表彰台で君が代を聞く(12月7日)

今回はエンジンのパワー不足に悩まされた一方、足回り&シャシ系が素晴らしい仕上がりだった。1日目に30秒のリードを得たものの、2日目はさらにエンジンパワーが必要なコース。巨大な農園の中に作ったSSのため、コーナー=本来なら交差点なのだった。よって基本的に全て2速で曲がる直角コーナー。そこからの立ち上がり勝負です。

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          写真/タイラリー

0~400m加速で1秒遅ければ、コーナー50個で50秒遅くなっちゃう、ということ。長いSSは26kmもあるため、それこそコーナー50個どころじゃない。100mあたり1個としてざっと260! だから今日はジリ貧と予想したのだった。対策は一つ。ライバルより速い速度でコーナリングし、立ち上がり速度を上げるのみ。

とにかく徹底的にブレーキングを後らせつつ、しかもコーナー入口でしっかりフロントに加重して姿勢をキッチリ作る。そして左足ブレーキでクリッピング手前から丁寧にトラクション掛けて行くのみ! するとどうよ! 本日1本目の16kmのSSで現在タイ国でNo1の若手(GTレースにも出てる)に遅れることわずか2秒!

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長いSSでヘッドライトとミラーをやっつける

続く26kmのSSでも8秒しか遅れていない。あらら? ガッツリ行かれると思ってたのに。3本目の16kmも1秒遅れ。何と5分の3を終え、11秒しか差を詰められなかった。残るSSは26kmと16kmの逆走が2本。2位とのギャップ30秒。う~ん! もしかしたら逃げ切れちゃう? されどまだ勝つことなど考えていない。

30秒差なんてミス一つでオシマイですから。ペースダウンせず最後の2本も丁寧かつ思い切り攻める。なんてったってGDBインプレッサの卒業ラリー。このクルマの良さ、というより楽しさを徹底的に味わうことにします。幸い、今回作ってくれたKYBベースのネオチューンは、今まで乗ったどのサスペンションよりコントローラブル。

ウソ偽り誇張無く、150万円級のサスペンションに匹敵する。なんてったって26kmのギャップだらけのコースで熱だれしないのだ! 前後の荷重移動も意のまま。おかげ今回でタイヤは激しい仕事をさせられることになった。下の写真は2010年のラリーで使い8分山だった中古のヨコハマA053。ムダにせず使い切りました。

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BRIG製のブレーキパッドもコントローラブルで良かった! コーナーの進入でブレーキがモノをイイますから。エンジンは4000~5500回転という狭い回転域ならトルク出てる。エンジンの回り方も気持ちいいす! おそらく小沢ガレージ謹製のエンジン本体は良い仕上がりなんだと思う。かくなる上は全開全開また全開で攻めるのみ!

終わってみたらタイの若手はエンジンがヒート気味になり最後の2本は合わせて21秒遅れ。グリーンさんにも負け無し。2日目も2位に15秒差をつけて1位でありました。例によって表彰式まで信じられず。真ん中に立ち、国際競技なので君が代が流れる中、日の丸上がります! 厳しい戦いだったこともあり、あやうく泣くところでした。

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徳大寺師匠とのクルマ談義の中、何度も海外の競技で君が代&日の丸を見た時の嬉しさの話になった。その度に「国沢、クルマ好きとしちゃ自分が表彰台に乗って聞けたら最高だよな~」。師匠も背中を押してくれたのかな、と思いながらシミジミ聞く。そらもう君が代、格別です! 日の丸は後ろなので見えなかったけど。

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最初から思い切り攻めていた上、2日目は私もコ・ドラの木原さんも、2本目の長いSSの20km過ぎから暑さのため集中力が大幅に落ち(クールスーツも追いつかなくなるくらい暑かったす)、何度もコースオフしそうになったほど。こんな競技やると、少しだけトップドライバーに気持ちが理解出来ます。

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お疲れさん!

今回のダメージはブッシュに半分出た時にやっつけた右のヘッドライト(割れた)と右ドアミラー、ホイール2本のみ。クルマに積める分の部品しか持ってきて無かったものの、両方在庫あり。これで明日は自走で港まで運べることになりました。いやいや2008年のWRCジャパンから鷹の目GDBは良い相棒でした。ありがとう!

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