ENEOS、燃料電池車の普及に急ブレーキを踏む! 現在の1650円の水素価格を2200円に値上げ!

トヨタやホンダが一生懸命燃料電池車を作りカーボンニュートラルのマルチパスウェイを実現させようとしている中、ENEOSは4月1日から再度の水素料金値上げを行う。ちなみに水素の価格、製造原価は高い。水素ステーションの投資も必要。とうてい実用的な価格にならない。普及を図るため同じクラスのハイブリッド車と同じ程度の燃料コストにしようということで決められた。

初代MIRAIの時代、クラウンのハイブリッドの燃費は15km/Lくらいだった。100km走るためのガソリン代はリッター130円として850円。MIRAIは100km走るのに0.9kg程度の水素を使うと言うことから「1kgあたり1000円でいいでしょう」みたいになった(当時の説明です)。これに消費税が乗って1210円だ。今でもイワタニのスタンドはこの価格で頑張っている。

いずれにしろ燃料電池の普及を図るのなら同じ車格のハイブリッド車と同等の燃料コストにしよう、というのは至極まっとうな価格の決め方だと思う。しかし! 2023年1月から突如ENEOSは1650円に値上げ! MIRAIの水素消費量、100km走って0.9kgくらい。1650円だと1485円。リッター160円のガソリンだと100kmあたり1070円なので、圧倒的に燃料電池は高い。

2200円になったらどうか? もはやリッター8kmくらいしか走らない極悪燃費車と同じエネルギーコストになってしまう。こうなると燃料電池車を買うのは罰則のようなもの。本来ならカーボンニュートラルのため育てていかなければならない技術なのにENEOSは急ブレーキを踏んだ。水素を細々と売るより、水素の将来を絶ち、ガソリンを売りたいということなんだと思う。

その昔、GMがLAで鉄道を潰してクルマ社会を作ろうとしたのと全く同じ図式である。ホンダもCR-Vの燃料電池PHEVを出すものの、最初からENEOSにぶった切られた格好。ENEOS、国とのパイプも太いだろうから、国が認めていると言うことだと考えていい。つまり国も水素は次世代のクリーンエネルギーとして育てようという気が無いということになります。残念でならない。

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4 Responses to “ENEOS、燃料電池車の普及に急ブレーキを踏む! 現在の1650円の水素価格を2200円に値上げ!”

  1. ナンケイ より:

    そんなにENEOSはやる気がないならさっさと撤退すればいいのに。
    国も今だけ俺だけ利権だけ。そんな人しか選挙に当選しないので期待もできないですよね。

    とはいえ水素の芽を今摘み取ってしまうのはあまりにも勿体ない。でも他業種や国には期待できないので、自動車連合会(?)と大手の商社が組んで何かできないんだろうか?とは思ったりします。

  2. マツモト より:

    >その昔、GMがLAで鉄道を潰してクルマ社会を作ろうとした
    General Motors streetcar conspiracyの陰謀論ですね。あの陰謀には車を普及させたいと言う思惑があったようですが、水素潰しはガソリン車を普及させたいのでしょうかね?
    まさかの中国の電気自動車普及ですかね?

  3. トヨタ車ユーザー より:

    イワタニは従来通りの価格ですから、ENEOSは安く水素を作るノウハウを持っていないのでは?どこからかの横流し品とか。最近の水素にかかわる企業としては川崎重工をよく見かけますね。こちらが本命な気がします。

  4. tonpochi より:

    >>シェルは米国カリフォルニア州に、乗用車向け水素ステーション7拠点を擁している。これら7拠点をすべて閉鎖する。閉鎖される期間は「永久」としており、再開される可能性はないと見られる。
    水素ステーション閉鎖の理由について、シェルは、「水素供給の複雑化や、その他の外部市場の要因」と説明している。<<
    らしいです。
    水素ステーション維持のコスト高と燃料電池車の車輛数の少なさが経営を圧迫しているのではないでしょうか。日本も同じだと思います。ENEOSはEV用急速充電器の設置に力を入れているように思えます。

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