ル・マン24時間。トヨタにとって今までの5年間は自己研鑽。今回ホンモノのコンペティンションです!

モータースポーツに参加する場合、2つのアプローチがある。「競争」と「自己研鑽」だ。どちらも大きな意義を持つけれど、華があるのは前者だ。後者についていえば本当の意味での「コンペティション」(ローマ教皇を決めるコンクラーヴェが語源といわれる)じゃない。直近の5年間、客観的に見たル・マンに於けるトヨタの戦いは自己研鑽だった。ガチで争うライバル居ませんでしたから。

だからこそ海外ではほとんど評価されてこなかった。いろんな人に話を聞くと「勝って当然」とか「ポルシェいないからね」等々。長いことル・マンの中継を見て来たけれど、驚くべきことにTOPカテゴリーがトヨタだけになってからTVも1位を追わなくなっていた。5連覇だと騒いでいるの、トヨタ宣伝と一部のメディアだけ。トヨタ本体は自己研鑽だと考え参戦してきたと聞く。

繰り返すけれど自己研鑽だって大いなる意義を持つ。なんたって私のモータースポーツは全て自己研鑽だ。こいつを否定したら自分の苦労を否定するようなもんです(笑)。もちろんコンペティションとしての「意義」がないことは100%認識してますよ。長い前置きになったけれど、ポルシェやフェラーリなどル・マンの歴史を紡いできたライバルが出てくる今年は華のあるコンペティションになる!

週末に開催されるル・マンは久々にTV中継もTOP争いを追いかけてくれることだろう。となるとトヨタとしちゃなんてしても勝ちたい! というか勝たなければ「ライバルいなかったからね!」で5年間の対外的な評価は無くなる。勝てば「5年間の努力が実りましたね!」で高い評価を受ける。実際、5年間で得た知見は大きい。そしてライバルにブランクある。

ということを主催者側は考えたんだろう。直前になってWECルールになかったル・マンだけのBoP(ハンデ)を加えてきた。それによればトヨタが一番厳しい。ポルシェより34kg。キャデラックより26kg。フェラーリより13kg重いというもの。フェラーリとの13kgについていえばドライバーの体重差くらいながら、ポルシェとの差は体重84kgの私と50kgのドライバーと同じくらい違う。

そもそも主催者が恣意的に決められるBOPがあるジャンルであるのだから、ピュアな競技ではない。マラソン速いからと5kg背負わせたり、サッカーを10人対11人でやるようなもの。といった意味ではル・マンも最上位クラスくらいBOP無しでやらせたらいいのに。直前のBOP変更で怒る人も居るけれど、こらもう逆らったって仕方ないこと。イヤなら止めればいいだけ。

ただ6年間のノウハウを考えたら克服出来るBOPだと考えます。なんたって24時間レースは耐久性! スプリントの速さなどあまり関係無いですから。ライバルチームの車両は経験値を持っていない。「最後まで全開で走れる可能性」という点で厳しい自己研鑽を積んできたトヨタに分がある。今年のル・マンで優勝したらトヨタに最大限の賛辞を送りたいと思う。頑張れ!

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