。機能的には非常に近いからだ。電池の搭載量を減らせば、トヨタ式と非常に近い。

シボレー・ボルトのWebサイト

ボルトの情報は米国在住の『G35X』さんという読者の方から頂いたのだけれど、すでにアメリカじゃ盛り上がっている模様。「トヨタ方式より効率が良い」と評価しているアメリカ側のジャーナリストも少なくないようだ。実際、特許の内容から走行モードを見ると、まんまトヨタの2モーターハイブリッドと言って良い。

すなわち1)モーターだけで走り出せる。2)エンジンだけで巡航出来る。3)エンジンで充電出来る。4)エンジン+モーターで走れる。5)ダイレクトな回生制動が可能。といった具合。ホンダ方式のハイブリッドより圧倒的に効率よく、日産式ハイブリッドのようなクラッチ断続によるシフトショックが出る心配も無
し。

ボルトの特許

理系の方なら上のリンクで特許をチェックしたらよ〜く解ります。このシステム、ニッケル水素バッテリーだと出力の点で成立しないけれど、リチウム電池なら全
く問題なし。とりあえずレンジエクステンダーで発売し、電池の信頼性が確認出来たら搭載量を減らしてネダンを下げてくると言う作戦だと思う。

10月11日に公表されたボルトの詳細、13日時点でトヨタやホンダの上層部は知らなかった。おそらく「GMなんかタイしたことない」と踏んでるんだと思う。
このクルマ、アメリカだけでなく、中国などでも販売される可能性大。脅威になるかもしれない。もちろんトラブル続出によってコケる可能性も十分ある。

参考までに書いておくと、やっぱり電池の信頼性や耐久性を確保するのは非常に難しいようだ。充放電回数の多さをセールスポイントにしている日本の某電池ながら、採用を検討しているメーカーがテストしてみたら非常に厳しかったという。このままだと使えない、という事態になっているらしい。LGケムのお手並み拝見です。

追記・読者の方に上のリンクは特許でなく「公開公報」だとコメントいただきました。3回拒否され、先月に受理されたとのこと。

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