スズキ迷走

スズキはVWとの提携解消の仲裁手続きをロンドンの国際仲裁裁判所で始めたという。インドでのトラブルをこの方法によって解決した、というのが希望なのだろ
うけれど、「スズキvsインド企業の軽微なトラブル」(しかもスズキに明らかな正義があった)と、今回のモメ毎は相手の強さも規模も全く違う。

VWが抵抗すれば下を見て2年掛かり、しかもスズキ有利になる可能性はヨーロッパの自動車業界によれば「いいとこ5%」。加えてこの間、スズキの動きが大幅に制限されてしまう。ディーゼルエンジンやハイブリッドを他社から買うことも難しい。そもそもVW以外と提携しようとしても受けるメーカーなどないです。

四面楚歌というヤツ。加えてスズキの株価はVWが購入した時より大幅に下落している。現在の相場でVWが売ったら大損。これまたできっこない相談だ。VWと
しちゃ「世代交代したら考える」。日本のメディアは鈴木会長を指していると判断しているようだけれど、そうじゃありません。違う人です。

正面から戦おうとしている限り、解決は遠い。スズキにはそんな時間的な猶予などないかと。すでに決定していると報じられているフィアットのディーゼルだって
「契約違反だ」と言われたら断念せざるを得まい。その場合、VWはディーゼルを妥当な価格(スズキにとっちゃ高い?)で売ると主張することだろう。

訴えることによるスズキのメリットは皆無に近い。どうしてそんなヘタを打ったのだろうか? 交渉担当を変え、何とか妥協点を探すしかないと考えます。ただVWにとってスズキが魅力のないメーカーになっていることも確か。VWが買った価格より高い値で株を買い取ることになるかもしれません。

・ECOカーアジアは「LGケムの電池が3回に2回発火

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2 Responses to “スズキ迷走”

  1. さね より:

    うーん、諸行無常ですね。会社や株主にとっては大切な事かもしれませんけど、ユーザーにとってはこんなくだらない事で、車作りがダメになってほしくありません。経営ミスでしょうあきらかに。担当した役員、最高責任者、弁護団など欧米ならクビですよね。VWも世界シェアの覇権争いや、ユーロ経済の混乱など色々あるでしょうけど大人げないな… 会社の規模が違うんだし、自動車会社全体を見た時に小さい優良企業を独立させたっていいような気がしますけど、スズキだけでなくコストダウンできる優秀なサプライヤーほしいんでしょうけど、なんだかなぁ…。結局どっちも個人的な保身のためなのかな? どっちにしろVWは知らん顔してるんでしょう。時が立つのを待って、世界経済がどうなるかまではスズキも辛いですね。話は変わりますがエコアルトの燃料タンク話題ですね。20リッターで後続距離が約300キロとして、賛否両論ならヤッパリ電気自動車の普及はまだまだ先かもなぁ。

  2. F-5 より:

    「EU、“VW買収阻止法”で独提訴 順守まで制裁金1日当たり320万円」(SankeiBiz)ってのがありました。ザクセン州の州法でVW株の買占めは出来ないのだとか。
    それなのに、VWはスズキの株主になって支配力を行使しようとした訳ですね。何とも不公正な闘いだと感じます。
    金余りの日本企業が海外の自動車会社の株を買って支配する、と言うやり方もあっておかしくないのですが、誰もやらないのでしょうか?(たしかポルシェがVWに対して買収を仕掛けたことがあったはず)

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