気温低い時に試験するとどんなタイヤでも性能差が出ないことを知っておいてください

ラジオ日本「ドライブ・ア・ラ・カルト」のゲストに大井タコ史センシュを御願いして収録したのだけれど、テーマの中に「スタッドレスタイヤ選び」を入れた。市販車に乗せたら当代きっての名手と言われているドライバーだけに、どんなことを言うのか大いに楽しみだった次第。すると興味深いことに「北海道での評価は気温が難しいですよね~」。

大井選手は12月26日の21時

聞けば最近日本ブランド以外のスタッドレスの性能が高いと言われているらしい。私は知らなかったです。というか日本の氷は日本のスタッドレスがベストだと思っている。ミシュランの新製品も日本の氷を重視した結果、とっても良くなった。なぜ気温とスタッドレスタイヤの性能が関係あるのか? こらもう簡単。冷凍庫の氷とアイスペールの氷の違いです。

冷凍庫の氷を手で掴もうとすれば、掴まなくてもくっつく。スタッドレスタイヤも同じ。気温低く氷温も低いと、どんなタイヤでもグリップする。大井選手も「コンパウンドが柔らかいハイグリップタイヤって気温低いとグリップいいからね~」。私の経験値だと日陰だとマイナス7度くらいからガラリと雰囲気変わってくる。マイナス10度になれば、けっこうグリップします。

はたまた走ると雪面にパターンが残るような雪も、銘柄による差はあまり出ない。いささか古い動画だけれど、当時のナンカンですら圧雪は全く普通に走れた。おそらく圧雪の絶対的なグリップは、今も当時も変わっていないと思う。圧倒的に進化したのが、世界で最も滑ると言われている一番事故になりやすい気温0度を少し切るくらいのブラックアイスだ。

こんな雪はけっこう喰う

日本のタイヤメーカーや自動車メーカーは苦労して立つのもやっとのミラーバーンを再現して試験する。私の場合、越後湯沢の上越線のオーバーブリッジが評価基準になってます。このブリッジ、基本的に融雪装置付きなのだけれど深夜に止まる。で、凍り始めた時の滑り具合が超ステキなのだった。ダメなスタッドレスタイヤ、緩い下り坂でブレーキ踏むと全く減速しない。

このブリッジ、大寒波でマイナス10度くらいになった時に試験してみたら、面白いように止まる! もっと言えば、マイナス7度以下や圧雪であれば、どのスタッドレスヤイヤでも大差ない性能を出す。けれど日本特有のミラーバーンは、日本のタイヤじゃないと手に負えない。停止距離で2倍になってしまうことすら珍しくありません。先行車が止まれても追突する。

街中主体で走るリーフはヨコハマのオールシーズンです

ということで性能を重視するならブリシストンかヨコハマかダンロップの新製品かミシュランXアイス3の4択です。オールシーズンタイヤは日本製であってもミラーバーンになると厳しい。テカテカ光っているようなアイスバーンや黒い氷に出くわしたら、徹底的に速度を抑えること。逆に圧雪や気温低いときはけっこう走れちゃいます。タイヤ選択は奥行きあって面白い。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ