2024年度の電気自動車補助金、ちょっと興味深い。タイカン20万円。bZ4X85万円。ソルテラ65万円

2024年度の電気自動車補助金が公表された。いやいや興味深いです。満額は85万円で昨年までと同じながら、役人の皆さん算定方法に凝りましたね~! 7つの評価項目を立ち上げ、総合点で決めている。結果、兄弟車であってもbZ4Xは85万円なのに対し、ソルテラ65万円。昨年85万円だったBYDのATTO3は35万円に。SAKURAとeKクロスEV変わらず55万円。タイカンなんか20万円とな!

どんな評価項目あるのか? 最高点200点となり、例えば『整備人材の育成』に20ポイント与えている。内容は「① 保有資格や役職と連動し、自動車整備士が適切な評価を受ける制度・体制を導入しているか。② 自動車整備士の定着や職場環境の改善等に資する取組を実施しているか。③ 自動車整備士養成施設の設立 / 運営に貢献しているか。④ 自動車整備士養成施設に対して、車両や技能講習を提供しているか。⑤ 自動車整備士を目指す学生に対する奨学金制度の有無。⑥ 中高生等への出前授業や、整備工場における仕事体験等、自動車整備士の認知度を高める取組を実施しているか。⑦ ディーラーや提携工場の整備士に対して、電動車の整備に関する研修を実施しているか」。日産なんか日産大学校の八丈島イベントで楽々満点を取れることだろう(笑)。

補助金の決め方について

『充電インフラ整備』という項目にも40点を付けている。どれだけ公共の急速充電器を持っているかという評価になり、ここでBYDやヒョンデなど輸入車勢は加点されない。おそらく官僚の皆さん「公平に見えるようにしながら中国勢を排除」することに腐心したことだろう。ATTO3なんか50万円の減額ですから。中国は日本からの輸入車に対し巨額の税金を載せているんだから当然か。

ATTO3は50万円もの減額!

よく解らないのが欧州車。ポルシェ・カイエンは20万円なのに、ロールスロイス・スペクターが52万円。ジャガーIペースなんか12万円! テスラ・モデル3のロングレンジ85万円。ちなみに車種事の詳細な点数は公開されていない。オリンピックにも言えることながら「採点競技」は点数付ける人によって評価が変わってくる。中国あたりからコンプレイン(苦情)出てくること必至でしょう。

また、日本でニーズが増えるだろう軽自動車については寛大。石油利権側としても過疎地にスタンドを確保するコストを考えれば容認しとくよってことなんだと思う。16kWh電池の旧型ミニキャブMiEVにまで55万円という満額の補助金を付けた。間もなく発売されるホンダN-VAN;eも55万円と考えていい。東京都など自治体の補助金についてはまだ発表されていないが2023年度と同じくらいか?

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6 Responses to “2024年度の電気自動車補助金、ちょっと興味深い。タイカン20万円。bZ4X85万円。ソルテラ65万円”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    補助金の査定に、インフラや人材育成への貢献度やライフサイクルの環境性能を加味するのは、とても理にかなっていると思います。

    それにしてはですよ、
    BYDもそれなりのプラス査定だし、テスラも高く見えるのは、商売国日本の悩ましいところでしょう。

    ただ海外メーカーから、車種毎の査定根拠を明らかにしろと言われるのは確実。でも補助金は当事国の決めの問題なので、文句を言われる筋合い無し。官僚の皆さんには、円満に懐柔して頂きたくお願いします。

    それから気になっていくつかネットを見たのですが、ヒョンデの査定額が見当たりませんでした。

    日本は韓国バッテリーメーカーと、米国で合弁事業もあるようだから、大人の関係を加味して、補助金査定は「中国以上、米国未満」という感じかな?

  2. tonpochi より:

    採点結果は何故その点数なのかを公明正大にしないと納得できない。お役人の中にきっと韓国・中国嫌いがいるのでしょう。
    これじゃ日本へ新規にEVを輸出しようとしても巨額な資金がないと無理。これによって日本のEV比率は更に低くなるのは間違いない。ルノー5の輸入は無理でしょう。
    しかし、BYDが日本市場を撤退するとは考え難い。更に競争力の高いEVを導入してくる気がします。例えばシーガルと元Up。どちらも補助金無しで200万円代だとしたら日本車のEVは窮地に追い込まれることになるでしょう。

  3. 二級人 より:

    WTO世界貿易機関の案件になるような感じがします。最近はやりの。
    条件が曖昧な部分があるし、国内メーカー・販売会社が有利に見える。整備士待遇に点数付けるのも整備業界に国の目を光らせて利権を広げようとしてるのかも。政策には表裏あり、一石二鳥の政策か。
    それとメーカーと販売会社・整備を混同している。市場経済ではメーカーは販売側を規制できない。自動車業界が特別変わっているだけです。私の考えすぎでならいいですけど。
    補助金減額にしても関税にしても最終的に負担するのは消費者です。振り回されますね。

  4. いけだ より:

    『補助金の決め方について』のリンク先の文章を見た感想ですけど、
    公文書で『電費』という単語が当たり前に使われているのを見ると時代の変化を感じて感慨深いです。

  5. トヨタ車ユーザー より:

    中国の補助金減額は超納得です
    本当に市場を開拓したいなら、本国でやっているように、減額分値下げしたらよろしい。
    文句を言ってきたら、どこの国もやってるから、搾取お断り案件!ということでよいと思います。

  6. 還暦オヤジ より:

    >お役人の中にきっと韓国・中国嫌いがいるのでしょう。

    いやいや、欧州やアメリカはもっと露骨にやって来ていますし、中国も言わずもがなです。
    日本だけが今まで輸入車に甘過ぎたのです。
    自動車産業は国の基幹産業ですから、自国を保護するのは当たり前です。

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