高齢化時代を迎え需要高まる福祉車両ながら普及進まず。なぜか? 国がブレーキ踏んでます

我が国は10年もすれば団塊の世代の先輩方が85歳前後になり、クルマ椅子のまま乗降出来たり電動昇降機能付きのシートを持つ、いわゆる「福祉車両」のニーズ増える。人口比率を考えたら乗用車の5%くらいがこういったクルマになるべきだと思う。私もそういった環境にあるため、ノアは電動昇降シート付きを選んだ。福祉車両、突然必要になるケースも多い。

したがって納期掛かる新車より中古車としてたくさん流通していないとダメ。といったことまで考えたら、10年後といわず、今から新車に於ける福祉車両の比率を増やしていかなければならない。幸い福祉車両仕様をラインアップするモデルはけっこうある。加えて福祉車両は誰が買っても消費税の対象外。結果、ノアの場合、標準グレードとウェルキャブの価格はほぼ同じ。

ノアは福祉車両を”ほぼ”同じ価格で買える

しかし! どのメーカーもトヨタのように「標準車と福祉車両は実質的に同じ価格」ということになっていない。やはり福祉車両の方が割高だったりする。加えて積極的に売ろうとしていない。なぜか? 調べたら愕然とするオタンコなシステムになっていたのだった。普通、消費税の対象外となれば、自動車メーカーも消費税の支払い義務がないと思うだろう。

実際、以前は自動車メーカーに福祉車両に対する消費税も課税対象外としていたそうな。ところが10年ほど前、突如福祉車両の免税を止めてしまう。こうなると消費税を負担するの、自動車メーカーということになる。400万円の車両の製造原価を200万円だとしよう。普通のクルマなら40万円の消費税を上乗せし、自動車の生産段階でも多段的に課税される。

ユーザーが10%の消費税を払わなければ、自動車メーカーは製造段階で掛かる10%の消費税を全て負担することになってしまう。こらオタンコだ。当然ながら福祉車両が売れれば売れた分だけ消費税分を損する。となれば車両価格を上げ、損をしないようにしなくちゃならない。だから割高になり、結果的に福祉車両の普及を妨げてしまう。高齢者急増の前に是正すべきだ。

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2 Responses to “高齢化時代を迎え需要高まる福祉車両ながら普及進まず。なぜか? 国がブレーキ踏んでます”

  1. いき より:

    https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-12774741599-15203613846.html
    GPDデフレーターですがマイナス0.5ほどになっていますね。
    つまり、企業が価格転嫁が充分では無いと証明されてますね。
    対策は、消費税廃止と財政出動しかありませんね。

  2. テリー より:

    団塊の世代がもうすぐ後期高齢者(75歳以上)になりいよいよ介護が必要になります。お金のない国は「施設から地域へ」の方針の元、要介護高齢者の在宅を推進していますが、地方ではヘルパーが不足し利用を希望してもできない状況にあります。

    福祉車両も同じことがいえますね。在宅介護を推進するのであれば、要介護高齢者の移動を支える福祉車両の普及は必要なことですよね。

    あと、細かなことですが、福祉車両とまではいわなくてもアームレストなんかも筋力が低下し体幹保持機能の弱まった高齢者には必要な装備なのですが、新型シエンタなど未だに上級グレードの運転席しかアームレストが設定されていなかったり、下位グレードだとオプションでも選べなかったりします。

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