ニュースその後

以前取り上げた話題で「その後どうなってるの?」をいくつかピックアップしてみたい。1)三菱自動車とプジョーの提携。いろいろ調べてみると、どう
やら進展していないような雰囲気である。もっと正確に表現すると、プジョー側で決断を引き延ばしている感じ。二の足を踏んでるのだ。

プジョー側は三菱グループに於ける三菱自動車のポジションを過大評価していたフシがあるらしい。つまり三菱重工の技術も利用できると考えた、ということです。実際はそんな簡単なモノじゃない。さらにプジョーの大株主であるプジョー家の承認も必要。三菱自動車が破格の条件を出すまで動かないかも。

2)トヨタのハイブリッド技術をマツダに、の件は、全く個人的な印象ながら「進んでいる」と考える。2011年に登場するヴィッツ級のシステムなのか、はたまた現行プリウスのシステムなのか不明ながら(おそらく後者)、そう遠くない将来、何らかの発表があると思う。ハイブリッド無しだとマツダは厳しい。

3)ホンダの新しいハイブリッドシステムは2タイプあるようだ。アコードなどに搭載される大きなモーターを使うタイプと、シボレーボルトのような「内燃機関の熱効率を徹底的に追求したエンジンを発電機として使う」シリーズハイブリッドである。小型車用のハイブリッド車は後者が主流になる可能性大。

4)2010年あたりから登場してくると言われていたアイドルストップながら、各社難航している様子。違った見方をすると「アイドルストップを加えても販売に結びつかない」と判断しているようなのだ。ユーザーもアイドルストップにお金をかけるならハイブリッド、という流れになってきている感じ。

5)プリウスなど静穏車にエンジン音を、の件は正式に決まった。ただ内容を見ると解釈次第でいかようにも、という雰囲気。なんせ「音量はガソリン車並。音質は自由に決めてよい」。もしかすると一般的なガソリンエンジンと大きくイメージが違うか? 高速走行時のチャイムと一緒になるかもしれない。

「速度を出さないように」という観点で考えられたものだけれど(したがって当初は警告音のように不快だった)、やがて聞いていてストレス無い心地よいものになった。どんな音になるのか? ちなみに音が出るのは20km/hまでで、カットスイッチも認められた。

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6 Responses to “ニュースその後”

  1. アミーゴ5号 より:

    このような追跡考察は、本当にありがたいし、また必要だと思います。
    特にマスコミ報道にはわからない事が多く、例えば先日も、VWがスズキと合算すると世界一のメーカーになったとニュースでやっていました。スズキはVWのブランドではなく、独立の会社です。GMの時も確かGMの総販にカウントされていなかったはずです。
    意味のない数字を作って大々的に報道して、日本にとって重要な企業であるトヨタを、マスコミ自らがわざわざ落としめていったいどんな意味があるのでしょう。
    官もマスコミも、なんだか本当に近視眼的な事ばかり。国沢さんの言う通り、日本の経済や雇用は、そんな事をやっている事態ではありません。
    雇用問題でも「賃金より雇用優先」とは、労使の論点でもっともだと思います。個人的には、「法人税より雇用優先」とかの官民の論点があってもいいと感じています。

  2. ijiok より:

    1の三菱ですが、官民一体のSIM-DRIVEでの可能性を期待したいです。
    2に関しては、アイシンとの関係やフォードが手放したマツダ株をデンソーが引き受けたことなど、将来的にマツダのトヨタグループ入りはあるのではという気がします(スバルの様に形骸化にならない事を願いますが)。中国でやや弱いトヨタが意外と海外(中国・欧州・オセアニア?)で人気あるマツダを、是が非でもではないにしろ欲しがってもおかしくないでしょうし。
    3ですが、アコードクラスは2モーター方式でしょうか。フィットHVはとりあえずインサイトIMAとすると見劣りしますから、その後のは楽しみです。スイフトHVとライバルになりそうですね。それから、ヴィッツHVがコスト面からTHSでなく、フィットと同じくマイルドHV方式という噂もあり気になります。
    4は一般受けがよくないのでしょうか。アイドルストップあると燃費面よりも長い信号待ちで不快な振動音がないので良いのに。やはりメディアがあまり伝えないからでしょう。
    5も腑に落ちませんが、最初違和感あっても結局慣れていくんだろうなぁと思います。お年寄りの方々は高周波が聞こえにくいそうですし、騒音多い所では高い音の方が聞こえやすいそうですしどうなることやら。
    追跡考察たいへん面白かったです。また時々お願いします。
    それから国沢さんがほんとは政権のアドバイザーしてくれたらと願いたいです。箱物などにばらまいたり、天下り法人など無駄使いから人への投資、介護や農業などに雇用をシフトしてゆくというのは解りますが、といっても日本はまだまだ自動車や(HKさんの3DTVの件も気になりますが)ハイテクのトップ。企業への後押しも必要でしょう。

  3. 阪神ファン より:

    三菱についてですが、PSAの財務内容がよくないので三菱グループとして反対意見が多いといった内容の記事も見たことがあります。お互い、探り合いといったところでしょうか・・・。
    ところでアイドルストップ。今いちわからないです。なぜ、すぐにエンジン始動できるのか。昔からある一般的な車ではキーをひねってクランキングしてエンジン始動。これがクランキングなく、すぐにエンジン始動できる理屈がわかりません。そもそもクランキングって何がどうなってるのやら・・・。今まで何も思わなかったことですがアイドルストップやプリウスのような車が出てくると不思議に思うようになりました。

  4. 5108 より:

    トヨタとマツダの関係は、ハイブリッド技術やカーナビ・システムの提携だけでは終らず、年内にトヨタ・グループ入りし、VW・スズキ連合に奪われた世界一の座を確保するのではないでしょうか。
    すでに、トヨタ関連の部品会社によるマツダ株の保有は周知の事実ですし、新世界一グループの出現で新たな企業提携があってもおかしくありません。70年代には、ロータリー・エンジン搭載クラウンが発売直前で、NSUとのライセンスの関係で中止になったとマツダの社長の回顧録に書かれていました。時代的には、ロータリー搭載クラウンは疑問ですが、案外いけるかも知れません。
    フォード離れをしたマツダの生きる道は、ひとつかと思います。そして、トヨタにとっても今のマツダのポジションは、トヨタ・ブランドやマーケットを補強でき有益だと考えます。

  5. murphy より:

    国沢様
    いつも、Webや誌上で拝見しております。
    本日のお題の中で、
    5)プリウスなど静穏車にエンジン音
    の件についてですが、本日、通勤で路線バスに乗っていたところ、車道を爆走中の自転車をかわす際に電子の音声で「バスが通過します。注意して下さい。」と車外に向けて発していました。
    まず、この様な電子音声を社外に向けて運転手の意とするタイミングで発することが法律的に認められているのでしょうか?もし、認められているのであれば、プリウスの疑似エンジン音も音声で、しかも、運転手が意とする場合のみ発すれば良い気がします。
    低速走行時は必ず疑似エンジンが鳴るのはナンセンスだと思います。

  6. T.K より:

    4)アイドルストップの件、以前BMWの欧州仕様で試乗した事がありますが、クラッチを踏むとすぐ始動し、全く違和感はありませんでした。ただ、MTなんですよ。ATはDレンジで始動させなければならないので、いろいろ技術的にハードル高いでしょうね。
    5)エンジン音の件は、目の不自由な方への配慮もあるので「運転手が意とする場合のみ」というのは難しいのでは。もう一点、電子音って鳴っている方向がわからない場合があるのですが、皆さんはそんなことありませんか? 発信場所のわからない音を出す装置って意味無い様に思うのですが。

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